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1974年に発売されたアルバム・ベスト68:50年前に生まれた名盤たちをランキング【動画付】
1974年はレゲエ、ラテン、ロックといった各ジャンルから、70年代を代表する傑作が生まれた年だった。
控えめに言っても、1974年に生まれた名作アルバムは実に幅広い。この年、レゲエはジャマイカの海岸線を飛び出し、本格的に世界へと進出。ラテン音楽にも、ファンク、ソウル、ロックといったジャンルが歩んできたのと同じ変化が訪れた。
またスティーヴィー・ワンダー、バリー・ホワイト、ジョニ・ミッチェルといったアーティストが、それぞれの代表作となるアルバムを発表。それに、エリック・クラプトンやエルトン・ジョンといったロック/ポップ界のミュージシャンも良質な作品をリリースしている。
要するに、1974年はジャンルやスタイルにかかわらず、70年代を代表する傑作の数々が生まれた年だったのだ。
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68位:ロキシー・ミュージック『Country Life』
結成メンバーであるブライアン・イーノが脱退したことで、アート・ロック・バンドである彼らの1974年作の方向性はまったく不透明になってしまった。だが幸いにも、『Country Life』はあらゆる期待を悠々と超える作品に仕上がった。さらに、ロキシー・ミュージックはこのアルバムで初の全米トップ40入りを果たしている。
67位:イーグルス『On The Border』
象徴的なロック・バンドであるイーグルスの3rdアルバム。バンジョーの使用やスライド・ギターの演奏など、各メンバーが個性的な才能を最大限に発揮した作品であり、グループ史を代表するメロディーの数々も聴くことができる。
66位:ルー・リード『Rock ‘n’ Roll Animal』
リードが1974年に発表したこのライヴ・アルバムには、観客を歓喜させるアンセムの数々も収録。グラム・ロックの世界への入門盤にはもってこいの1作だ。
65位:マーヴィン・ゲイ『Marvin Gaye Live!』
ソウル界の巨人がオークランド・コロシアムで録音した、自身2作目のライヴ・アルバム。記憶に残る「Distant Lover(遠い恋人)」のパフォーマンスをはじめ、1973年作『Let’s Get It On』の収録曲の素晴らしいライヴ・ヴァージョンが収められている。
64位:モット・ザ・フープル『The Hoople(ロックンロール黄金時代)』
英国出身の同グループが1974年に発表したのは、前作『Mott(革命)』の続編に位置付けられたアルバムだった。当時の評価は芳しくなかったが、同作には名曲「Roll Away The Stone(土曜日の誘惑)」などグループの代表曲もいくつか収録されている。
63位:ロレッタ・リン『They Don’t Make ‘Em Like My Daddy』
カントリー界のレジェンドによる、実に24作目となるスタジオ・アルバム。この作品では聴くたびに味わいを増すバラードの数々と、エネルギッシュなロック・サウンドや陽気なカントリー・サウンドが見事に共存している。”シンプルな方が良い / less is more”という格言に反して、やはり”多様な方が良い / more is more”と思わせてくれる1作である。
62位:ライ・クーダー『Paradise And Lunch』
黒人霊歌からバート・バカラック全盛期のポップ・ナンバーまで、一見異質に思える楽曲群が並ぶ1作。だがクーダーの素晴らしい才能は、そうした楽曲の違いを引き立たせるのではなく、共通点を引き出せるところにある。結果として彼は、聴くだけで歴史の勉強にもなるような纏まりのあるアルバムを作り上げた。
61位:トッド・ラングレン『Todd(未来から来たトッド)』
特異なアーティストであるラングレンの1974年作『Todd』は、実験的で野心的な2枚組アルバムだ。彼の音楽を初めて聴く人はこの作品に怖気づくかもしれないが、聴き込んでいくうちに魅力的な作風と優れた芸術性の虜になるはずだ。
60位:トム・ウェイツ『The Heart Of Saturday Nigh(土曜日の夜)』
シンガー・ソングライターであるウェイツの2ndアルバム。ジャズやフォーク調の演奏に乗せて、街で過ごすありふれた夜の物語が歌われる。平凡な日常を詩的に描き出したアルバムだ。
59位:ヴァン・モリソン『It’s Too Late To Stop Now(魂の道のり)』
アイルランド音楽界のレジェンドが発表したこの2枚組ライヴ・アルバムには、パフォーマーとしての彼の魅力がすべて表れている。その魅力とは、彼の持つエネルギー、温かみ、そして卓越した歌声である。
58位:ガル・コスタ『Cantar』
ブラジルのシンガーであるガル・コスタの5thアルバムにして、彼女をもっとも身近に感じられる1作。それでいて、彼女がブラジル音楽界の重要人物となった所以である辛辣な政治性も失われていない。
57位:キース・ジャレット&ヤン・ガルバレク『Belonging』
ピアニストのジャレットがヨーロピアン・カルテットの面々と初めて制作したアルバム。伸びやかで落ち着いたジャズ・サウンドのため、細部までじっくりと聴き込めるのが特徴だ。それゆえ、再生するたびに新たな発見が待っているのである。
56位:ブルー・オイスター・カルト『Secret Treaties(オカルト宣言)』
ロング・アイランド出身のロック・バンドによる1974年作は、ルーツであるサイケデリック・サウンドに回帰しつつ、彼らの人気の秘訣である歌詞やサウンドの奇抜さを一層強めたアルバムとなった。現在でも多くの人がグループの(現時点での)最高傑作に挙げる作品である。
55位:冨田勲『Snowflakes Are Dancing(月の光)』
日本のアーティストである冨田勲の2ndアルバム。ドビュッシーの作品を、美しく入り組んだシンセサイザー・アレンジで再解釈した作品だ。過去の作品にもかかわらず、現在でも未来的な響きがするアルバムである。
54位:クイーン『Sheer Heart Attack』
クイーンが1974年に発表した二つのアルバムのうちの2作目。「Killer Queen」や「Brighton Rock」といったファンのあいだでの人気曲を含む同作では、ポップ、ロック、ヘヴィ・メタルといったジャンルが見事に融合している。
53位:ルーファス feat.チャカ・カーン『Rags To Rufus』
好セールスを記録したファンク・バンド、ルーファスの2ndアルバム。不朽のヒット曲「Tell Me Something Good」を収録した同作で、チャカ・カーンはエネルギッシュなシンガーとしての評価を揺るぎないものにした。
52位:ハルモニア『Musik Von Harmonia』
クラウトロック界の精鋭が集結したスーパーグループのデビュー作は、実験的でありながら聴き心地の良さも併せ持つ傑作だった。このアルバムで彼らは、誰一人想像しなかったところまでミニマル・ミュージックの可能性を広げてみせたのだ。
51位:ミーターズ『Rejuvenation(ニューオリンズ・ファンクの覇者)』
ファンから高い人気を誇る「Hey Pocky A-Way」などを収めた、ニューオリンズのバンドの1974年作。グループ初期のような質の高いファンク・チューンの数々を、きらびやかなサウンドで仕上げた名作である。
50位:ボブ・ディラン『Planet Waves』
ディランがザ・バンドの面々と再び手を組んだこのアルバムからは、彼のキャリア屈指に美しい楽曲も生まれた。そんな同作では、絶妙に抑制を効かせた演奏に乗せ、日常生活や愛の複雑な側面が深掘りされていく。鋭い洞察や、思わずうっとりするようなメロディーが魅力の1作である。
49位:ランディ・ニューマン『Good Old Boys』
アメリカ南部に題材を取り、ニューマン最大のヒット作となったアルバム。南部という地域の多面性を複雑に描き出した同作には、この地域に対する彼の批判精神と憧れがどちらも表れている。
48位:リンゴ・スター『Goodnight Vienna』
言わずと知れた元ビートルズのメンバーであるリンゴの、4作目となるスタジオ・アルバム。ジョン・レノンがアコースティック・ギターで参加した同作は「Only You」や「No No Song」といったヒット曲を含んでいたこともあって、リンゴの活躍に相応しい商業的成功を収めた。
47位:ザ・ローリング・ストーンズ『It’s Only Rock ‘n Roll』
同じく言わずと知れたイギリスのロック・バンド、ザ・ローリング・ストーンズによる1974年作。エネルギッシュなタイトル・トラックを中心とした同作では、モータウンの楽曲のカヴァーやレゲエ・サウンドなどを取り入れる試みがどれも奏功している。この年には英国勢がアメリカのチャートを席巻したが、このアルバムもその一翼を担った。
46位:シン・リジィ『Nightlife』
ブライアン・ロバートソンとスコット・ゴーハムという新加入のギタリスト二人が初めて参加した『Nightlife』。シン・リジィがいよいよ本領を発揮し始めた同作からは、「Sha-La-La」や「Still In Love With You(それでも君を)」など、ライヴの定番になった楽曲も生まれた。
45位:UFO『Phenomenon(現象)』
ギタリストのマイケル・シェンカー加入後初めてのアルバムである同作は、UFOサウンドの転換点になった。この1作で彼らは取るに足らないグループの一つから、ハード・ロック界の旗手へと飛躍したのである。
44位:オハイオ・プレイヤーズ『Fire』
ファンク・バンドのオハイオ・プレイヤーズによる、6作目のスタジオ・アルバム。感動的なバラードから、即興風の激しい演奏、心が洗われるようなゴスペル・ナンバーまでを含んだ同作には、彼らの驚くべき懐の深さが表れている。この作品で彼らは、ファンク界を牽引するグループとして知られるようになった。
43位:キャメル『Mirage(蜃気楼)』
「White Rider」や「Lady Fantasy」などのヒット曲を含む、プログレッシヴ・ロック・バンド、キャメルの2ndアルバム。このジャンルの作品を評価する上での一つの基準となった傑作である。
42位:デヴィッド・ボウイ『Diamond Dogs(ダイアモンドの犬)』
ジョージ・オーウェルの小説『1984(1984年)』をヒントに制作された、ボウイ8作目のスタジオ・アルバム。ディストピア的な世界観をファンキーなサウンドに乗せて描き、全英チャートの首位に輝いた。
41位:エレクトリック・ライト・オーケストラ『Eldorado』
ジェフ・リン率いるグループによるプログレッシヴ・ロックの名作。冒頭を飾る「Eldorado Overture(エルドラド=序曲)」の一音目から、映画的な広がりを感じさせる鮮やかな音世界に満ちたアルバムである。
40位:エルトン・ジョン『Caribou』
音楽界のレジェンド、エルトン・ジョンによる8作目のスタジオ・アルバム。「The Bitch Is Back(あばずれさんのお帰り)」や「Don’t Let The Sun Go Down On Me(僕の瞳に小さな太陽)」といった至高の名曲を収めた同作は、ポップ・ソングを作り出す彼の手腕がその極地に達した1作である。
39位:ジョン・ケイル『Fear(恐れ)』
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバーだったケイルによる4作目のソロ・アルバム。ポップとロックという二つのジャンルを巧みに融合させた同作で、ケイルはかつて所属したバンドの巨大な幻影から解き放たれ、一人のアーティストとしての評価を確立した。
38位:リトル・フィート『Feats Don’t Fail Me Now(アメイジング!)』
リトル・フィートが絶頂期に発表した1974年作。このアルバムには、サザン・ロック界屈指の名曲がいくつも収められている。
37位:キッス『Kiss(キッス・ファースト 地獄からの使者)』
有名ロック・バンドのキッスはこのデビュー作で、彼らならではのグラム・ロック・サウンドを世界に発信した。リリース当時は大きな評判にならなかったものの、その価値はやがて十二分に認められるようになった。
36位:ミニー・リパートン『Perfect Angel』
唯一無二のシンガーであるミニー・リパートンの2ndアルバム。その聴きどころはやはり不朽の名曲「Lovin’ You」と、常人離れした彼女の高音ヴォイスだろう。一流の歌唱技術とソウルを併せ持った彼女の歌を堪能できる1作だ。
35位:シュギー・オーティス『Inspiration Information』
度々サンプリングされていることでも知られる、トリップ感に満ちたソウル・アルバム。上品なアレンジと瞑想に誘うようなテンポが特徴の同作は、リリースから数十年が経ったいまでも愛され続けている。そのサウンドにのめり込むのも良いし、このアルバムを流しながら思索にふけるも良いだろう。
34位:パーラメント『Up For The Down Stroke』
ファンク・バンドのパーラメントが1974年に発表したアルバムは、彼らにとって初のヒット曲となった素晴らしい表題曲を収録しているだけでなく、比類ない名手であるブーツィー・コリンズが2年の離脱を経てグループに復帰した記念すべき作品でもあった。
33位:ギル・スコット・ヘロン&ブライアン・ジャクソン『Winter In America』
ヘロンの革命的までのリリシズムとジャクソンの魅力的なピアノが組み合わさったこの強力なアルバムは、1974年に作られたものでありながら現代にも通じる作品だ。つまり同作は、激動の時代にぴったりのサウンドトラックなのである。
32位:クイーン『Queen II』
ロック界のスーパースターであるクイーンの2ndアルバムはもともと『Over The Top』(やり過ぎなほど派手、の意)と名付けられる予定だったというが、その野心的なその内容を考えればこれは言い得て妙だったといえよう。空想的な歌詞や複雑なアレンジを特徴とする同作は、ほかのグループとは一線を画す”クイーン・サウンド”の原型になった。
31位:レーナード・スキナード『Second Helping』
フロリダ出身のロック・バンド、レーナード・スキナードの2ndアルバム。彼らの楽曲としてもっとも有名な「Sweet Home Alabama」が収録された同作で、彼らはサザン・ロック界の伝説になった。
30位:タンジェリン・ドリーム『Phaedra』
ドイツのグループであるタンジェリン・ドリームが世界的に知られるきっかけとなった代表作。現在でも、電子音楽界屈指の革新性を誇るアルバムと評価されている。
29位:ブライアン・イーノ『Taking Tiger Mountain (By Strategy)』
デビュー作から1年足らずでリリースされた、ブライアン・イーノ2作目のソロ・アルバム。彼が”オブリーク・ストラテジーズ”のカードを用いた革新的な制作手法を導入し、アート・ロックの未来を切り開いた作品である。
28位:スパークス『Kimono My House』
ロック・バンドのスパークスが1974年に発表したこのアルバムは、「This Town Ain’t Big Enough For Both Of Us」や「Amateur Hour」といったヒット曲を収録していたこともあり、彼らのブレイク作となった。グラム・ロックとポップを融合させた刺激的なサウンドが魅力の1作である。
27位:ファンカデリック『Standing On The Verge Of Getting It On』
後進に多大な影響を与えたファンク・バンド、ファンカデリックの6作目となるスタジオ・アルバム。ギタリストのエディ・ヘイゼルの復帰作であり、彼のソロは同作の大きなハイライトになっている。また、ファンカデリックにしかできないような長く風変わりな即興演奏もこの作品の特徴である。
26位:ヴァン・モリソン『Veedon Fleece』
ヴァン・モリソンは『Veedon Fleece』の発表後、3年間に亘り活動を休止した。そんな同作は、離婚後の気持ちの動揺を悲しくも美しく描いた、極めて個人的な内容のアルバムである。
25位:ルーファス feat.チャカ・カーン『Rufusized』
前作から1年足らずで発表されたにもかかわらず、この3rdアルバムにおける彼らの演奏能力は、以前よりはるかに向上していた。これまでの作品よりファンキーで、セクシーで、しなやかなサウンドとなった『Rufusized』でルーファスは、”優れたバンド”から”驚くべきバンド”へと変貌を遂げたのである。
24位:ロリー・ギャラガー『Irish Tour ’74(ライヴ・イン・アイルランド)』
アイルランドが誇るロック・スターの凱旋ツアーの模様を収め、史上最高のライヴ・アルバムの一つと評価されている1作。母国が危機的状況にある中で録音された同作は、音楽的な意味でも社会的な意味でも、歴史に刻まれるべき作品である。
23 位:マイルス・デイヴィス『Get Up With It』/『Big Fun』
この二つの編集盤はどちらも、デイヴィスがそれまでに制作していたアウトテイクを纏めたもの。ここには、全マイルス・ファン必聴の先鋭的なジャズ・ナンバーがぎっしりと詰まっている。
22位:フランク・ザッパ『Apostrophe (‘)』
彼らしい攻撃的なユーモアや、巧みな演奏技術を特徴とするフランク・ザッパの1974年作。ザッパの作品として初めて全米チャートのトップ10に入り、ヒット・アルバムの新しい形を示した。
21位:ロバート・ワイアット『Rock Bottom』
ロバート・ワイアットが事故により半身不随となったあとで制作した1974年作『Rock Bottom』は、アート・ロックの最高峰といえる1作に仕上がった。悲劇的な状況下で作られたにもかかわらず、彼のキャリアの中でも特に穏やかで抑制の効いた作風のアルバムである。
20位:ロビン・トロワー『Bridge Of Sighs(魂のギター)』
イギリスのギタリストであるトロワーの2ndアルバムにして、最高傑作の呼び声が高い1作。数々のアーティストにカヴァーされている「Too Rolling Stoned」や、華麗な演奏を堪能できる「In This Place」などが収録されている。
19位:リチャード&リンダ・トンプソン『I Want To See The Bright Lights Tonight』
トンプソン夫妻がフォーク・ロック・デュオとして発表した1stアルバムは、悲哀に満ちた楽曲さえも驚くほどに美しく響く作品だった。そこには、人生における堪え難い苦悩が巧みに表現されている。
18位:ブライアン・イーノ『Here Come The Warm Jets』
奇特なアーティストであるイーノのデビュー作は、彼のその後の音楽制作手法の基礎となるアルバムだった。そして、極めて独創的なそのアプローチは、他のミュージシャンに多大な影響力を及ぼすこととなる。そんな『Here Come The Warm Jets』で彼は、ファンクからニュー・ウェーヴまであらゆる音楽ジャンルを融合。そのサウンドに、(まったくもってナンセンスとは言わないまでも)実験性溢れる歌詞を乗せて歌い上げたのである。
17位:ビッグ・スター『Radio City』
メンフィス出身のバンド、ビッグ・スターの代表作である『Radio City』がリリース時に商業的な成功を収めることはなかった。しかし、彼らはやがてカルト的な人気を得るようになり、同時にパワー・ポップ界の始祖として広く認知されるようになった。
16位:スーパートランプ『Crime Of The Century』
イギリスのバンド、スーパートランプによる3作目のスタジオ・アルバム。グループ初の大ヒット曲「Dreamer」を含む同作で、彼らは独自のアート・ロック・サウンドを確立した。
15位:ベティ・デイヴィス『They Say I’m Different』
捉えどころのないファンク・シンガーであるデイヴィスの2ndアルバムは、騒々しく、性にオープンで、フェミニズム的思考が前面に出たファンク・アルバムだ。そしてそのグルーヴは、同世代のほとんどのアーティストの作品よりも激しいものだった。
14位:エリス・レジーナ&トム・ジョビン『Elis & Tom』
ブラジルの人気アーティストである二人が手を携えて作り上げた、素晴らしいボサノヴァ・アルバム。模倣できないような美しさを備えた作品であり、ブラジル音楽界を代表する偉大なポップ・レコードと評価されている。
13位:キース・ハドソン『Pick A Dub』
ハドソンが残したダブ界の重要作『Pick A Dub』は、キング・タビーやリー・スクラッチ・ペリーといった重鎮たちの作品と肩を並べるアルバムだ。力強いパーカッションの音を聴いただけで、心、身体、魂がすべて飲み込まれてしまう感覚に陥るのである。
12位:ジェネシス『The Lamb Lies Down On Broadway(眩惑のブロードウェイ)』
UKのバンド、ジェネシスによる6作目のスタジオ・アルバム。彼らがプログレッシヴ・ロック界のレジェンドとされている理由は、これ1作を聴くだけで明らかだろう。物語仕立ての野心的な構成や、心揺さぶる見事な演奏を特徴とする『The Lamb Lies Down On Broadway』は、すべてのプログレ・ファンが一度は聴くべき作品である。
11位:グラム・パーソンズ『Grievous Angel』
パーソンズがこの世を去る数週間前に完成させた、2作目にして最後のアルバム。彼の素晴らしい作曲能力と、優美な演奏を堪能できる作品だ。
10位:ラベル『Nightbirds』
後進に大きな影響を与えたグループ、ラベルの4作目となるスタジオ・アルバム。刺激的で、聴くと力が湧いてくるようなこのアルバムには、大ヒット曲「Lady Marmalade」も収められている。ファンク、R&B、ゴスペルを横断したサウンドに、耳に残る力強いヴォーカルが加わった名作である。
9位:エリック・クラプトン『461 Ocean Boulevard』
クラプトンのアルバムとして初めてチャートのトップに立った1作。ロック、ブルース、R&Bをあまりに魅力的な形で融合させた彼の音楽の魔力が如実に表れている。
8位:ニール・ヤング『On The Beach(渚にて)』
ヤングが1974年に発表したアルバムは、彼の失望感を反映するように暗く内省的な作品となった。そこに並ぶ優れた楽曲の数々には、当時の彼の心境がよく表れている。
7位:クラフトワーク『Autobahn』
ドイツのグループ、クラフトワークが1974年に発表した代表作。シングルとしてヒットを記録したタイトル・トラックを含む同作は、80年代から90年代にかけての電子音楽ブームの火付け役となった。
6位:スティーリー・ダン『Pretzel Logic』
グループ最高傑作の呼び声も高い、スティーリー・ダンの1974年作。入り組んだアレンジや、皮肉なユーモアを込めた歌詞を特徴とする同作からは、ヒット・シングル「Rikki Don’t Lose That Number(リキの電話番号)」も生まれた。
5位:ジョニ・ミッチェル『Court And Spark』
1974年にミッチェルは、ポップとジャズを見事に融合させたアルバムを発表。この作品は、アメリカで彼女にとって最大のヒット作となった。同作は全米アルバムチャートで2位を記録しただけでなく、最終的にはダブル・プラチナにも認定されたのだ。
4位:エディ・パルミエリ『The Sun Of Latin Music』
強い影響力を誇るピアニストのパルミエリは1974年発表の同作に、サルサからグワグワンコまで実に幅広いスタイルを取り入れた。結果として完成したのは、楽しみながらラテン・ジャズ界随一の演奏を堪能できる1作だった。
3位:バリー・ホワイト『Can’t Get Enough(あふれる愛を)』
バリー・ホワイトが1974年に発表したのは、優雅なストリングスと官能的なハーモニー、そして特徴的な”あの声”を堪能できる1作。ほかとは一線を画す傑出したアルバムであり、真のR&Bファンがこぞって愛聴盤に挙げる作品だ。
2位:スティーヴィー・ワンダー『Fulfillingness’ First Finale』
R&B界の巨人、スティーヴィー・ワンダーによる17作目のスタジオ・アルバム。ヒット曲「Boogie On Reggae Woman」を含む同作は、恋愛における喜びと悲しみをどちらも描いた作品で、ワンダー史上屈指に感動的なヴォーカル・パフォーマンスも聴くことができる。
1位:ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ『Natty Dread』
ボブ・マーリーがピーター・トッシュやバニー・ウェイラーと袂を分かってから初めて制作した1作。「No Woman, No Cry」など名曲が目白押しの『Natty Dread』は、マーリーが生前に発表した作品の中でも特に重要なアルバムである。
Written By Sam Armstrong
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