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TikTokやネットで話題の過去の名曲とその理由:ビー・ジーズ、スティーリー・ダン、ヴァネッサ等々
バイラルヒットとなって、チャートを制覇するというTikTokトレンドへの道は、もはや最新の楽曲だけのものではない。昨今の音楽業界では、TikTokなどのソーシャルメディアやサウンドトラック、コマーシャルへの起用、そして時には純粋に偶然に。そんなポップカルチャーに再登場した名曲への関心が高まっている。
しかし、昨年10月のフリートウッド・マックの「Dreams」を聴きながらロングボードでクルージングした男がいた頃から、ルールはさらに変わり続けています(*このTikTok動画が拡散したことで楽曲がリバイバルヒットとなった)。この記事では、今、再びトレンドになっている過去の名曲とその理由をすべて紹介しよう。
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ビー・ジーズ「More Than A Woman」
HBOで放送されたドキュメンタリー映画『How Can You Mend A Broken Heart』の成功を受けてか、ビー・ジーズが1977年の映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のサントラのために制作した「More Than A Woman」が再び注目を集めている。今、TikTokで流行っている「More Than A Woman」というトレンドを説明するのは少し難しいのだが、クリエイターたちがいくつかの巧妙なカットを使って自分の様々な側面を見せるというものだ。
@.vintagewhoretotally buggin #SupportSmallBiz #forupage #fyp #foru #clueless #aliciasilverstone #cherhorowitz♬ Bee Gees – More Than A Woman – ⭐️✨
このトレンドでは、ストリングスが音を変えるたびにカットされ、マルチアングルの高速配信が行われ、ユーザーがクリエイティブに活用している。上記のTikTokの動画は、90年代の映画『クルーレス』のワンシーンをこの曲に合わせたもの。この動画が拡散すると、ユーザーがそれをもとに全く新しい動画に派生させていくのは時間の問題だった。
ラステッド・ルート「Send Me On My Way」
ラステッド・ルートは、バイラルへの遠回りな道を歩んできた。1990年にピッツバーグで結成されたバンドは、アフリカ、ラテンアメリカ、インドのスタイルにインスパイアされた多彩なロックミュージックを演奏している。彼らの大ヒット曲である1994年の「Send Me On My Way」がTikTokに登場するようになったのは、Guy Meets Girlによる同曲のカバーバージョンがきっかけだった。
@kaytee.smithMy MIL has one of the best reactions #pregnancyannouncement #fyp #onmyway #family♬ Send Me on My Way – Guy Meets Girl
彼らのアコースティックな演奏は、若いカップルが家族に妊娠を報告したり、バレンタインデーに恋人がダブルシフトで働いている間に彼氏を驚かせたり、誕生日のサプライズ動画に使われるなど、TikTok全体のスイートな瞬間のBGMとして使用されている。このような瞬間は、TikTokのようなアプリに希望を与えてくれる。つまり、人には成功や15分の名声を追い求めるのではなく、喜びのストーリーを共有することで人々を結びつけたいという願望が根源にあることがわかるのだ。
ヴァネッサ・カールトン「A Thousand Miles」
時として、最高のバイラル・モーメントは、最も意外な場所からやってくるものだ。フロリダのヒップホップシーンで活躍する若いラッパーたちは、トレンドソングを生み出すことに慣れている。しかし、ヴァネッサ・カールトンが2002年に発表したピアノポップのヒット曲「A Thousand Miles」を大胆にサンプリングして、話題の曲の一つにするということを、誰が予想できただろうか。
ヴァネッサのキャッチーなヒット曲と、FastMoney Goon、Spinabenz、Whoppa Wit Da Choppa、Yungeen Aceといったラッパーたちの強烈な威勢の良さとの間には違和感があるが、グループはその緊張感を利用して、今最も人気のあるラップソングの一つに作り変えることに成功した。「A Thousand Miles」は、バイラルの仕組みを利用して、再びインターネット上を駆け巡り、ファンにその紛れもない素晴らしさを思い出させている。
ソルト・ン・ペパ「Whatta Man」
テレビや映画で音楽が使われることによって、その曲は再び時代の寵児へとなることがある。1993年にエン・ヴォーグとコラボしたヒット曲「Whatta Man」が約30年ぶりの続編映画『星の王子 ニューヨークへ行く2』に使用された後、ソルト・ン・ペパは新しい #YouSoCrazy チャレンジで再びチャートとTikTokを席巻している。「(劇中に登場する)ザムンダは実在する国なのか?」というGoogle検索が増加したことに加えて「Whatta Man」を使った映像が話題となった。
スティーリー・ダン「Dirty Work」
映画の中で歌が使われなくても、曲が流行ることがある。今回のケースでは、スティーリー・ダンの1972年の名曲「Dirty Work」が、新作映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の予告編に登場したことで、大きな盛り上がりを見せた。
DC映画『スーサイド・スクワッド』が大きな影響力を持っていることもあるが、ここでスティーリー・ダンの「Dirty Work」の重要性を否定することはできない。この曲は史上最高のポップ・ロック・ソングのひとつであり、独立と自分のために立ち上がることへの頌歌なのだ。
ネリー・ファータド「Say It Right」
楽曲が再注目される方法の中でも、TikTokでのダンストレンドは、バイラルでの成功への道として何度も試行錯誤されている。ネリー・ファータドの「I’m Like A Bird」が2000年代初期から中期にかけて一世を風靡したことを忘れてる人はいないだろう。ティンバランドとチームを組んだ後、ネリーはポップなR&Bの力を発揮し、2006年のアルバム『Loose』に収録された「Promiscuous」や「Say It Right」などの曲でチャートを席巻した。
@nickrubianothis song deserves the hype. @alex.rubiano @tristanrubiano dc: @davonte.casa♬ original sound – Eliza
TikTokユーザーたちは「Say It Right」をスローモーションにして、楽曲とシンクロしたダンスをすることで再構築して、この曲は再び大ヒットとなっている。運がよければ、リミックスが作られるかもしれない。TikTokが、ビリー・サイラスをフィーチャーしたLil Nas Xの「Old Town Road」という史上最大級のリミックスを生み出したように。
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