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1984年に発売されたアルバム・ベスト63:40年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】
1984年はジョージ・オーウェルの小説に描かれたような暗い年になるどころか、ポピュラー音楽の歴史においても特に充実した一年になった。
1984年には、シンセ・ポップ・サウンドのアルバムが数多く作られた (マドンナの『Like A Virgin』、ニュー・エディションのセルフ・タイトル作、ワム!の『Make It Big』といった作品だ) 。
また、ブラック・フラッグ、バソリー、ハスカー・ドゥ、ミニットメン、メタリカらがそれぞれの代表作となるアルバムを発表したこの年は、パンク、ハードコア、ヘヴィー・メタルといったジャンルの転換期にもなった。
他方、ニューヨークでは、新たなスタイルのヒップホップが誕生。Run-D.M.C.の革新的なサウンドを筆頭とするこの新たな潮流は、やがて1980年代の音楽シーンを席巻することになった。
幸いにも、1984年がジョージ・オーウェルの小説に描かれたような暗い一年になることはなく、それどころか、この年には印象的な出来事がいくつも起こった。例えば、第一回MTVビデオ・ミュージック・アワードの開催、”Frankie Say Relax”と書かれたTシャツの流行、スーパースターが一堂に会したチャリティー・プロジェクト、バンド・エイドの結成なども1984年の出来事なのである。
さらに同年には、『Born In The U.S.A.』『Purple Rain』という、説明するまでもない不朽の名作が生まれている。エコー&ザ・バニーメンからロス・ロボス、スミスまで幅広いアーティストの作品を含む、1984年の名アルバム群を紹介していこう。
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63位:チャーリー・ガルシア『Piano Bar』
ガルシアが1984年にリリースしたアルバムは、アルゼンチン・ロックの傑作として知られている。『Piano Bar』がそのアルバムで、ここには「Demoliendo Hoteles」や「Raros Peinados Nuevos」といった人気ナンバーも収録されている。
62位:ルーベン・ブラデス『Buscando América』
ルーベン・ブラデスがファニア・レコードと手を切ってから初めてリリースしたアルバム。彼はのちに、社会性が高くサウンドへの探究心に満ちた作品で知られるようになるが、このアルバムにもその片鱗がはっきりと見て取れる。
61位:アラスカ・イ・ディナラマ『Deseo Carnal』
1984年にリリースされた『Deseo Carnal』は、スパニッシュ・ロックを代表する1作である。ここにはニュー・ウェーヴ、パンク、ポップなどさまざまな要素を取り入れたサウンドに乗せて、極限の人間関係が描き出されている。
60位:ウォーターボーイズ『A Pagan Place (異教徒の大地)』
ファンから高い人気を誇る「Red Army Blues」などを収録したウォーターボーイズの1984年作。高尚な歌詞とスケールの大きいサウンドで、ケルティック・ロックを新たな高みに押し上げた作品だ。
59位:ブルー・ナイル『A Walk Across The Rooftops』
グラスゴー出身のバンド、ブルー・ナイルのデビュー・アルバム『A Walk Across The Rooftops』は、質の高いサウンドと創造性に富んだ楽曲群で知られている。その収録曲の特徴は、地に足のついたポップ・ソングさながらの歌詞に、荘厳なオーケストラ・アレンジを組み合わせた点にある。
58位:シャノン『Let The Music Play』
ポップ・シンガー、シャノンのデビュー・アルバム。タイトル・トラックの人気も助けとなって、ビルボードのダンス・チャートでは1位に輝いた。シャノンはこのアルバムで一躍、ダンスフロアに欠かせないアーティストの一人になったのである。
57位:デヴィッド・シルヴィアン『Brilliant Trees』
UKのシンガーであるシルヴィアンのソロ・デビュー・アルバムにして、シンプルながらも表現力豊かな秀作。ファンク、実験音楽、ジャズなどを融合させたサウンドが聴く者の心を揺さぶる。
56位:ロバート・アール・キーン『No Kinda Dancer』
シンガー・ソングライターのロバート・アール・キーンが1984年に発表したのは、テキサスでの生活を実直かつ魅力的に描いた1作だ。細部へのこだわりが感じられる語り口や、生き生きとした人物描写を堪能できるアルバムに仕上がっている。
55位:マリリオン『Fugazi (破滅の形容詞) 』
ロック・バンドのマリリオンによる2作目のスタジオ・アルバム。彼らの作品群の中でもそれほど評価の高くないアルバムだが、「Assassing (暗殺者)」「Incubus (夢魔)」、そして耳に残るタイトル・トラックなど、隠れた名曲が数多く収められている。
54位:ジューダス・プリースト『Defenders Of The Faith (背徳の掟) 』
ヘヴィ・メタル・バンド、ジューダス・プリーストによる9作目のスタジオ・アルバム。これ以前の作品のようにラジオでヒットした楽曲が収められているわけではないが、あらためて耳を傾けると「Freewheel Burning」や「Rock Hard Ride Free (鋼鉄の魂)」をはじめとする良質な楽曲に出会うことができる。
53位:ジャン・ミッシェル・ジャール『Zoolook』
強い影響力を誇るフランスの作曲家、ジャン・ミッシェル・ジャールの7作目のアルバム。彼はこの作品に20以上の言語の音声サンプルや、バック・バンドのファンキーな演奏などを取り入れた。その結果、一つのジャンルに分類するのは難しいものの、とにかくグルーヴ感の強いアルバムが完成したのである。
52位:INXS『The Swing』
オーストラリアのロック・バンドであるINXSは、ファンクとポップを融合させた作風のこの『The Swing』でブレイクを果たした。そんな同作は、INXSが母国オーストラリアのチャートで初めて1位を獲得したアルバムでもある。
51位:デヴィッド・ボウイ『Tonight』
デヴィッド・ボウイをもってしても、大成功を収めた『Let’s Dance』に続くアルバムを作るのは容易ではなかったようだ。確かに『Tonight』は前作ほど魅力的な作品ではないかもしれないが、それでも優れたポップ・アルバムであることに変わりはない。
50位:バソリー『Bathory』
スウェーデンのメタル・バンドであるバソリーのデビュー作は、心臓の弱い人には勧められないアルバムだ。神話や物騒なテーマを扱った歌詞、そして荒々しいサウンドに満ちた同作は、最初のブラック・メタル・アルバムとして広く認知されている。
49位:ビリー・オーシャン『Suddenly』
チャートの首位に輝いた「Caribbean Queen (No More Love on the Run)」を含むビリー・オーシャンの1984年作。彼はこの作品でUK R&B界のスターから、世界的なポップ・スターへと変貌を遂げた。
48位:キャシー・マティア『Kathy Mattea』
ウェスト・ヴァージニア出身のカントリー・シンガー、キャシー・マティアによるセルフ・タイトルのデビュー作。もともとウェイトレスとして働いていた彼女は、「Street Talk」や「Someone Is Falling In Love」といった人気曲を収録した同作で一気にスターの仲間入りを果たした。
47位:アイアン・メイデン『Powerslave』
アイアン・メイデンの音楽を聴いたことがないなら、このアルバムから入るのが一番良いかもしれない。というのも同作には、耳に残るメロディー、楽器隊の素晴らしい演奏、分かりやすい魅力を持ったアンセムなど、このバンドの人気の理由がすべて詰まっているのである。
46位:カーティス・ブロウ『Ego Trip』
元ヒップホップ・アーティストのカーティス・ブロウが1984年に発表した『Ego Trip』は、確かに当時一番ホットなラップ・アルバムではなかったかもしれない。しかし卓越したラップ・ナンバー「Basketball」を含む同作を聴けば、彼がヒップホップの発展に貢献した重要人物とされている理由がよく分かるはずだ。
45位:ローリー・アンダーソン『Mister Heartbreak』
前衛的アーティストであるアンダーソンがバレンタイン・デーにリリースした2ndアルバム。その歌詞は読み解くのが難しく、この作品がタイトル通り”失恋”をテーマにしているのかは判然としない。だがいずれにしても同作は、彼女のキャリアの中でも特に魅力的なアルバムである。
44位:XTC『The Big Express』
ロック・バンド、XTCの7作目となるスタジオ・アルバムは、細部へのこだわりと工夫に満ちていた。しかし、それでも初期の作品の特徴だった猛烈なエネルギーは少しも損なわれていない。
43位:ジャッズ『Why Not Me』
「Drops Of Water」「Mr. Pain」などの人気曲を収めた、母娘デュオの2ndアルバム。ロカビリーから、さまざまなジャンルの要素を取り入れたバラードまでヴァリエーションに富んだ楽曲が並んでおり、カントリー・ミュージックの多様な側面を知るにはもってこいの作品だ。
42位:ティーナ・マリー『Starchild』
もともとはモータウンのスター歌手だったティーナ・マリーの復活作。ヒット曲「Lovergirl」を含む同作は、現在までの彼女のキャリアでもっとも売れたアルバムである。
41位:ラッシュ『Grace Under Pressure』
カナダのバンド、ラッシュによる10作目のスタジオ・アルバム。そのサウンドは彼らの作品の中でも指折りの取っ付きやすさだが、歌詞はそうもいかない。冷戦下における病的な不安感をあらゆる角度から考察したその歌詞は、それまでの作品と同様に難解な問いを投げかけているのだ。
40位:コクトー・ツインズ 『Treasure (トレジャー – 神々が愛した女たち)』
スコットランドのロック・バンド、コクトー・ツインズの、3作目となるスタジオ・アルバム。細かい表現の美しい箇所があまりに多いため、そのすべてを十分に堪能するには (数年とは言わないまでも) 数時間を要することだろう。
39位:アシュフォード&シンプソン『Solid』
ソングライターからポップ・スターへと転身した有名デュオによる、11作目のスタジオ・アルバム。素晴らしいタイトル・トラックを中心とした『Solid』は、シンセサイザーやドラム・マシンを多用した80年代R&Bのサウンドを決定付けた。
38位:クール&ザ・ギャング『Emergency (クール・エマージェンシー)』
ファンク・バンドのクール&ザ・ギャングが1984年に発表した『Emergency』は、「Misled」「Cherish」、表題曲「Emergency」といったヒット・シングルが満載された1作だ。グループのファンなら決して外すことのできないアルバムである。
37位:ロイド・コール&コモーションズ『Rattlesnakes』
UK出身のグループ、ロイド・コール&コモーションズのデビュー・アルバム。フォーク・ロック・サウンドに才気溢れる歌詞を組み合わせた同作は、英国のジャングル・ポップ・シーンを代表する作品とみなされている。
36位:ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ『From Her To Eternity』
レナード・コーエンの「Avalanche」の不気味なカヴァー・ヴァージョンに象徴される通り、ケイヴのソロ・デビュー作はダークで劇的な作風のアルバムだった。彼の非凡なキャリアの基礎となったアルバムである。
35位:ラット『Out Of The Cellar (情欲の炎)』
ヒット・シングル「Round And Round」を収録したラットのデビュー・アルバム。ロサンゼルスのグラム・メタル・シーンからはモトリー・クルーなどの有名バンドも登場したが、『Out Of The Cellar』はこのジャンルに注目が集まる一つのきっかけになった。
34位:シンプル・マインズ『Sparkle In The Rain』
1984年のこのアルバムから、スコットランド出身のシンプル・マインズの快進撃が始まった。それまで小規模な会場で人気を博していた彼らは、同作を契機にアリーナを満席にするバンドへと成長。U2らと肩を並べるまでになったのである。
33位:アート・オブ・ノイズ『Who’s Afraid Of The Art Of Noise (誰がアート・オブ・ノイズを…) 』
さまざまなジャンルの要素が融合した名曲「Close (To the Edit)」を含む、シンセ・ポップ・グループのデビュー作。いかに奇妙で不気味なサウンドだったとしても、”ポップ”のジャンルに分類され得ることがこの1作で証明された。
32位:ポーグス『Red Roses For Me』
アイルランドのバンド、ポーグスのデビュー作にして、グループ史上屈指に荒々しいサウンドのアルバム。彼らの人気の理由である騒々しく猛烈なエネルギーが、楽曲にしっかりと表れた1作だ。
31位:スコーピオンズ 『Love At First Sting (禁断の刺青)』
ドイツのヘヴィ・メタル・バンド、スコーピオンズによる9作目のスタジオ・アルバム。「Rock You Like A Hurricane」「Still Loving You」「Big City Nights」といった大ヒット曲を収録した同作は、彼らの過去作の中でも指折りの成功を収めた。
30位:Various Artists『Footloose』
80年代を代表する名画のサウンドトラック・アルバム。2ヶ月以上に亘ってチャート・インしていた同作からは、あまりにキャッチーなタイトル・トラックをはじめ、多くの楽曲がラジオで人気を博した。
29位:ジョージ・ストレイト『Does Fort Worth Ever Cross Your Mind』
「The Cowboy Rides Away」などのヒット曲を含む、カントリー界のレジェンドの4thアルバム。カントリー・ミュージック協会賞のアルバム賞に輝いたのも納得の完成度である。
28位:ブラック・フラッグ『My War』
このパンク・バンドの1984年作は、彼らの持ち味だった高速の演奏が影を潜め、B面には体力が削られそうになるほど遅いテンポの曲も収められていたことで賛否を巻き起こした。だが、リスクを厭わないバンドの姿勢は評価に値するはずだ。
27位:フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド『Welcome To The Pleasuredome』
シンセ・ポップ・バンド、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのデビュー作。80年代の特徴的なサウンドが時代遅れになって久しい現在になって聴いても、面白いほどに低俗で、心憎いほど楽しさに溢れたアルバムである。
26位:ブライアン・アダムス『Reckless』
カナダのシンガー・ソングライターであるアダムスの1984年作『Reckless』は、それまでの作品よりはるかにスケールの大きなサウンドとなった。彼は小さな町の物語をアリーナ級のロック・アンセムに仕立てることで、キャリア屈指のヒット作を生み出したのである。
25位:ダイアナ・ロス『Swept Away』
ポップ界の歌姫が、ライオネル・リッチーなどの大物をプロデュースに迎えて制作した15作目のスタジオ・アルバム。「Missing You (追憶の涙)」や、フリオ・イグレシアスとのデュエット曲「All Of You」などのヒット曲が収録されている。
24位:エコー&ザ・バニーメン『Ocean Rain』
イアン・マッカロクの曲作りが冴え渡ったエコー&ザ・バニーメンの1984年作。同作収録の名曲「The Killing Moon」は、映画『ドニー・ダーコ』のサウンドトラックにも使用されている。
23位:ハスカー・ドゥ『Zen Arcade』
パンク・バンド、ハスカー・ドゥの2ndアルバムにして、アンダーグラウンド・ロック・シーンにおける重要作。エッジの効いた姿勢を崩すことなく、他ジャンルの要素を積極的に取り込むことで、ハードコア音楽の常識を覆した1作だ。
22位:ハロルド・バッド/ブライアン・イーノ withダニエル・ラノワ『The Pearl』
アンビエント・ミュージック界を牽引する二人による1984年作『The Pearl』は、繊細な作品作りのお手本といえる名盤である。このアルバムは、時間、空間、静寂を巧みに使うことで、感情を大きく揺さぶる音楽が作れることを示している。
21位:久石譲『Nausicaä Of The Valley Of The Wind (風の谷のナウシカ)』
同名のアニメ映画のサウンドトラック盤。人間の欲望や環境破壊がもたらす結果を題材にしており、1984年の作品でありながらいま聴いても強く心に響いてくる。
20位:ロス・ロボス『How Will The Wolf Survive』
澄んだ歌声や卓越した技術からグループの成熟ぶりが窺える、ロス・ロボスのメジャー・デビュー作。彼らの成長はアルバム全体を通して明らかだが、特に「A Matter Of Time (安らぎを求めて)」や「Serenata Nortena」といった人気曲に顕著である。
19位:マニュエル・ゲッチング『E2-E4』
電子音楽界の先駆者であるマニュエル・ゲッチングが1984年に発表した傑作。約1時間のトラック1曲から成る同作は、現在のダンス・ミュージックの基礎を形作ったアルバムといえる。
18位:プリテンダーズ『Learning To Crawl』
薬物の過剰摂取で二人のメンバーを失ったプリテンダーズは、解散してもおかしくない状況だったにもかかわらず、1984年にこの大傑作を作り出してみせた。一言で言えば、同作はクリッシー・ハインドの素晴らしい才能の賜物である。
17位:ニュー・エディション『New Edition (クール・イット・ナウ)』
R&Bグループ、ニュー・エディションの2ndアルバム。「Mr. Telephone Man」や「Cool It Now」など当時の若い女性に支持された名曲を含む同作には、男性ヴォーカル・グループのヒット曲作りの極意が詰まっている。
16位:エジプシャン・ラヴァー『On The Nile』
電子音楽の草分け的アーティスト、エジプシャン・ラヴァーが1984年に発表したデビュー・アルバム。ウエスト・コースト・ヒップホップの元祖といえる作品であり、未来的で楽しさに満ちたそのサウンドは現在もまったく色褪せていない。
15位:トーキング・ヘッズ『Stop Making Sense』
絶頂期のトーキング・ヘッズの演奏を収めた同名のコンサート映画のサウンドトラック盤。これを聴けば、彼らが長きに亘り強い影響力を保っている理由がよく分かるはずだ。
14位:ティナ・ターナー『Private Dancer』
ポップ/ロック界を代表する歌姫の驚くべき復活作。ラジオで大きな人気を博した「What’s Love Got To Do With It (愛の魔力)」などを含む同作で彼女は、逆境に屈しないシンガーであることを証明したのだった。
13位:ワム!『Make It Big』
「Wake Me Up Before You Go-Go (ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ)」を収め、タイトル通り”ビッグ”なセールスを記録したポップ・デュオの2ndアルバム。彼らをスターダムへ押し上げるとともに、ジョージ・マイケルの息の長いソロ・キャリアの幕開けを告げた作品である。
12位:R.E.M.『Reckoning (夢の肖像)』
ロック・バンド、R.E.M.による2作目のスタジオ・アルバムにして、アンダーグラウンド・シーンが生んだ傑作。「So. Central Rain」や「Little America」といった人気ナンバーを含む同作で彼らは、自分たちのルーツであるギター中心のキャッチーなサウンドに回帰した。
11位:ミニットメン『Double Nickels On The Dime』
パンク・バンドのミニットメンによる革新的な2枚組アルバム。知性的かつ実験的で、極めて一貫したそのアプローチにより、パンクという音楽の可能性は大きく広がったといっていいだろう。
10位:リプレイスメンツ『Let It Be』
グループ屈指の傑作にして、80年代を代表する名作との呼び声も高いアルバム。次第に重くなってゆく責任から逃れ、自由を謳歌したいと願うヤング・アダルト世代の苦悩が的確に捉えられている。
9位:ザ・スミス『The Smiths』
強い影響力を誇るロック・バンドであるザ・スミスが、デビュー作ながらいきなり高い完成度を見せつけたアルバム。楽曲の独特な構成や、記憶に残るメロディーでイギリスのポップ・ミュージックに変化をもたらした作品だ。
8位:U2『The Unforgettable Fire (焰)』
U2史上屈指の大ヒット曲である「Pride (In the Name of Love)」などを収めたアルバム。ブライアン・イーノとダニエル・ラノワをプロデューサーに迎えたこの作品で彼らは、より厚みのあるサウンドへと舵を切った。
7位:マドンナ『Like A Virgin』
マドンナがそのうちスーパースターになるであろうことは誰の目にも明らかだったが、彼女はこの2ndアルバムでその予想を現実のものにしてみせた。印象深いタイトル・トラックや「Material Girl」などを含む同作で、彼女はポピュラー音楽界を自分の色に染め上げたのである。
6位:Run-D.M.C.『Run-D.M.C.』
ブレイクのきっかけとなったシングルのAB面曲である「It’s Like That」と「Sucker M.C.’s」を収録した、ヒップホップの先駆的グループによるデビュー作。この1作で、ラップ・ミュージックは独立した音楽ジャンルとしての地位を確立した。つまり、ラップ界の中で認められさえすればそれだけで成功を収められるようになっていったのである。
5位:シャーデー『Diamond Life』
UKのバンドであるシャーデーのデビュー作にして、「Smooth Operator」や「Your Love Is King」といった不朽のヒット曲を収録した傑作。スムース・ジャズとポップを融合させた特徴的なサウンドを世界中に知らしめたアルバムである。
4位:ヴァン・ヘイレン『1984』
ロック・バンド、ヴァン・ヘイレンがシンセサイザーを大胆に取り入れた6作目のスタジオ・アルバム。ヒット・シングル「Jump」に象徴されるように、彼らがよりポップな路線へとサウンドを転換した作品だ。
3位:メタリカ『Ride The Lightning』
ヘヴィ・メタル・バンドのメタリカはこの2ndアルバムで、誰も予想していなかったほどの成長ぶりをみせた。そして彼らは同作でまたもや、メタル界の潮流を変化させたのである。
2位:ブルース・スプリングスティーン『Born In The U.S.A.』
スプリングスティーンの大傑作『Born In The U.S.A.』は、初めて聴く人にとっても、何度も聴いている人にとっても、聴く価値のある作品だ。それは、同作が史上トップクラスのセールスを記録した1作だから、というだけではない。厳しい現実や、終わりのない闘い、そして不屈の精神などが歌われていることこそ、このアルバム最大の魅力なのである。
1位:プリンス&ザ・レヴォリューション『Purple Rain』
プリンスの主演映画『プリンス/パープル・レイン』のサウンドトラック盤としてリリースされた彼の最高傑作。「When Doves Cry (ビートに抱かれて)」、「Darling Nikki」、そして表題曲「Purple Rain」といった名曲が目白押しのこのアルバムで、プリンスは誰もが知る人気アーティストになった。
Written By Sam Armstrong
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