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クインシー・ジョーンズの助言で生まれたアイザック・ヘイズの全米1位獲得サントラ『黒いジャガー』

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1971年11月は、映画においても、音楽チャートにおいても、ブラックスプロイテーション(黒人観客をターゲットした映画)という新しい現象が注目の的だった。時代的に黒人としての自覚が新たな自信のレベルに到達し、アフロ・アメリカの文化が今までにない影響を与え、その前年に火付け役となった映画『続・夜の大捜査線』に続き、『スウィート・スウィートバック』が好評となった。そこに映画『黒いジャガー』が登場したのだ。

Theme From 'Shaft' – Isaac Hayes

『黒いジャガー』はMGMの映画で、主役のリチャード・ラウンドトリーは、新たなタイプのヒーローである私立探偵ジョン・シャフトを演じた。1971年7月に劇場で公開されるとすぐに成功を収めた。制作費は100万ドルと言われているが、その10倍以上もの興行成績を稼ぎだし大成功となった。この成功の陰には主要ソングライターでアーティスト、そしてブラック・ミュージックの筆頭人の貢献があった。

その成功をもたらした男はアイザック・ヘイズ彼が手がけたサウンドトラック『Shaft(邦題:黒いジャガー)』は、映画公開の数週間後の8月に全米チャート入りし、映画とともに本物のソウル・スーパースターの座へ上り詰める彼の勢いは止まらなかった。アイザック・ヘイズの1970年の2枚のアルバム『The Isaac Hayes Movement』と『…To Be Continued』はともに全米R&Bチャートで1位を獲得していたが、『黒いジャガー』が年間の映画界での大きな出来事になるにつれ、そのアイザック・ヘイズが作り上げたサントラにも同様の効果がでるようになった。

「ジョン・シャフトという存在によって、ついにジェームズ・ボンドの黒人版のヒーローが登場したんだ」とアイザック・ヘイズはビート・インストゥルメンタル誌に語った。「映画『黒いジャガー』は黒人の視点から物事を捉えているし、ありのままを伝えている」。さらに、スタックス・レコードの共同オーダーのアル・ベルがアイザックをこの映画のサントラの担当としてMGMに薦めたことに不安を覚えたが、尊敬するプロデューサーに相談し、その気持ちを和らげてもらったと語った。

「最初は自信がなかったんだ」と振り返る。「でもクインシー・ジョーンズと話して、やってみればいいと励まされて。実際は原作も台本も読まなかったけど、撮り終えたばかりの映画の素材を見た時、完全にやる気になっていたよ」。

1971年11月6日、『Shaft』は全米アルバム・チャートで1位を獲得し、その過程ではジョン・レノンの『Imagine』をトップの座から下ろした。その2週間後、アルバムからのシングル「Theme From Shaft(邦題:黒いジャガーのテーマ)」も全米シングル・チャートで1位を獲得し、シングルとアルバムともにグラミー賞を受賞、さらにテーマ曲はオスカー賞の最優秀オリジナル・ソングを受賞した。黒人私立探偵が、アイザック・ヘイズをトップへと導いたのだ。

Written by Paul Sexton



ソウル&ポップのスーパースター、アイザック・ヘイズ『黒いジャガー(原題:Shaft)』のスコアで大成功

アイザック・ヘイズ『Shaft』

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