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【動画付】1975年に発売されたアルバム・ベスト67:50年前の名作たち
1975年に生まれた名作アルバムを振り返ると、そのリストには実に幅広い作品が並ぶ。
ミルトン・ナシメント、チン・マイア、カエターノ・ヴェローゾらの作品をはじめブラジルの音楽界は引き続き黄金期を迎えていたし、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、U・ロイ、バーニング・スピアらの名作を生んだジャマイカ音楽界も活気に満ち溢れていた。
さらに、ドナ・サマー、ヤソス、タンジェリン・ドリームらはそれぞれ電子音楽に対して多様なアプローチを取り、そのサウンドの可能性を広げてみせた。そしてこの年には、ほかにもボブ・ディラン、エアロスミス、エルトン・ジョンらの名盤が生まれている。
つまり、このリストは1975年の名作群のほんの一部を選り抜いたに過ぎないが、どんな音楽ファンでもその中に一つはお気に入りを見つけることができるのだ。古くからの愛聴盤を探すのも良いし、新たな出会いを求めて未聴作を試してみるのも良いだろう。
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67位: ニルス・ロフグレン『Nils Lofgren (ロフグレン#1)』
ニルス・ロフグレンはこのソロ・デビュー作で、単なる”素晴らしいギタリスト”にとどまらない存在であることを世界中に示した。生き生きとした楽曲、情熱的なヴォーカル、肩の力の抜けたアレンジなどによって、本作は完璧に均整の取れた作品に仕上がっている。
66位: リチャード&リンダ・トンプソン『Pour Down Like Silver』
英国出身のデュオである彼らが、邪悪な心を排除し精神の平穏を探求した3作目のスタジオ・アルバム。宗教的な神秘主義に舵を切った作品ではあるが、音楽がこれだけ美しければ初期からのファンを失望させることもなかっただろう。
65位: ディープ・パープル『Come Taste The Band』
リッチー・ブラックモア脱退後の最初のアルバムとなったことで、この作品には厳しい視線が注がれた。だが彼らは「Dealer」や「You Keep On Moving」などの名曲を含む本作で、その高いハードルを軽々と越えてみせた。
64位: アリス・クーパー『Welcome To My Nightmare (悪夢へようこそ)』
アリス・クーパーがソロ・アーティストとして初めてリリースしたこのアルバムには、チャートのトップ10入りを果たしたバラード「Only Women Bleed」のほか多数のハード・ロック・ナンバーが収録されている。彼がロック・スターとしての地位を保つのに十分な力を備えていることは、それらの楽曲からも明らかである。
63位: イヴォンヌ・フェア『The Bitch Is Black』
英国で大ヒットを記録した「It Should Have Been Me」を含むフェアの1975年作における歌詞は、アルバム・タイトルから期待するほど刺激的な内容ではないかもしれない。だが美しいアレンジと素晴らしいヴォーカル・パフォーマンスが特徴の本作は、そのギャップを補って余りあるほど魅力的だ。
62位: ルー・リード『Metal Machine Music (無限大の幻覚)』
ルー・リードが1975年に発表したこのアルバムは、”賛否両論”と評するだけでは不十分な逸品だ。歪んだギターの音とノイズに満ちた本作は発表当時、多くの人から酷評された。だが味わう努力をしてみれば、その素晴らしさと凄まじい冒険心を堪能できるはずだ。
61位: フランク・ザッパ『One Size Fits All (万物同サイズの法則)』
この1975年作はフランク・ザッパの多くの作品同様、当時の流行を取り入れた作風だが、それによって聴く者を嘲笑っているのか、それとも仲間に迎え入れようとしているのかは定かでない。その点はいまだに不確かなものの、音楽的にはザッパ史上屈指に魅力的で、いつ聴いてもワクワクさせてくれるアルバムだ。
60位: ZZトップ『Fandango!』
ロック・バンド、ZZトップの4作目のスタジオ・アルバム。半分がライヴ音源、半分が新曲という構成のため、彼らがスタジオで発揮する能力の高さと、ステージ上で繰り広げる魔法のような名演をどちらも体感することができる。
59位: イーグルス『One Of These Nights (呪われた夜)』
誰もが知る有名ロック・バンドの4作目となるスタジオ・アルバム。R&Bやフォークの要素も取り入れつつ、メンバーたちがそれぞれの強みを存分に発揮した作品だが、それでいてグループとしての纏まりも損なわれていない。
58位: トニー・ベネット&ビル・エヴァンス『The Tony Bennett/Bill Evans Album』
熟練のアーティスト二人が手を携えてアルバムを作るとなれば、失敗作にはなりようがない。ヴォーカルとピアノのみの編成にもかかわらず、本作にはジャズ・ポップの色褪せない魅力が凝縮されている。
57位: デューク・エリントン『The Afro-Eurasian Eclipse: A Suite In Eight Parts』
歴史に名を残す名バンドリーダーの1975年作。ジャジーなスタイルはしっかりと保ちつつもアフリカやアジアの音楽の要素を取り入れた本作は、”音楽で綴る旅行記”のような趣の一作だ。
56位: アイズレー・ブラザーズ『The Heat Is On』
ソウル・グループ、アイズレー・ブラザーズの13作目となるスタジオ・アルバム。”いよいよ勝負のときだ”といった意味のタイトルが示唆する通り、彼らは本作でソウルとロックを独自のスタイルで融合させ、前者に激しさを、後者に官能的な情熱を加えてみせた。
55位: ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ『Wake Up Everybody』
テディ・ペンダーグラスが参加した同グループ最後のアルバム、という事実だけでも重要な一作。だがそれ以上に意義深いのは、ソウルフルなR&Bサウンドをいかにして社会意識の高い歌詞と組み合わせるか、という命題に対して見事なお手本を示したアルバムだということだ。
54位: スーパートランプ『Crisis? What Crisis? (危機への招待)』
英国出身のスーパートランプによる4作目のスタジオ・アルバムは、魅力的で非常に温かみのある作品だ。チャートではのちの作品ほどの成功を収められなかったかもしれないが、じっくりと味わえば優れた楽曲揃いであることを実感できるはずだ。
53位: グレイトフル・デッド『Blues For Allah』
ベイエリア出身のグレイトフル・デッドによる1975年作は、彼らがツアー活動を休止していた期間に制作された。結果として活力を取り戻したメンバーたちは、拍子、コード進行、そして各自のプレイ・スタイルなどに実験性を取り込みながら本作を完成させたのだった。
52位: ボブ・ディラン&ザ・バンド『The Basement Tapes (地下室 [ザ・ベースメント・テープス])』
ディランとザ・バンドの二度目の共演作は、極上かつ最高に風変わりなアメリカーナ・サウンドのアルバムとなった。ユーモアや楽しさ、民俗的なあらゆるものに対する溢れんばかりの愛などに満ちた本作は、誰しもが一度は聴くべき作品である。
51位: ナザレス『Hair Of The Dog (人食い犬)』
ハード・ロック・バンド、ナザレスによる6作目のスタジオ・アルバム。エヴァリー・ブラザーズのヒット曲の優れたカヴァーとして知られる「Love Hurts」を収録した本作は、ガンズ・アンド・ローゼズをはじめ、その後のハード・ロック界を牽引する多くのバンドに対して道を開いた。
50位: ノイ!『Neu! 75』
クラウトロックの代表格であるノイ!は、この1975年作で自分たちの音楽にシンセサイザーを取り入れた。そんな本作は、彼らが個々の要素の単なる寄せ集めにとどまらない、纏まりのあるサウンドを鳴らした最後の作品ともいえる。
49位: ポール・マッカートニー&ウイングス『Venus And Mars』
ポール・マッカートニーは一体感のあるバンドを纏め上げることで、この1975年作を完成させた。最高峰のポップ・ロック・サウンドを堪能できる本作には、ビートルズの元メンバーである彼のキャリアを代表する名曲もいくつか収められている。
*関連記事:ウイングス『Venus and Mars』解説:英米で1位を獲得した傑作
48位: フォガット『Fool For The City』
ロック・バンド、フォガットの5作目となるスタジオ・アルバム。有名ヒット曲「Slow Ride」を含む本作は、R&Bやファンクのグルーヴを力強いロックンロール・サウンドと組み合わせることで色褪せない魅力を持つアルバムに仕上がっている。
47位: ジェスロ・タル『Minstrel In The Gallery (天井桟敷の吟遊詩人)』
ロック・バンドのジェスロ・タルが1975年に発表したこのアルバムは、英国のフォークとハード・ロックの中間に位置する一作。美しくも攻撃的な作風であり、間違いなく彼ら史上屈指に魅惑的な作品だ。
46位: ギャヴィン・ブライアーズ『The Sinking Of The Titanic (タイタニック号の沈没)』
ミニマリストの作曲家であるブライアーズは、悲運に見舞われたタイタニック号のバンドが死の間際まで演奏していたとされる賛美歌に着想を得てこの作品を制作。切迫感に満ち、聴く者の心を揺さぶるこのアルバムを聴くと、こうした悲劇の余波に思いを巡らさずにはいられない。
45位: ブラック・サバス『Sabotage』
ヘヴィ・ロック・バンドのブラック・サバスが1975年に発表した本作は、前マネージャーとの法廷闘争のさなかに制作されたこともあり、苦しみや鬱積した感情が前面に表れた一作となった。一方で、このアルバムにはグループ史上屈指に斬新なアレンジも盛り込まれている。
44位: ハウル・セイシャス『Novo Aeon』
名曲「Tente Outra Vez」を含む、ブラジル人アーティストの1975年作。ポップやロックに対する彼の独創的で風変わりなアプローチを知る第一歩として最適なアルバムである。
43位: 冨田勲『Pictures At An Exhibition (展覧会の絵)』
日本の作曲家である冨田勲が、シンセサイザーを駆使してムソルグルスキーのピアノ組曲を再解釈した一作。クラシック音楽である原曲を天界で演奏したかのようなそのサウンドは、この名作をかつてない形で楽しませてくれる。
42位: マニュエル・ゲッチング『Inventions For Electric Guitar』
ドイツ出身の電子音楽アーティストによるソロ・デビュー作。全編ギターのみで制作されているが、独創的かつ革新的な奏法ゆえ、もっと多くの楽器が駆使されているように錯覚してしまう。
41位: タヴァレス『In The City (愛のディスコティック)』
R&Bグループ、タヴァレスの3作目となるスタジオ・アルバム。ヒット曲「It Only Takes A Minute (愛のディスコティック)」を収録した本作は、グループ最大のヒット作にもなった。だがそれ以上に、このアルバムは75年当時に流行していた艶やかでポップなR&Bサウンドを堪能できる楽しい作品である。
40位: ジョニ・ミッチェル『The Hissing Of Summer Lawns (夏草の誘い)』
本作はミッチェル史上もっともパーソナルな色の薄いアルバムだが、それでもリスナーとの距離感の近さや結びつきは少しも薄れていない。つまり、彼女は作品を通じて人間のあり方全般について表現できる稀有な能力を持つアーティストなのだ。
39位: ニール・ヤング『Tonight’s The Night (今宵その夜)』
ヤングに近しい人物の死の直後に制作されたことで、本作は聴く者の心を強く揺さぶる一作になった。ヤングはサウンドと歌詞の両面で、悲しみが揺れ動く様を美しく表現している。
38 位: ロキシー・ミュージック『Siren』
ヒット・シングル「Love Is The Drug (恋はドラッグ)」を含むロキシー・ミュージックの1975年作。実験的な作風からポップ・サウンドへと舵を切ることで、彼らはその多才ぶりを世界に示したのだった。
37位: ウェイン・ショーター feat. ミルトン・ナシメント『Native Dancer』
著名なジャズ・サックス奏者がブラジル人シンガー・ソングライターとコラボレーションした本作は、ジャズ界で多大な影響力を誇る。ナシメントの作による不朽の名曲「Ponta de Areia」が収められていることも、その大きな要因の一つだろう。
36位: ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン『Rufus Featuring Chaka han』
記憶に残る名曲「Sweet Thing」からも明らかな通り、ファンク・バンドである彼らは最高の状態で本作を制作した。この非凡な作品を聴けば、このバンドとチャカ・カーンがこれほどの影響力を持つ理由を十分過ぎるほど実感できるだろう。
*関連記事:ルーファス&チャカ・カーンのベストソング【動画】
35位: オハイオ・プレイヤーズ『Honey』
際どいジャケットはさておき、ファンク・グループのオハイオ・プレイヤーズが1975年に発表した本作には、数え切れないほどサンプリングされている「Love Rollercoaster」も収録。ファンクというジャンルが根強い人気を誇る理由は本作からも明らかだ。
34位: ウォー『Why Can’t We Be Friends』
ファンク・バンドのウォーによる、ユナイテッド・アーティスツからの移籍前最後のアルバム。有名ヒット曲「Low Rider」を含むグループの代表作であり、彼らにとってチャートで1位に輝いた (現時点で) 最後の作品でもある。そんな本作にはタイトル・トラックのほかにも、車のスピーカーから大音量で流したくなる楽曲が数多く収録されている。
33位: フランク・ザッパ&キャプテン・ビーフハート『Bongo Fury』
ザッパとキャプテン・ビーフハート、そしてマザーズ・オブ・インヴェンションの面々が手を組み、一部がライヴ音源で構成されているコラボレーション作品。野心的な作風のこのアルバムは、何度聴いても驚嘆してしまう型破りな楽曲展開に満ちている。
32位: フリートウッド・マック『Fleetwood Mac (ファンタスティック・マック)』
英米混合バンドのフリートウッド・マックによる10作目のスタジオ・アルバム。彼らはこの作品で無名のグループからポップ/ロック系のラジオ局に欠かせない存在となり、一気にメインストリームへ躍り出たのだった。
31位: チン・マイア『Racional』
ブラジルにおけるサンバ界のスターであるチン・マイアは、厳格なカルト教団に入信したのちにこの1975年作を録音。それまでの陽気なパーティー調のサウンドとはまったく異なる路線に転換したことから、当初はリスナーに敬遠されたが、時が経つにつれてマイア史上屈指の傑作と評価されるようになっていった。
30位: カエターノ・ヴェローゾ『Qualquer Coisa』/『Jóia』
二作のアルバムを同時にリリースするというリスクを負えるアーティストは多くない。しかし、それがカエターノ・ヴェローゾなら話は別だ。ブラジル音楽界のレジェンドによるこの二作のアルバムで展開されるのは、美しく気品に満ち、リスナーに語りかけるような距離感のアコースティック音楽である。彼はのちにスターへと成長していったが、これらはそのことをすでに予感させる傑作である。
29位: ブライアン・イーノ『Another Green World』
ブライアン・イーノによる3作目のスタジオ・アルバムは、こののち彼がアンビエント・ミュージックの分野で先駆的な役割を果たすことを示唆している。本作はその後のイーノのサウンドのみならず、同ジャンル全般の青写真にもなったのだ。
28位: 10cc『The Original Soundtrack』
アート・ロック・バンド、10ccの3作目となるスタジオ・アルバム。大ヒット曲「I’m Not In Love」を含む本作で彼らは、批評家から絶賛されるアルバムを作りながら、大衆受けするヒット曲も生み出すという難しい仕事をやってのけた。
27位: デヴィッド・ボウイ『Young Americans』
デヴィッド・ボウイは9作目のスタジオ・アルバムとなったこの作品で、グラム・ロックと決別しR&Bの世界へ足を踏み入れた。ボウイは、ギャンブル&ハフが作り上げたフィラデルフィア・ソウルのサウンドの影響を取り入れ、自身の代表作の一つといえる名盤を完成させたのである。
26位: レッド・ツェッペリン『Physical Graffiti』
この長大な二枚組アルバムには、カントリーからブルース、さらにはメタルに至るまで、あらゆる要素が含まれている。めくるめく一作ではあるが、聴いていて疲れを感じることもない。
25位: エクトル・ラボー『La Voz』
サルサ界の王者であるラボーのソロ・デビュー作にして、「El Todopoderoso」などのヒット曲を生んだ一作。そのタイトルが示唆する通り、本作で彼はジャンルを代表する”歌声”の持ち主として確固たる評価を確立した。
24位: ヒタ・リー&トゥッチ・フルッチ『Fruto Proibido』
ブラジリアン・ロックの名作として広く認められている、ムタンチスの元メンバーのアルバム。彼女はこの野心的なレコードで見事に才能を開花させ、ブラジリアン・ロックのハードな側面とソフトな側面を巧みに一体化してみせた。
23位: タンジェリン・ドリーム『Rubycon』
ドイツの電子音楽グループによる1975年作は、批評的にもセールス的にも成功を収めた『Phaedra』に続くアルバムとして申し分ない出来だった。彼らは前作の路線を踏襲し、魅惑的で卓越した音楽作品を作り上げたのである。
22位: ジルベルト・ジル&ジョルジ・ベン『Gil E Jorge (ブラジリアン・ホット・デュオ)』
ブラジリアン・ポップ界の二人の巨匠が手を組んだ本作は、二本のギターとパーカッションのみの編成という飾り気のないアプローチで制作された。確かに編成自体はシンプルであるものの、二人の名アーティストがパフォーマンスの限界に挑戦したことで、無限の可能性を感じさせるアルバムに仕上がった。
21位: ポール・サイモン『Still Crazy After All These Years (時の流れに)』
ヒット曲「50 Ways To Leave Your Lover (恋人と別れる50の方法)」を含む、シンガー・ソングライターのポール・サイモンによる1975年作。アート・ガーファンクルと久しぶりに手を組んだ作品でもある本作は、サイモンのキャリア屈指の成功を収めるとともに、二部門でグラミー賞にも輝いた。
20位: エレクトリック・ライト・オーケストラ『Face The Music』
プログレッシヴ・ロック・バンドである彼らが、優れたアルバムを次々に発表する中でリリースした5作目のスタジオ・アルバム。グループが新たなスタイルを模索した作品でありながら、「Strange Magic (不思議な魔術)」、「Evil Woman」、「Poker」などファンのあいだでの人気曲も収められている。
19位: ヤソス『Inter-Dimensional Music』
カリフォルニア出身のヤソスが1975年に発表したこのアルバムは、ニューエイジ・ミュージックの誕生を告げた作品とみなされている。明晰な精神と高次の意識を手に入れることを目指すこのムーヴメントは多大な影響力を誇ったが、その幕を開けたのが本作なのである。
18位: スモーキー・ロビンソン『Quiet Storm』
R&B界の大物による3作目のスタジオ・アルバムにして、深夜の恋人たちにうってつけの官能的なソウル・サウンドの先駆けとなった一作。その人気はとどまることを知らず、ラジオでもひっきりなしにプレイされた。
17位: ミルトン・ナシメント『Minas』
唯一無二のブラジル人アーティストが、同国に古くから伝わる伝統音楽に着想を得て制作した1975年作。ブラジル国内の旧習と、世界中の現代的なサウンドを見事に融合させたアルバムである。
16位: キッス『Alive! (地獄の狂獣 キッス・ライヴ)』
この世界には、ライヴ・パフォーマンスを見ないと魅力がなかなか伝わらないバンドも存在する。キッスもその一つである。グループ初のライヴ・アルバムである 『Alive!』は、彼らの持つ荒々しいエネルギーがようやく世界中のリスナーに認知された作品だった。このアルバムによって、キッスはメインストリームでの成功を手にしたのである。
15位: バーニング・スピア『Marcus Garvey』
汎アフリカ主義の指導者であったマーカス・ガーベイを題材とした1975年作。ラスタファリ思想に深く根ざした本作は、レゲエのジャンルを代表する紛れもない名作である。
14位: アラン・トゥーサン『Southern Nights』
ニューオーリンズの音楽界を象徴するアーティスト、アラン・トゥーサンが1975年に発表した一作。R&B、ファンク、ソウル、その他ジャンル分けの難しいサウンドを融合させた彼独自のサウンドは本作で完成したといえる。ニューオーリンズの音楽に興味がある人は必ず聴くべきアルバムだ。
13位: クイーン『A Night At The Opera (オペラ座の夜)』
不朽のヒット曲「Bohemian Rhapsody」を収め、世界中で絶賛された傑作アルバム。”印象的なロック・バンド”の一つでしかなかったクイーンは本作によって、”ジャンルを代表するアーティスト”へと飛躍を遂げたのである。
12位: U・ロイ『Dread In A Babylon』
ジャマイカの象徴的アーティストがエネルギーと個性を爆発させた傑作ダブ・アルバム。重大なものから些細なものまで人生の様々な問題について考察したこの作品では、彼の特徴的なスタイルと凄まじい多才ぶりを堪能できる。
11位: ドナ・サマー『Love To Love You Baby (愛の誘惑)』
ディスコ界の歌姫による2作目のスタジオ・アルバム。恍惚感と熱烈な愛が表現された約17分のタイトル・トラックにも明らかな通り、ディスコというジャンルに感情的な奥行きをもたらした一作である。
10位: パーラメント『Mothership Connection』
ファンク・バンド、パーラメントのアルバムとして初めてプラチナ・ディスクに認定された一作。平凡な地球人である私たちの前に異世界の神話を展開する本作は、文化的な意義を持つ作品 (アメリカ議会図書館の登録も受けている) であり、ファンク史に残る名盤でもあるのだ。
9位: パティ・スミス『Horses』
先駆的なアーティストであるパティ・スミスのデビュー・アルバム。詩と音楽が一体となった本作は、パンク・ロックの時代の到来を告げるとともに、その後の音楽シーンの様相を一変させた。
8位: ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ『Live!』
チケットの完売したイギリス公演で録音された、ジャマイカ音楽界の大物による名ライヴ・アルバム。地域固有のニッチな音楽だったレゲエが世界的な一大現象へと変貌したのは、この作品によるところが大きい。
7位: ピンク・フロイド『Wish You Were Here (炎〜あなたがここにいてほしい)』
ロック・バンドであるピンク・フロイドの9作目となるスタジオ・アルバムは、創設メンバーのシド・バレットに纏わるコンセプト・アルバムだ。中でも三つの素晴らしい楽曲においては、自由で多様なアプローチを堪能することができる。
6位: ブルース・スプリングスティーン『Born To Run (明日なき暴走)』
アメリカ人にもっとも支持されているといっても過言ではないロック・スターによる3作目のスタジオ・アルバム。地元ニュージャージーの人気者だった彼が自分なりのロック・サウンドを鳴らした本作は、スプリングスティーンの人生のみならずロック界の様相まで一変させてしまった。
5位: アース・ウィンド・アンド・ファイアー『That’s The Way Of The World (暗黒への挑戦)』
「Reasons」や「Shining Star」などの名曲を収録し、グループ史上屈指のヒット作となった名R&Bバンドの1975年作。一つの時代を代表するアーティストだった彼らはこの作品によって、永遠のポップ・スター集団へとステップ・アップしたのである。
4位: キース・ジャレット『The Köln Concert』
このアルバムは、逆境の中でも魔法が生まれ得ることの証左といえる。ジャレットは調子外れのピアノと耐え難い腰の痛みに悩まされながらも、このライヴ演奏を残した。そんな本作は、史上最高のセールスを記録したピアノ作品としてジャズの歴史に名を刻んでいる。
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3位: エルトン・ジョン『Captain Fantastic & The Brown Dirt Cowboy』
ポップ界の巨匠であるエルトン・ジョンが、半自伝的な内容で作り上げたコンセプト・アルバム。最初期の彼のキャリアを音楽に乗せて描いた作品であり、ソウルフルなバラードや、キャッチーなポップ・ナンバーが数多く収録されている。
2位: エアロスミス『Toys In The Attic (闇夜のヘヴィ・ロック)』
ロック界のスーパースターたちによる3作目のスタジオ・アルバム。「Walk This Way」や「Sweet Emotion」などの大人気ナンバーを収めた本作で彼らは、卑猥で気だるいハード・ロックにかけては右に出る者のいないグループであることを世に示した。
1位: ボブ・ディラン『Blood On The Tracks (血の轍)』
ディランによる15作目のスタジオ・アルバムにして、彼の最高傑作の呼び声も高い一作。夫婦関係の破綻の影響が感じられる本作の最大の強みは抑制の効いたトーンにあり、そのトーンは非常に繊細で驚くほど美しい。
Written By Sam Armstrong
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