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ザ・ローリンス・ストーンズ史上最長の82週間チャートインしたアルバム『Some Girls / 女たち』
5枚連続で全米アルバム・チャートの1位を獲得、そしてまだあと3枚の記録を伸ばすところまできていたザ・ローリング・ストーンズ。そして1978年7月15日の全米アルバム・チャートで、アルバム『Some Girls(邦題:女たち)』は、ジェリー・ラファティの『City To City』を蹴落とし、最高位に到達、全米1位の連続記録を6枚に伸ばした。
1978年6月9日にリリースされた『Some Girls』は、ザ・ローリング・ストーンズにとって通算7度目(連続1位としては6枚目)の全米アルバム・チャートの首位をもたらした。しかも『Some Girls』は、もうひとつの大きな記録を打ち立てている。このアルバムのチャートにランクインしていた期間は『Sticky Fingers』よりも長く、『Let It Bleed』よりも、『Aftermath』よりも『Exile On Main St(邦題:メイン・ストリートのならず者)』よりも長い。つまり、ザ・ローリング・ストーンズの歴史の中で全米チャートに最も長くランク入りしたスタジオ・アルバムとなったのである。そして現在、“No Filter”ツアー真っ只中のバンドのセットリストで毎回際立っている「Miss You」がバンドの不朽の名曲としてまた注目を浴びている。
『Some Girls』はザ・ローリング・ストーンズが大きく原点回帰を果たした作品だと評価された。ザ・ローリング・ストーンズはアメリカで24枚のスタジオ・アルバムを発表しているが、その中でグラミー賞の最優秀アルバム部門にノミネートされたのは『Some Girls』だけだ。アルバムの売り上げ枚数は、アメリカだけで600万枚に達している。
サウンズ誌では、ピート・シルヴァートンがこんな熱っぽい評を載せていた。「どう見ても、これはトップ・クラスに重要なアルバムだ」。特にピート・シルヴァートンは、このアルバムの冒頭1曲目とそこでのチャーリー・ワッツの演奏を高く評価していた。「1曲目の“Miss You”はこのアルバムの中で一番の出来であり、最も野心的な曲だ。それは間違いない。そう、こういうレコードに対しては褒めちぎることしかできない。これは今のところ今年最高のダンス・レコードだ。ビー・ジーズの「Staying Alive」にも勝っている。さらにいえば、レコードに記録された数あるドラム・サウンドの中でも史上二番目に素晴らしい(史上最高のドラム・サウンドは、言うまでもなく「Honky Tonk Women」だ。あの曲がどうなったかはみなさんご存じの通りだろう)」。
キース・リチャーズも、ロニー・ウッドと組んだギター・サウンドに喜びを感じていた。「ウッディと組むと良い化学反応が起きるんだ」と彼は当時クリーム誌で語っている。「ウッディはギター2本のバンドにピッタリの奴だけど、今まではそういうのをやれるバンドにいなかった。あいつの強みは、俺と同じように、もうひとりのギタリストと組むときのコンビネーションにある。テクニックをひけらかす技巧派のハッタリじゃなくてね」。
『Some Girls』は全米チャートの首位に2週間留まり、チャートランクイン期間は累計82週にも及んだ。これは、バンドの2番目に長くチャート入りしたザ・ローリング・ストーンズのスタジオ・アルバムの記録をはるかに超えている。意外なことかもしれないが、チャートランクイン期間第2位のアルバムは1965年発表の『Out Of Our Heads』で、実に66週に亘ってチャートに留まっている。
Written by Paul Sexton
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