Stories
スクイーズ「Take Me I’m Yours」でチャート入り
1978年4月8日の全英シングル・チャートは非常に不思議で、ブライアン&マイケルなどの珍しいアーティストがブロンディのような新しくホットなアーティストと戦っていた。前者の「Matchstalk Men and Matchstalk Cats and Dogs」は後者の「Denis」を遮りトップの座にいた。トップ10にはディスコ・ソウル(イラプション)からロックン・ロールのリヴァイヴァリスト(ショワディワディ)からニューウェイヴのプロデューサー/アーティスト(ニック・ロウ)、さらにケイト・ブッシュ、ジェネシス、ジェリー・ラファティーらが在位していた。
その混乱した商業的なチャートの中で控えめに44位にいたのが、ここ40年間において最も長期にわたり愛され続けてきたイギリスのグループ、スクイーズであり、この時彼らのチャートにおけるキャリアがスタートした。初めてベストセラーに入り込むことに成功したのが「Take Me I’m Yours」である。
シングルを購入する多くの人にとって、この曲は独特なクリス・ディフォードとグレン・ティルブルックのツイン・オクターヴのスプリット・ヴォーカル、グレン・ティルブリックのメロディへの優れた耳、そしてクリス・ディフォードのカミソリのようにシャープな歌詞を初めて知るきっかけとなった。ディスコのビートに合わせてうっすら不可思議なオリエンタルな音楽をバックに、砂漠やラクダについて歌った。“Amusing belly dancers distract me from my wine/across Tibetan mountains are memories of mine.(愉快なベリー・ダンサーがワインを飲む僕の気をそらす/チベットの山々を渡った僕の記憶)”。ブライアン&マイケルのマッチストーク・メンからはほど遠いものだった。
「Take Me I’m Yours」は南ロンドン出身のグループがリリースしたばかりのセルフ・タイトル・デビュー・アルバムに収録されており、それは元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルとともにプロデュースした。チャート・デビューの1週間後、トップ40内32位を記録し、5月初旬には最高位となる19位を達成した。
スクイーズがその後18年間でリリースした23枚のシングルの中で、初めてトップ75入りを達成した曲だった。2015年には、1998年以来となる新曲を収録したアルバム『From The Cradle To The Grave』を提げて精力的にイギリス・ツアーを行い、ファンを喜ばせた。2017年秋には再びクリス・ディフォードとグレン・ティルブルックが率いる現在のラインナップとなり、またも好評だった新たなアルバム『The Knowledge』でツアーを行った。
Written by Paul Sexton
「Take Me I’m Yours」が収録された『Squeeze』をSpotifyで聴く
uDiscoverのスクイーズ・オフィシャル・プレイリストをSpotifyで聴く