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【動画付】1980年に発売されたアルバム・ベスト71:45年前の名盤たち
1980年に生まれた名盤を振り返ると、前後の数年と同様、その当時にきわめて幅広いジャンルが最盛期を迎えていたことが分かる。この年はまた、ディスコには衰退の兆しがみられた一方で、このころから台頭し始めたジャンルもあった。
例えばジューダス・プリースト、オジー・オズボーン、アイアン・メイデンらがアルバムを発表した1980年は、メタル界にとって非常に重要な年だった。さらに、カーティス・ブロウは最初期のヒップホップ作品を発表し、ダイアナ・ロス、ドナ・サマー、グレイス・ジョーンズらもそれぞれに素晴らしいレコードをリリースした。その点はクイーンもまた同様であり、彼らは多様なサウンドを取り入れて、同年屈指の大ヒット作を作り上げたのである。
それゆえ、1980年のアルバムの中に好きな作品が一つも見つからないことは考えにくい。つまりこの年の作品の中には、誰しも一つはお気に入り見つけることができるというわけだ。
このリストから漏れている1980年の名作アルバムがあると感じたら、下のコメント欄から是非教えて欲しい。
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71位: クランプス『Songs The Lord Taught Us』
ロカビリーに不気味な演劇性を加えたクランプスのデビュー・アルバム。抜け目なく作り込まれたサウンドと独創性が特徴の本作に、安易な小細工は一切ない。
70位: UB40『Signing Off』
多人種から成るポップ・レゲエ・バンドのデビュー作。階級社会の格差を猛然と批判した「Little By Little」からキング牧師を追悼した「King」まで、グループ屈指に痛烈かつ政治的な歌詞を含んだ一作だ。
69位: ディーヴォ『Freedom Of Choice (欲望心理学)』
当時いたるところで流れていたキャッチーな楽曲「Whip It」を含む、グループ3作目のスタジオ・アルバム。彼らがニュー・ウェーヴ・バンドからシンセ・ポップ界の中心グループへと変貌を遂げたことは本作で明確になった。
68位: アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『Full Force』
即興演奏を持ち味とするジャズ・グループの1980年のアルバム。チャールズ・ミンガスに捧げた感動的な楽曲「Charlie M」などキャリア屈指の名曲も収めた本作で、彼らはメインストリームにおける地位を確かなものにした。
67位: ブラック・サバス『Heaven & Hell』
ヘヴィ・メタル・バンドによる9作目のスタジオ・アルバムにして、彼らがオジーの脱退を経て初めてリリースした一作。確かに、これを初期の作品群に匹敵する傑作と評価する者は少ないかもしれない。だがそうは言っても本作の完成度は高く、もっとも有名なメンバーを欠いたとしても彼らの柔軟性とエネルギーが失われないことを示していた。
66位: ピート・タウンゼント『Empty Glass』
ザ・フーの創設メンバーによるソロ・アルバム。答えの出ない疑問の数々に悩み苦しむアーティストの姿が投影された、私的で赤裸々な一作だ。
65位: エグベルト・ジスモンチ『Circense (カルナヴァル)』
ブラジル人作曲家のジスモンチが、サーカスの持つ国際性と地域密着性の両方にヒントを得て制作した1980年作。ブラジルの伝統的なリズムに世界各地のサウンドを組み合わせたアルバムだ。
64位: ジョージ・ジョーンズ『I Am What I Am』
カントリー・シンガーであるジョーンズが1980年に発表した本作は、「He Stopped Loving Her Today」や「I’m Not Ready Yet」などのヒット曲を収めていることもあり、キャリア屈指の好セールスを記録した。
63位: ジョン・ハッセル/ブライアン・イーノ『Fourth World Vol. 1: Possible Musics (四世界の鼓動) 』
イーノがハッセルとコラボレートした有名作。国際的な作風のアンビエント・ミュージックが繰り広げられる本作は、アフリカやアジアの音楽に接近していった、こののちのポップ界の潮流を先駆けていたといえる。
62位: ハロルド・バッド/ブライアン・イーノ『Ambient 2: The Plateaux Of Mirror (鏡面界) 』
イーノによるアンビエント・アルバム・シリーズの2弾。ハロルド・バッドの弾く美しいピアノとイーノが操る電子機材の音を組み合わせることで、繊細だが刺激的なアルバムが出来上がった。そのサウンドは、いま改めて聴いてもなお先鋭的に響く。
61位: ラモーンズ『End Of The Century』
パンク・バンドのラモーンズが、1960年代ポップの巨匠であるフィル・スペクターと手を組んだ5thスタジオ・アルバム。結果として本作は、グループ屈指にメインストリーム寄りの作風となった。それゆえパンクに純粋性を求めるファンは失望したかもしれないが、本作はそれまでのパンク界にはなかったサウンド面での興味深い可能性を彼らに示したのだ。
60位: ロバート・パーマー『Clues』
パーマーによる6作目のスタジオ・アルバムは、あっという間に終わってしまう短い作品だ。とはいえ彼の作品の中でも屈指に統一感のある本作では、ロック、ニュー・ウェーヴ、ソウルを巧みに融合させたサウンドが全編に亘って展開される。
59位: ルーベン・ブラデス『Maestra Vida』
ブラデスはウィリー・コローンと手を組み、サルサ音楽の限界を押し広げた。彼が作り上げたサルサ・オペラでは、カルメロとマヌエラという二人の主人公を中心に据えた描写的で美しい物語が繰り広げられるのだ。
58位: マール・ハガード『Back To The Barrooms』
数多くの作品を残したカントリー・シンガーによる31作目のスタジオ・アルバムは、聴いていると酒の匂いまで漂ってきそうな一作だ。そしてそんな本作のテーマになっているのは、失恋の心の傷をアルコールで癒そうとする人間の性である。リアリティーには欠けるかもしれないが、愛と喪失を歌った痛ましい作品に仕上がっている。
57位: ザ・ローリング・ストーンズ『Emotional Rescue』
1980年当時、ストーンズの面々は1970年代の諸作の成功によって依然として波に乗っていた。この1980年のアルバムも例外ではなく、本作にもファンに愛されるタイトル・トラックほか素晴らしい楽曲の数々が収録されている。
56位: ボブ・シーガー&ザ・シルヴァー・ブレット・バンド『Against The Wind (奔馬の如く)』
シーガーはヒット・アルバムを次々に発表していた中でこのアルバムをリリースした。そして、足を踏み鳴らしたくなるロック・ナンバーや、ファンのあいだでの人気が高い「You’ll Accomp’ny Me」といった感動的なバラードを数多く収めた本作もまた、大きな成功を収めたのだった。
55位: ブルース・ブラザーズ『The Blues Brothers: Music From The Soundtrack』
人気映画のサウンドトラック盤としてリリースされた本作は、レイ・チャールズ、ソロモン・バーク、キャブ・キャロウェイらブルース/R&B界のレジェンドたちの重要曲を若い世代にも広めた。
54位: アダム&ジ・アンツ『Kings Of The Wild Frontier (アダムの王国)』
ニュー・ウェーヴ・バンドである彼らの2ndアルバムは前作同様、ブルンジ特有のパーカッションを多用した一作だった。その魅力的なビートを土台にして、彼らは斬新なポップ・チューンの数々で構成されるアルバムを作り上げたのだ。
53位: トム・ウェイツ『Heartattack And Vine』
いつだって革新的なウェイツによる7作目のスタジオ・アルバム。理論上はR&B、ブルース、ロック、ジャズの要素を融合させた作品ということになるのだろうが、本作では各ジャンルの音楽が極端な形に再解釈されている。そのため、このアルバムを聴くとそれぞれのジャンルに対する印象自体が変わってしまうのである。
52位: ブラザーズ・ジョンソン『Light Up The Night』
ポップR&Bデュオによる4作目のスタジオ・アルバムにして、彼らがクインシー・ジョーンズとともに制作した最後のアルバム。象徴的なコラボレーションの集大成となった本作は、楽天的で、軽快で、どこまでも魅力的な一作である。
51位: J・ガイルズ・バンド『Love Stinks』
J・ガイルズ・バンドの1980年のアルバム。報われない恋を歌ったタイトル・トラックがキャッチーな楽曲だったこともあり、このアルバムもまたヒットを記録した。彼らはもともと確かな人気を誇るロック・バンドだったが、本作の成功によってラジオに欠かせない存在へとさらなる飛躍を遂げたのである。
50位: スティーヴ・ウィンウッド『Arc Of A Diver』
マルチ・プレイヤーであるウィンウッドの1980年のアルバムで、ヒット曲「While You See A Chance (ユー・シー・ア・チャンス)」を収録した作品。彼は本作を足がかりに、1980年代を通して大きな成功を収めた。
49位: ローリー・シュピーゲル『The Expanding Universe』
前衛的な作曲家であるシュピーゲルのデビュー・アルバム。コンピューター音楽の分野の先駆けとなった本作は、きわめて人間らしい感情も機械の音で表現できてしまうことを示した。
48位: ケイト・ブッシュ『Never For Ever (魔物語)』
謎に包まれたシンガー・ソングライターであるブッシュが初めてチャートで首位を獲得した1980年のアルバム。細部 (一般のリスナーは気づかないような部分かもしれないが) へのこだわりや演劇性に満ちた彼女の作品が大衆受けすると証明されたアルバムだ。
47位: スティーヴィー・ワンダー『Hotter Than July』
「All I Do (キャンドルにともした恋)」や「Master Blaster (Jammin’)」などの人気曲を含む、ポップR&B界の帝王による1980年作。何も考えず楽しめる楽曲と、政治的なメッセージの込められたバラードが均等に配されている。
46位: クラッシュ『Sandinista!』
有名ロック・バンドによる4作目のスタジオ・アルバムにして、彼らが『London Calling』で完成させたアプローチをさらに発展させた一作。ゴスペルとパンクのようにまったく異質なジャンルを融合させることで、彼らは不調和ながらも素晴らしいサウンドを生み出した。
45位: 坂本龍一『B-2 Unit』
比類ない日本の作曲家による2作目のソロ・アルバム。坂本はサウンドや音の質感に関して野心的な試みを重ねることで、電子音楽の名曲「Riot In Lagos」を含む本作を作り上げた。
44位: スージー&ザ・バンシーズ『Kaleidoscope』
ロック・バンドのスージー&ザ・バンシーズが、二人ものメンバーが離脱した直後に制作した3rdスタジオ・アルバム。崩壊の危機を迎えていたにもかかわらず、多様性と革新性に満ちたサウンドを鳴らしていることに驚かされる。
43位: XTC『Black Sea』
強い独自性を持ったロック・バンドの1980年のアルバムで、ファンのあいだでの人気が高い「Respectable Street」や「Sgt. Rock (Is Going To Help Me)」といった楽曲を収録した作品。ニュー・ウェーヴの要素を取り込むことで、聴き手を選ばないという点で、グループ屈指のアルバムに仕上がった。
42位: キュアー『Seventeen Seconds』
イギリスのロック・バンドであるキュアーが、ゆったりとしたサウンドに仕立てた2ndアルバム。本作とそれに続く二つのアルバムは生命、喪失、不安定な精神などに纏わる実存的な問いを扱っているが、それらは三部作として一括りで語られることもある。
41位: フィーリーズ『Crazy Rhythms』
ニュージャージー出身のグループのデビュー・アルバム。リズムに対する実験的なアプローチにより、本作は一般的なロックと一線を画す独特な作品に仕上がっている。
40位: ヒューマン・リーグ『Travelogue (幻の果てに)』
シンセ・ポップ・バンドのヒューマン・リーグによるこの1980年作は、結成時のラインナップによる最後のアルバムとなった。そして次作以降、彼らはよりメインストリームに接近したポップ・サウンドを奏でるようになる。
*関連記事:ヒューマン・リーグの革新的な初期作品『Travelogue』
39位: ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ『Uprising』
レゲエ界の巨匠が1980年にリリースした本作は、彼の存命中にレコーディングされた最後の作品となってしまった。それは確かに悲しい事実だが、不朽の名曲「Redemption Song」を含む本作がグループ屈指に崇高で刺激的な傑作であることに変わりはない。
38位: デヴィッド・ボウイ『Scary Monsters (And Super Creeps)』
ボウイの14作目となるスタジオ・アルバムは、実験的なサウンドと親しみやすいロック・サウンドが完璧なバランスで混ざり合っていることから彼の”最後の傑作”と呼ばれることもある。この評価への賛否は分かれるところだろうがいずれにせよ、本作は彼が70年代の自らの作風と見事に決別した素晴らしいアルバムなのだ。
37位: エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズ『Get Happy!!』
過去の音楽からの影響を作品に取り入れるコステロのアプローチが大きな効果を生んだ一作。本作で彼は洗練されたモータウン・サウンドから無骨なサザン・ソウルまで、あらゆる形態のソウル・ミュージックに取り組んだ。
*関連記事:ソウルフルになったコステロの4作目『Get Happy』
36位: ジャパン『Gentlemen Take Polaroids (孤独な影)』
英国のバンド、ジャパンによる4作目のスタジオ・アルバム。グラム・ロックのような実験的なアレンジを華やかなポップ・サウンドと取り合わせた本作は、グループ屈指の傑作と評価されている。
35位: ジョン・レノン&オノ・ヨーコ『Double Fantasy』
音楽界でもっとも有名なカップルが共同名義で発表した5作目のスタジオ・アルバム。ジョン・レノンが活動休止を経て久しぶりに発表したアルバムでありながら、非業の死を遂げる前の最後の作品ともなった『Double Fantasy』は、復活と別れを同時に告げる一作となってしまった。
*関連記事:ジョン・レノンの伝説:シングルとアルバムのダブルNo.1
34位: ジューダス・プリースト『British Steel』
ヘヴィ・メタル・バンドである彼らの1980年のアルバムは、新たなサブジャンルの誕生にも繋がった。「Breaking The Law」などのシングル曲の人気もあって、本作はヘヴィ・メタルがメインストリームに進出する下地を作ったのである。
33位: キリング・ジョーク『Killing Joke (黒色革命)』
英国のバンドがセルフ・プロデュースで作り上げた、セルフ・タイトルのデビュー作。物騒で激しいハイ・スピードの演奏に乗せてハードコア/ポスト・パンクのスタイルを深く掘り下げていく本作は、こののち数え切れないほどのグループに影響を与えた。
32位: カーティス・ブロウ『Kurtis Blow』
ヒップホップ史に残る名曲「The Breaks (おしゃべりカーティス)」を含むブロウのデビュー作。メジャー・レーベルから発表された最初期のヒップホップ作品であることからも、同ジャンルに詳しくなりたいリスナーは必聴のアルバムだ。
*関連記事:いかにしてラップ初の50万枚を売りあげ、お手本となったのか
31位: パット・ベネター『Crimes Of Passion (危険な恋人)』
大ヒット曲「Hit Me With Your Best Shot (強気で愛して)」や、ケイト・ブッシュの楽曲「Wuthering Heights (嵐ヶ丘)」の素晴らしいカヴァーを収録したベネターの1980年のアルバム。文句なしに楽しいポップ・ロックが繰り広げられる一作である。
30位: リントン・クウェシ・ジョンソン『Bass Culture』
“ダブ・ポエット”の代表格であるジョンソンの1980年作はリズミカルで、刺激的で (「Inglan Is A Bitch」はその好例だ) 、神秘的な力に満ちている。そしてその力こそが、ダブ・ミュージックの真髄なのである。
29位: アイアン・メイデン『Iron Maiden (鋼鉄の処女)』
非常に野心的な楽曲である「Phantom Of The Opera (オペラの怪人) 」を含む、ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー作。豊かな創造性や、パンクのようにハードで高速のサウンドが特徴の本作は、メタル界のトレンドを変化させた。
28位: デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ『Searching For The Young Soul Rebels (若き魂の反逆児を求めて)』
英国のバンドである彼らのデビュー作は、無骨な質感のロックにR&Bの温かみを加えた点で高く評価されている。当時、それを成し遂げたグループはごく限られた数しか存在しなかったのである。
27位: ダイアー・ストレイツ『Making Movies』
デヴィッド・ノップラーの脱退後、マーク・ノップラーは自身の特異な構想を実現させるべくバンドの方向性を転換。結果として完成した本作は映画を題材にしたアルバムであり、ノップラーは自らの楽曲を映画的な体験に仕立て上げたのだった。
26位: ピーター・ガブリエル『Peter Gabriel (a.k.a Melt a.k.a III) [ピーター・ガブリエル III]』
“Melt (溶解) “というこのアルバムの愛称は、ガブリエルの顔の半分が溶けたジャケット・デザインに由来する。そうした大仰な演出はさておき、ガブリエルはこの3rdソロ・アルバムで新境地を切り開き、80年代屈指の創造性を持つアーティストと認められるようになった。
25位: X『Los Angeles』
アンセム調のタイトル・トラックを含む、パンク・バンドのデビュー・アルバム。70年代後半から80年代前半にかけて活況を呈していた米西海岸のパンク・シーンを知る上で重要な一作だ。
24位: U2『Boy』
世界的に有名なロック・バンド、U2のデビュー作。スタジアムでの大合唱を巻き起こすアンセムはのちに彼らの代名詞となるが、そうしたサウンドの原点は本作にあるのだ。
*関連記事:U2『BOY』制作秘話:壮大なるアルバムの旅の始まり
23位: ザ・ジャム『Sound Affects』
ロック・バンドのザ・ジャムが1980年に放ったヒット作。歌詞の面でストレートな表現を避けて抽象的なテーマを扱った作品だが、大衆受けという点ではこれが奏功し、チャートでは初登場2位をマークした。
22位: ドナ・サマー『The Wanderer』
ディスコ界の大物による8作目のスタジオ・アルバム。ヒットを記録したタイトル・トラックを含む本作で、彼女は”ダンスフロアの女王”というイメージと完全に決別。R&B、ロック、ダンス・ポップを巧みに融合させたラジオ向きのサウンドを得意とするアーティストへと変貌を遂げたのである。
21位: エコー&ザ・バニーメン『Crocodiles』
英国のバンドによるエネルギッシュなデビュー・アルバム。「Rescue」や「Happy Death Men」などファンのあいだでの人気曲を収めた本作では、80年代屈指の素晴らしいギター・プレイを聴くこともできる。
20位: ジョージ・ベンソン『Give Me The Night』
ジャズ・ギタリストからポップ・スターへと転身したジョージ・ベンソンの1980年のアルバム。二つのジャンルの中間に位置するようなこの傑作アルバムには、記憶に残るタイトル・トラックも収められている。
19位: ジョン・フォックス『Metamatic』
フォックスのソロ・デビュー作は、シンセ・ポップのジャンルにおける一つの到達点となった。彼は単なる道具であるはずのシンセサイザーを創造力の源泉に変え、人間と機械の境界を曖昧にする作品を作り上げたのである。
18位: REOスピードワゴン『Hi Infidelity (禁じられた夜)』
ライヴ・パフォーマンスの熱気をレコーディング・スタジオという管理された環境で再現することに成功し、チャートの首位を獲得したアルバム。本作をきっかけに、彼らの主戦場はアリーナからラジオへと移ったのだった。
17位: スクイーズ『Argybargy』
英国出身のスクイーズが、エネルギーに満ち、全体に明るく、それでいて予測不能なサウンドで新境地を切り開いた一作。彼らはもともと腕のあるロック・バンドだったが、本作によってエッジの効いたニュー・ウェーヴ・バンドへと進化した。
16位: スティーリー・ダン『Gaucho』
謎に満ちた彼らの1980年作は、実にスティーリー・ダンらしいアルバムだった。つまり本作は、この上なく明瞭なサウンドと、人間の暗部や恥部に恐れず目を向けた歌詞が一体となった作品なのである。
15位: オジー・オズボーン『Blizzard Of Ozz (ブリザード・オブ・オズ〜血塗られた英雄伝説)』
ロック・スターであるオジー・オズボーンによる1作目のスタジオ・アルバム。ギターとメロディーに重点を置いたことで、メタル界を新たな方向性へと導いた作品だ。本作からも明らかな通り、オジーはブラック・サバスに留まるには精神面であまりに不安定だったのかもしれないが、ソロとしてはしっかりと自分を保つことができたのである。
14位: ポリス『Zenyatta Mondatta』
グラミー賞に輝いた「Don’t Stand So Close To Me (高校教師)」を含む、ポップ・ロック・バンドの3rdスタジオ・アルバム。本作をきっかけに、彼らはスーパースターへの階段を上り始めたのだった。
13位: ニール・ダイアモンド『The Jazz Singer』
映画自体は失敗に終わったが、1980年公開の同名映画にダイアモンドが提供したこのサウンドトラックは成功を収めた。彼が俳優よりシンガーとしての方がはるかに有意義なキャリアを送れることは、本作からも明らかだったのである。
12位: オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク『Orchestral Manoeuvres In The Dark』
電子音楽グループである彼らのデビュー・アルバム。独創的なメロディーと踊りたくなるグルーヴが満載の本作は、驚きと楽しさに満ちている。
11位: デッド・ケネディーズ『Fresh Fruit For Rotting Vegetables (暗殺)』
パンク・ロック・バンドであるデッド・ケネディーズのデビュー作にして、政治性が前面に出た力強い一作。数え切れないほどのハードコア・バンドに影響を与えたアルバムだ。
10位: ロバータ・フラック『Roberta Flack Featuring Donny Hathaway (ダニーに捧ぐ)』
フラックとダニー・ハサウェイから成る大物デュオの1980年作は、ハサウェイが1979年に悲劇的な死を遂げたあとのリリースとなったことでほろ苦い一作になってしまった。それでも、二人の驚異的な歌声が織りなす魔法はこの上なく魅力的である。
9位: モーターヘッド『Ace Of Spades』
ロック・バンドのモーターヘッドによる4作目のスタジオ・アルバム。彼らが現在のような高い評価を得たきっかけは本作だったといえるかもしれない。アンセム調のタイトル・トラックを収録していることも、その大きな要因の一つである。
8位: ブルース・スプリングスティーン『The River』
常に進化することを厭わないスプリングスティーンの1980年作は、より大人向けの内容になった前作のテーマをさらに発展させたアルバムだった。目を背けたくなるような現実を積極的に取り上げることで、本作は思春期のリスナーを一歩成長させてくれる作品に仕上がったのである。
7位: グレイス・ジョーンズ『Warm Leatherette』
ファッション界/音楽界のレジェンドであるジョーンズが、初めてバハマのコンパス・ポイント・スタジオで制作したアルバム。前作までの華やかなディスコ・サウンドを捨て去り、ニュー・ウェーヴ、レゲエ、パンクなどの要素を取り入れた過激かつ刺激的なサウンドを打ち出した本作は、彼女のキャリアにおける転換点となった。
6位: ジョイ・ディヴィジョン『Closer』
ロック・バンドのジョイ・ディヴィジョンによる最後のスタジオ・アルバム。リード・シンガーであるイアン・カーティスが自ら命を絶った直後にリリースされたことから、どこまでも暗い作品だと解釈されることが多い。しかしそれ以上に、本作はグループの創造性がピークに達していた時期に作られた傑作でもあるのだ。
5位: クイーン『The Game』
いずれもチャートの1位に輝いた「Another One Bites The Dust (地獄へ道づれ)」と「Crazy Little Thing Called Love (愛という名の欲望)」という二つのヒット曲を収めた1980年のアルバム。クイーンの面々が自分たちのサウンドに関して様々な試みを行い、初めてシンセサイザーを導入したアルバムでもある。
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4位: トーキング・ヘッズ『Remain In Light』
アフリカのリズムに対するデヴィッド・バーンの強い関心は、彼らの代表作である『Remain In Light』に明確な形となって表れた。実際、リリースから約40年の時を経て、アフロポップ界の女王であるベナン人ミュージシャンのアンジェリーク・キジョーがこのアルバムを丸々一作カヴァー。それによって本作は文字通り、そのルーツへと回帰したのである。
3位: プリンス『Dirty Mind』
プリンスはこの3rdアルバムで、それまでの作品から飛躍的な進歩を遂げた (とはいえ前2作も優れた作品だ。つまりこれは並大抵のことではないのである) 。ポップ・スターの卵に過ぎなかった彼は、本作で独創的なポップ・アーティストへと進化したのである。
2位: ダイアナ・ロス『Diana』
ディスコ・グループ、シックのメンバーがプロデューサーを務めたポップ界のレジェンドの1980年のアルバム。ロス史上屈指の人気を誇るヒット曲「I’m Coming Out」を生んだ本作の力もあって、彼女はディスコからポップR&Bへとスタイルを華麗に変化させたのである。
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1位: AC/DC『Back In Black』
AC/DCがブライアン・ジョンソンを新たなリード・ヴォーカリストに迎えて初めてリリースしたアルバム。本作でジョンソンは、類稀なるエネルギーのこもったボン・スコットの歌声にも劣らぬ歌唱を披露した。それにより本作は、前作を見事に踏襲しつつも、同時にグループの新章の幕開けを告げる作品にもなったのである。
Written By Sam Armstrong
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