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1985年4月18日、フランク・シナトラの武道館コンサート。卓越した芸術性を発揮したパフォーマンス

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Photo: Frank Sinatra Enterprises

フランク・シナトラ(Frank Sinatra)が東京の武道館で行った記念すべき公演から36年が経った。1985年4月18日の夜、もともと1964年のオリンピック柔道競技のために建設された日本の伝説的なコンサート会場は、その日はシナトラを見に来た14,500人の観客で満員になっていた。

シナトラは、1962年に東京の日比谷公園で行った記念すべきコンサートをはじめ、何度か日本で公演を行っている。

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Frank Sinatra – My Way (Live At The Budokan Hall, Tokyo / 1985)

 

最高の芸術性を発揮したパフォーマンス

1985年のシナトラによる武道館公演は、彼の代表曲をメドレーで演奏する洗練された雰囲気のオーケストラ序曲で始まった。3分ほどの曲が終わると、シナトラはホール中央の赤い絨毯を歩いてステージに上がり、熱狂的な拍手に包まれた。

ホーンが鳴り響き、シナトラの代表的なスウィング・チューンである「The Lady Is A Tramp」が披露。27年前にキャピトルから発売されたこの曲は、録音された当時のままの躍動感にあふれていた。

The Lady Is A Tramp – Frank Sinatra | Concert Collection

スイングモードのまま、シナトラは「Fly Me To The Moon」の光り輝くバージョンを続け、テンポを落としてアンセム的なバラード「My Way」を歌い、熱狂的なフィナーレでクライマックスを迎えた。その後、50年代に戻り、コール・ポーター作曲の「I’ve Got You Under My Skin」では、シナトラがアレンジャーのネルソン・リドルの才能を認めた上で、完璧なヴォーカル芸術を披露している。

ビートルズのジョージ・ハリスンが歌った美しいラブソングと紹介された「Something」では、バラード歌手としてのシナトラの実力が発揮され、現代的なロックの素材を使いこなすことができた。曲の最後には、会場に来ていた妻のバーバラに捧げる言葉がある。

 

“Yokohama…is my kind of town”

シナトラの武道館公演では、1984年にクインシー・ジョーンズがプロデュースしたアルバムのタイトル曲で、当時録音されたばかりの「LA Is My Lady」と、特に素晴らしい「My Kind Of Town」が収録されている。「My Kind Of Town」はシカゴへのオマージュであるが、シナトラは日本の聴衆のために歌詞に手を加え、”Yokohama…is my kind of town”と歌っている部分もある。

Frank Sinatra – My Kind Of Town (Sinatra In Japan)

また、ハリー・ジェームス・オーケストラと録音した「All Or Nothing At All」では、ショービジネスの黎明期に戻ったかのような雰囲気を醸し出してもいる。武道館公演では「Pennies From Heaven」「Come Rain Or Come Shine」(「この曲は今まで歌った曲の中で一番好きなんだ」と語っている)、「Strangers In The Night」などの名曲に加え、低音の効いた「Mack The Knife」、シナトラのダイナミックなベガス・アンセム「Luck Be A Lady」などの素晴らしいバージョンも披露された。また、ジョニー・マーサーとハロルド・アーレンが作曲したサロン・バラードの名曲「One For My Baby」では、シナトラの傷つきやすい一面も垣間見ることができた。

そしてシナトラは、日本のみなさんに向けて「今日は新曲をお届けします」と言ってから、「Theme From New York, New York」を披露した。ジョン・カンダーとフレッド・エブが、マーティン・スコセッシ監督の1977年の映画『ニューヨーク・ニューヨーク』でライザ・ミネリのために作曲したものだが、シナトラは1980年にアルバム『Trilogy: Past Present Future』に自身のヴァージョンを収録している。

Frank Sinatra – New York, New York (Live At Budokan Hall, Tokyo, 1985)

この武道館公演は、80年代半ばのシナトラが、無敵の過去を引き継ぎ、活気に満ちた現在を享受し、さらにその先の未来へと続いていることを示す、記憶に残るパフォーマンスだ。

Written By Charles Waring


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