Stories
マーヴィン・ゲイとタミー・テレルの見事なデュエット「Your Precious Love」
1967年3月にまたも素晴らしいモータウンのデュエットが生まれた。それはマーヴィン・ゲイとタミー・テレルによる夢のようなペアリングで、彼らが初のチャート入りを果たした「Ain’t No Mountain High Enough」からまだ2か月足らずのことだった。彼らは3月23日「Your Precious Love」でまたも記憶に残る見事なコラボレーションを披露したのだ。
曲は「Ain’t No Mountain High Enough」と同様に、上昇中だったニック・アシュフォードとヴァレリー・シンプソンのチームにより書き下ろされ、プロデューサーにはモータウンのもう1組の絶妙なコンビ、ハーヴィー・フークワとジョニー・ブリストルを起用。楽曲自体は2月13日にレコーディングされ、その4日後にストリングスが録音された。
『The Complete Motown Singles』のVol.7でジョニー・ブリストルが回想するように、当時プロデューサーたちはマーヴィン・ゲイとタミー・テレルと一緒にバッキング・ヴォーカルを務め、自身を‘リフ・ブラザーズ・プラス・ワン’と呼んでいた。その同じVol.7でニック・アシュフォードは、このキャッチーでミッド・テンポの曲がいかに書きやすかったかについて語っている。
「この曲もあっという間に思いついたんだ。マーヴィンはロマンスを盛り立てて、歌詞に込められた意味を声で表現できる独特なスキルを持っていた。そしてタミーはそれに花を添えた。彼らのヴォーカルの融合は素晴らしかった。だからみんなが惹かれたんだと思う、二人の存在をレコードから聴き取ることができたから」。
「Your Precious Love」はその年の8月にリリースされ、全米ポップ・チャートで5位まで上昇。R&Bチャートでは5週間2位を記録した。のちにこの曲は1996年の映画『ハイスクール・ハイ』のサウンドトラックでディアンジェロとエリカ・バドゥがリメイクしたことによって次の世代へも伝わっている。
Written by Paul Sexton
- マーヴィン・ゲイ アーティスト・ページ
- マーヴィン・ゲイの20曲:史上最もソウルフルなアーティスト
- マーヴィン・ゲイ1972年の未発表アルバム『You’re The Man』が発売
- マーヴィン・ゲイの生涯を辿る:彼はいかにして真のソウルアーティストになったのか
- モータウンと社会問題:政治やプロテスト・ソングと人々が自由になるための手助け
- マーヴィン・ゲイとタミー・テレルの見事なデュエット「Your Precious Love」
- マーヴィン・ゲイ最高のパートナー、タミー・テレルの転倒と脳腫瘍の発覚
- 悲劇の素晴らしい歌姫タミー・テレル
- マーヴィン・ゲイが『Let’s Get It On』で得たロマンティックでソウルな進歩
- ひときわ官能的なレコードのひとつ、マーヴィン・ゲイの「Let’s Get It On」
- マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルが美しい音楽を奏でた「You’re All I Need To Get By」
- マーヴィン・ゲイの20曲:史上最もソウルフルなアーティストマーヴィン・ゲイが登場する丸屋九兵衛 連載第1回
マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル『United』
- マーヴィン・ゲイ アーティスト・ページ
- マーヴィン・ゲイ 関連記事
- マーヴィン・ゲイ1972年の未発表アルバム『You’re The Man』が発売
- マーヴィン・ゲイの生涯を辿る:彼はいかにして真のソウルアーティストになったのか
- モータウンと社会問題:政治やプロテスト・ソングと人々が自由になるための手助け
- マーヴィン・ゲイとタミー・テレルの見事なデュエット「Your Precious Love」
- マーヴィン・ゲイ最高のパートナー、タミー・テレルの転倒と脳腫瘍の発覚
- マーヴィン・ゲイが『Let’s Get It On』で得たロマンティックでソウルな進歩
- ひときわ官能的なレコードのひとつ、マーヴィン・ゲイの「Let’s Get It On」
- マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルが美しい音楽を奏でた「You’re All I Need To Get By」
- マーヴィン・ゲイの20曲:史上最もソウルフルなアーティスト
- マーヴィン・ゲイが登場する丸屋九兵衛 連載第1回
マーヴィン・ゲイ『What’s Going On Live』
発売中
CD iTunes
Pingback: マーヴィン・ゲイを中心にしたモータウン最高のデュエット22曲