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ザ・ローリング・ストーンズ「Honky Tonk Women」解説 : ファンキーな名曲誕生の舞台裏

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Cover: ABKCO

ブラジルへの旅行にインスピレーション得て生まれたという「Honky Tonk Women」は、ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の最も有名なシングルのひとつである。この曲が作られた過程を振り返ってみたい。

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The Rolling Stones – Honky Tonk Women (Official Lyric Video)

キース・リチャーズは「Honky Tonk Women」について「当時の俺たちが得意としていたことすべてが集約された到達点」と評しており、ベーシストのビル・ワイマンは「成功作」と形容している。そしてそれぞれの伝記の中で両者が口を揃えて述べているのは、レコーディングやミックスダウンの段階で、既にストーンズがこの「Honky Tonk Women」に大きな手応えを感じていたという事実である。リチャーズは彼独特の表現でこのように述べている。

「 (この曲は) 作り上げる前から、ナンバー・ワンになるってわかっているっていうととんでもない代物のひとつだった」

この予言は完璧に的中していた。1969年7月4日にアルバム未収録のシングルのA面曲としてリリースされた「Honky Tonk Women」は、計7ヶ国のヒット・チャートで首位をマーク。彼らにとって母国であるUKでこれ以上はないほどの偉業となった。そしてバンドの最も不朽の名作であり、最も愛される曲の一つであることが証明されたのだ。だがそれほど象徴的なものとして完成するまでに、他の多くの有名な楽曲がそうだったように、この曲も様々な変化を遂げたのだった。

作曲のプロセス

「Honky Tonk Women」のアイデアは、キース・リチャーズとミック・ジャガーがブラジルに旅行をした際に生まれた。彼らは、休暇を過ごした牧場で働くカウボーイたちに触発され、ハンク・ウィリアムズ/ジミー・ロジャーズ風のメロディを組み立てていった。そして、そのカントリー・ミュージック色濃い曲調に促され、ジャガーが古き佳き米西部で働く女たちに捧げる歌詞を書いたのだった。(「Honky Tonk Women」の少しあとに録音され、1969年のアルバム『Let It Bleed』に収められた「Country Honk」は、当初のアイディアをより色濃く滲ませた仕上がりになっている)。

こうして生まれた「Honky Tonk Women」は、バンド全員の演奏によってよりセクシーで、ファンキーな色合いを強めた。また、そこには、リチャーズにオープンGチューニングを教えたルーツ・ミュージックに通じるミュージシャン、ライ・クーダーの助力もあった(クーダーは『Let It Bleed』や『Sticky Fingers』、そしてジャガーが主演を務めた1970年のカルト映画『パフォーマンス/青春の罠』のサウンドトラックにも貢献している)。

そこに、プロデューサーのジミー・ミラーによるふらつくようなカウベル、さらにワイマンによるこもったようなベースラインと、アメリカのR&Bシンガー、ドリス・トロイとナネット・ワークマンによる力強いバック・ヴォーカルが加わり、ダンスフロアを揺るがすあの強力なコーラス・パートを迎えるのだ。

「Honky Tonk Women」はグループの新たなギタリスト、ミック・テイラーが初めてレコーディングに参加した楽曲でもあった。ジョン・メイオールのブルースブレイカーズのメンバーだったテイラーは、ストーンズの創設メンバー、ブライアン・ジョーンズに代わってグループに加入。当時まだ20歳という若さだったが、ヴァースからサビに移行するパートで、カントリー・ブルース・スタイルの見事なリックを披露。ドン・リッチを想起させる南部色濃厚なピッキングと、ピーター・グリーンのそれに通じるサイケデリックな音調が調和したその演奏は、この曲をまとめ上げる役割を果たしている。

The Rolling Stones | Honky Tonk Woman (Brussels Affair, Live in 1973) | GHS2020

Written By Robert Ham


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2020年9月4日
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