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【動画付】1985年に発売されたアルバム・ベスト59:40年前の名作たち
国連により”国際青少年年”に指定された1985年は、確かに若者文化の力を証明した年だった。特にミュージシャンたちはこの年、自分たちのアルバムや歌声で世界を変えようとしていたのだ。
この一年を通して数々のミュージシャンが手を携え合い、「Sun City」や「We Are The World」といったコラボレーション・シングルの制作やライヴ・エイド、ファーム・エイドというチャリティー・コンサートの開催により様々な国際運動への賛意を示した。そしてそれらの楽曲やイベントは、かけがえのない支援金を集めただけでなく、音楽史に残る象徴的な瞬間を生むことにもなった。
クイーンのキャリアを変えたライヴ・エイドでのパフォーマンスや、ダイアナ・ロス、ウィリー・ネルソン、マイケル・ジャクソンとともに作曲も担当したライオネル・リッチーといったスターたちが集結した「We Are The World」のミュージック・ビデオはその好例である。
また、MTVでも若者文化が支配的な勢力を誇っていた。マドンナ、ホイットニー・ヒューストン、ティアーズ・フォー・フィアーズ、デュラン・デュランなどの新鋭アーティストが当時のメディアを席巻していたのだ。他方、フィル・コリンズ、ジョージ・ストレイト、ルーサー・ヴァンドロスら輝かしい実績を誇るベテランも、引き続きチャートで衰えることのない人気を印象付けていた。
さらに、この年はロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーやポリスのスティングなど、有名バンドのフロントマンたちが数多くソロ・デビューした一年でもあった。ロバート・パーマーのたまらないほど魅力的なポップ・サウンドから、メガデスによる疲れ知らずのスラッシュ・メタル、そしてデフ・ジャムの繁栄の基礎を築いたLL・クール・Jのデビュー作まで、1985年の名アルバムの数々を振り返っていこう。
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59位: ブライアン・フェリー『Boys And Girls』
ロキシー・ミュージックの解散後に、フェリーがソロ・アーティストとしてリリースした最初のアルバム。ヒット・シングル「Slave To Love」が収録された本作では、クールで落ち着きがあり、肩の力の抜けたソフィスティ・ポップが展開されている。彼が熱烈なロック・ミュージシャンから、優美な曲作りを志向するアーティストへと進化したことを示す一作である。
58位: ジョージ・サラグッド&ザ・デストロイヤーズ『Maverick』
彼らはこのアルバムでジョニー・オーティス、チャック・ベリー、ジョン・リー・フッカーらの楽曲をカヴァーし、グループのルーツを明らかにした。そんな本作は、初期ロックンロールのブルージーなサウンドを現代風の音で蘇らせた作品である。
57位: ハスカー・ドゥ『Flip Your Wig』
ハスカー・ドゥの面々が初めてセルフ・プロデュースで作り上げたアルバム。それまでの作品と比べ著しくライトな作風にはなったが、彼らが人気グループになった所以であるパンク独特のエッジは少しも失われていない。
56位: セルティック・フロスト『To Mega Therion』
スイス出身のヘヴィ・メタル・バンドが1985年にリリースしたアルバム。終末を思わせる激しさと凶暴なまでのリズムを特徴とした本作は、デス・メタルがほかとは一線を画す独自のジャンルとして確立されるきっかけとなった。
55位: コモドアーズ『Nightshift』
モータウン・レーベル所属のコモドアーズによる11作目のスタジオ・アルバム。アルバムの中核を成すタイトル・トラックはこの世を去ったマーヴィン・ゲイに捧げる真心のこもった一曲であり、グループにグラミー賞の栄冠をもたらした。
54位: ジョージ・ストレイト『Something Special』
このアルバムでジョージ・ストレイトは、CMA (カントリー・ミュージック協会) の”Male Vocalist of the Year (男性ヴォーカリスト賞) “を初めて受賞。それまでの作品に引き続き、このアルバムもまたカントリー・チャートで1位を獲得した。
53位: ジェイソン&ザ・スコーチャーズ『Lost & Found』
ナッシュヴィル出身のロック・バンドである彼らは、このデビュー・アルバムでいきなりその実力を見せつけた。伝統的なカントリー・サウンドと、現代的なパンクやハード・ロックの要素を巧みに融合させたアルバムである。
52位: ポゼスト『Seven Churches』
デス・メタル・バンド、ポゼストのデビュー・アルバムにして、熱烈で激しく、どこまでも陰鬱な一作。それまでのどんな作品よりハードで、速く、質の高いこのアルバムは同ジャンルにおける模範となった。
51位: エクソダス『Bonded By Blood』
このアルバムがなければ、スラッシュ・メタルの未来はなかったかもしれない。サウンドの面でも内容の面でも一切の制約を課されず、スラッシュ・メタルというジャンルの限界に挑んだ作品である。
50位: フレディ・ジャクソン『Rock Me Tonight』
タイトル・トラックのほか、「You Are My Lady」や「He’ll Never Love You (Like I Do)」といったヒット・シングルが収録されているR&Bシンガー、フレディ・ジャクソンのデビュー・アルバム。この作品で彼はスターの仲間入りを果たし、1980年代きっての印象的な歌声の持ち主としての評価を確立した。
49位: オンブレス・ヘ『Hombres G』
スペインのロック・バンド、オンブレス・ヘのデビュー・アルバム。ヒット・シングル「Devuelveme A Mi Chica」を含む本作をきっかけとして、彼らは世界的な成功を手にした。
48位: ハスカー・ドゥ『New Day Rising』
ハスカー・ドゥによる通算3作目のスタジオ・アルバムにして、彼らが1985年にリリースした2作のアルバムの1作目。彼らがより明るく、ポップなパンク・サウンドに転換していくことを予見させる作品である。
47位: キリング・ジョーク『Night Time (暴虐の夜)』
ファンのあいだでの人気が高い「Love Like Blood」、「Eighties」といった楽曲を収録した、ポスト・パンク・バンド、キリング・ジョークの1985年のアルバム。実験的なサウンドを親しみやすいメロディーで中和させた作品である。
46位: レジオン・ウルバナ『Legião Urbana』
ブラジルのバンド、レジオン・ウルバナのデビュー作。同国のロック・シーンを代表するこのアルバムからは、「Ainda É Cedo」と「Será」というヒット曲も生まれた。
45位: INXS『Listen Like Thieves』
タイトル・トラックや「What You Need」などのヒット曲を生んだ、ポップ・ロック・バンドの1985年作。こののちに彼らが大きな成功を手にすることを予感させるアルバムになった。
44位: ローン・ジャスティス『Lone Justice』
ロック・バンド、ローン・ジャスティスが、大きな期待を寄せられる中で発表したデビュー・アルバム。質の高いサウンドとルーツ・ミュージックが融合することで、技術的な完成度とソウルフルな魅力が共存した作品に仕上がっている。
43位: マイアミ・サウンド・マシーン『Primitive Love』
ラテン・ポップ・グループのマイアミ・サウンド・マシーンが英語の歌詞で制作したアルバム。リード・シングル「Conga」がヒットを記録したことも手伝い、彼らは本作でアメリカのポップ・シーンにおける地位を確かなものにしたのだった。
42位: RPM『Revoluções Por Minuto』
ブラジル出身のバンドであるRPMが、シンセ・ポップやロックからの影響を取り込んで作り上げたアルバム。彼らはこのアルバムで、ブラジルを代表するバンドとしての評価を揺るぎないものにした。
41位: スレイヤー『Hell Awaits』
スラッシュ・メタル界の大物バンドがいよいよ本領を発揮した1985年の作品。不協和音に満ちた騒々しいサウンドのアルバムだが、同時に技術力が高く複雑に作り込まれている。本作で彼らは、単に優れたミュージシャンというだけでなく、スラッシュ・メタルというジャンルの先駆者ともみなされるようになった。
40位: ソニック・ユース『Bad Moon Rising』
ノイズ・ロック・バンド、ソニック・ユースはこの2ndアルバムで、キャッチーな楽曲や魅力的なメロディーを作り出すことに関して確かな実力を備えていることを証明した。
39位: ラッシュ『Power Windows』
ロック・バンド、ラッシュによる11作目のスタジオ・アルバム。彼らは「The Big Money」や「Marathon」といった人気曲を含むこの『Power Windows』でプログレッシヴ・ロックというジャンルを刺激的な新次元へと到達させた。
38位: スーモ『Divididos Por La Felicidad』
アルゼンチン出身のロック・バンドによるデビュー・アルバム。パンク、レゲエ、スカ、ロックを融合させ、楽しげなサウンドに昇華させたこの『Divididos Por La Felicidad』は、1985年の作品には違いないが、冒険心に満ちたその魅力は現在もなお、いささかも薄れていない。
37位: トーキング・ヘッズ『Little Creatures』
トーキング・ヘッズはこの1985年のアルバムで、アフリカ音楽やファンクのルーツを捨てることなくカントリーやルーツ・ミュージックへと傾倒。そうすることで、日々の些細な喜びを賛美するこの一作を生み出した。
36位: キュアー『The Head On The Door』
ロバート・スミスは、このアルバムでグループの音楽の方向性を転換した。ダークな作風を捨てて明るいサウンドを志向することで、キュアーの過去作品の中でも屈指にポップ色の強いアルバムを作り上げたのである。
35位: ミート・パペッツ『Up On The Sun』
パンクとサイケデリアが融合した、グループ3作目のスタジオ・アルバム。忙しなくも足を踏み鳴らしたくなるようなサウンドの本作は、全身を使って楽しめる刺激的な一作である。
34位: マントロニクス『Mantronix: The Album』
ジャンルの垣根を越えたグループであるマントロニクスのデビュー・アルバムにして、ヒップホップと電子音楽とファンクの融合に大きな可能性があることを示した傑作。リリースから数十年が経過したいまもなお、そのサウンドは先鋭的に響く。
33位: メガデス『Killing Is My Business… And Business Is Good』
スラッシュ・メタル・バンド、メガデスが残したこのデビュー・アルバムには、彼らの本質がよく表れている――。要するに本作は、大胆不敵でエネルギーに満ち、どこまでもダークなアルバムなのである。
32位: ニュー・エディション『All For Love』
R&Bヴォーカル・グループ、ニュー・エディションによる3作目のスタジオ・アルバム。それまでの諸作に比較しきわどさを増した歌詞や、より激しいビートが聴かれるようになったこの『All For Love』は、かわいらしい子どもたちだった彼らが、少女たちの憧れの的へと成長しつつあったことを示している。
31位: R.E.M.『Fables Of The Reconstruction (玉手箱)』
冬のロンドンで制作されたR.E.M.の3rdアルバム。厳しい天候やグループ内での方向性の違いを乗り越えることで、彼らはグループの代表作とされる傑作を作り出した。
30位: ハイウェイメン『Highwayman』
ジョニー・キャッシュ、ウェイロン・ジェニングス、ウィリー・ネルソン、クリス・クリストファーソンから成るカントリー界のスーパーグループによるデビュー・アルバム。記憶に残るタイトル・トラックのほか、「Desperados Waiting For A Train」や「Deportee」など、ファンのあいだで人気が高い楽曲も収録されている。
29位: ロバート・パーマー『Riptide』
ロバート・パーマーの1985年作は、「I Didn’t Mean To Turn You On」や「Addicted To Love (恋におぼれて)」などのヒット曲をはじめ、最高に楽しいポップ・ロック・ナンバーが満載された一作だ。
28位: Run-D.M.C.『King Of Rock』
ヒップホップ界の先駆的グループによる2ndアルバム。ロックからの影響がさらに強まり、ラップとギターが素晴らしい相乗効果を生み出すことを証明した一作である。
27位: スクリッティ・ポリッティ『Cupid & Psyche 85』
「Perfect Way」や「Wood Beez (Pray Like Aretha Franklin)」などのヒット曲を含む、シンセ・ポップ・グループの2ndアルバム。美しいメロディーと抽象的な歌詞世界が魅力のアルバムだ。
26位: スティング『The Dream Of The Blue Turtles (ブルー・タートルの夢)』
英国のスターによるソロ・デビュー作。ポリス時代のポップ・ロック・サウンドと距離を置き、ジャズへと傾倒した本作には、ダリル・ジョーンズやブランフォード・マルサリスも参加している。
25位: ウィントン・マルサリス『Black Codes (From The Underground)』
ジャズ界の巨匠にグラミー賞の栄冠をもたらした一作。1960年代のマイルス・デイヴィス・クインテットにオマージュを捧げたこのアルバムには、トランペットを吹くウィントンと並んで兄のブランフォードもサックスで参加した。
24位: イエロー『Stella』
電子音楽グループのイエローによる4作目のスタジオ・アルバム。グループ最大の人気楽曲である「Oh Yeah」が収められているほか、彼らのキャリア屈指のヴォーカル・パフォーマンスも楽しむことができる。
23位: V.A.『Miami Vice (マイアミ・バイス オリジナル・サウンドトラック)』
チャカ・カーン、フィル・コリンズ、ティナ・ターナー、グレン・フライらの楽曲が収められた、有名テレビ・ドラマの最初のサウンドトラック・アルバム。ドラマ本編がそうであるように、聴いていてワクワクする一作である。
22位: リプレイスメンツ『Tim』
トミー・ラモーンの助力を得て、グループが新たな高みへと到達した1985年の作品。それまでの作品よりラウドなギターやスケールの大きなドラムによって、ソングライターとしての彼らの成長が際立って感じられるアルバムとなった。
21位: グレイス・ジョーンズ『Slave To The Rhythm』
グレイス・ジョーンズが一つの型にはまらないアーティストであることは、この1985年のアルバム一作をもって既に明らかである。パーソナルで、グルーヴ感が強く、実験的な作風の本作は、リリース当時と変わらず現在も新鮮に感じられる。
20位: ハート『Heart』
ハートが1985年に発表したこのアルバムは、売れに売れて大ヒットを記録した。「These Dreams」や「What About Love?」などのヒット曲を含む『Heart』で、彼らはようやくメインストリームにおける成功を手にしたのである。
19位: ジョン・クーガー・メレンキャンプ『Scarecrow』
小さな田舎町出身のメレンキャンプによる1985年作は、アメリカ中部の庶民が抱える苦悩に光を当てたアルバムだ。そして本作では、それが驚くほどの気品と分かりやすさをもって表現されているのである。
18位: ジョン・フォガティ『Centerfield』
フォガティが約10年ぶりにリリースしたこのアルバムからは、「The Old Man Down The Road」や「Rock And Roll Girls」などのヒット曲が生まれた。彼にしか鳴らせない独自のアメリカーナ・サウンドをあらためて世に知らしめた一作である。
17位: フォール『This Nation’s Saving Grace』
英国出身のバンド、フォールによる8作目のスタジオ・アルバムは、彼らのほかの作品と同様、ジャンルの枠に収まらない作品だった。彼らは電子音楽、ポスト・パンクなど多数のジャンルの要素を取り込むことで、グループ屈指の人気作を作り上げたのだ。
16位: ジーザス&メリー・チェイン『Psychocandy』
スコットランド出身のジーザス&メリー・チェインのデビュー・アルバム。ドリーム・ポップとノイズ・ロックを融合させたその折衷的な作風は、数多くのジャンルに影響を与えることとなった。
15位: ポーグス『Rum, Sodomy & The Lash (ラム酒、愛、そして鞭の響き)』
ロック・バンド、ポーグスが、エルヴィス・コステロをプロデューサーに迎えて制作した2ndアルバム。彼らはアイルランドの民俗音楽と荒々しいパンクを組み合わせることで、両ジャンルの長所を取り入れつつ目新しいサウンドを作り出すことに成功した。
14位: スミス『Meat Is Murder』
瞬く間に全英チャートの首位を獲得したスミスの2ndアルバム。ダークで政治的な歌詞をサウンドに組み込むことで、彼らがその攻撃的な側面を露わにした一作である。
13位: トム・ウェイツ『Rain Dogs』
シンガー・ソングライターのウェイツが1985年に発表したのは、実験的なリズムや漠然とした内容の歌詞が満載されたアルバムだった。しかしながら覚悟を決めて耳を傾けてみれば、そこには素晴らしい音楽体験が待っている。
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12位: ホイットニー・ヒューストン『Whitney Houston (そよ風の贈りもの)』
ポップなR&Bというジャンルを代表する歌姫によるデビュー・アルバム。紛れもない名曲である「Saving All My Love For You (すべてをあなたに)」や「How Will I Know (恋は手さぐり)」などを生んだ本作は、彼女の類稀な歌声を世界中に知らしめた。
11位: ケイト・ブッシュ『Hounds Of Love (愛のかたち)』
謎に満ちたシンガー・ソングライターのケイト・ブッシュにとって、このアルバムはある種の復活作になった。彼女のキャリアを代表する大ヒット曲「Running Up That Hill (神秘の丘) 」が収録されたこの作品はまた、彼女の作品として初めてアメリカでも大きな人気を博した。
10位: ルーサー・ヴァンドロス『The Night I Fell In Love (マンハッタン・ナイト・ラブ)』
ルーサー・ヴァンドロスが1985年に発表した傑作。グラミー賞にノミネートされた本作には、「If Only For One Night」や「Wait For Love」などの比類ない人気ナンバーも収録されている。
9位: ダイアー・ストレイツ『Brothers In Arms』
ダイアー・ストレイツによる5作目のスタジオ・アルバムであり、ブルースやジャズの要素を取り入れた一作。内省的なタイトル・トラックや、音楽業界を風刺的に描いて大ヒットを記録した「Money For Nothing」が収録されていることでもよく知られたアルバムだ。
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8位: ニュー・オーダー『Low-Life』
ニュー・オーダーの1985年作は、彼らがジョイ・ディヴィジョン時代の陰鬱な作風から、その後のグループの武器となる明るいダンス・ポップ・サウンドへと転換したことが明確になった一作だった。
7位: パティ・ラベル『Patti』
「If You Don’t Know Me By Now」の象徴的なライヴ・パフォーマンスが収められた、R&B界の女王のソロ・アルバム。経験豊富なベテラン・シンガーとなっていた彼女が、再び手にした成功の喜びをしみじみと噛み締めていたことは本作からもよく分かる。
6位: プリファブ・スプラウト『Steve McQueen』
英国のバンド、プリファブ・スプラウトの代表作。キャッチーなフレーズの数々にジャズのソフトな側面を組み合わせた本作は、ソフィスティ・ポップのジャンルの中でも頭一つ抜けた名盤として認知されるようになった。
5位: LL・クール・J『Radio』
ニューヨーク出身のラッパーが、リック・ルービンのプロデュースで制作したデビュー・アルバム。デフ・ジャム初のフル・アルバムにして、伝説的な同レーベルを象徴する名作である。
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4位: プリンス&ザ・レヴォリューション『Around The World In A Day』
プリンスは大ヒット曲「Raspberry Beret」を含むこの1985年作でサイケデリックな作風へと転換した。謎めいた歌詞や重層的なサウンドが特徴的なアルバムだが、一方でグルーヴ感はまるで損なわれていない。
3位: シャーデー『Promise』
イギリスの人気バンドによる2ndアルバム。「The Sweetest Taboo」「Is It A Crime」「Jezebel」などの不朽の名曲を生んだ一作である。
2位: ティアーズ・フォー・フィアーズ『Songs From The Big Chair (シャウト)』
世界的なヒットを記録した「Everybody Wants To Rule The World」を収め、チャートの首位を獲得したポップ・ロック・バンドの1985年作。シンセ・ポップの可能性を押し広げた傑作である。
1位: フィル・コリンズ 『No Jacket Required (フィル・コリンズIII)』
コリンズはグラミー賞の”Album of the Year (最優秀アルバム賞) “に輝いた本作で、セールスの面でも創造性の面でもキャリアの頂点に達した。彼が数十年に亘り、世界的なスーパースターにしてラジオに欠かせない存在であり続けたのは、このアルバムのおかげなのである。
Written By Sam Armstrong
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