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ザ・ローリング・ストーンズのベスト・コラボレーション・トップ10

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Rolling Stones and Florence Welch - Photo: Andrew Timms

優れたバンドには必ず、かけがえのない仲間や重要なコラボレーターがいるものである。ザ・ローリング・ストーンズの面々は60年に亘りロック界の最前線で活躍し続け、唯一無二のキャリアを築き上げてきた。だが彼らがそうしてこられたのも、同業の仲間たちからの助力あってこそだ。ストーンズはこれまでに一流のミュージシャンたちと、素晴らしいコラボレーションを果たしてきたのだ。

グループの仲間内だけを見ても、ボビー・キーズ、ビリー・プレストン、ニッキー・ホプキンスといったお馴染みの顔ぶれや、非凡なプロデューサーたちが長きに亘り際立った貢献をしてきた。また、チャック・リーヴェル、ブロンディ・チャップリン、バーナード・ファウラー、リサ・フィッシャーら、長年のツアー・メンバーたちの活躍も見過ごすことはできない。

しかしこの記事では、ライヴとスタジオのいずれかでストーンズの歴史に名を刻んできた10名のゲスト・ミュージシャンを取り上げたい。

また、2023年に発売された最新アルバム『Hackney Diamonds』にはレディー・ガガや、エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダーなども参加しているが、本稿では最新アルバム以前までのものをまとめている。

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The Rolling Stones & Lady Gaga – Sweet Sounds Of Heaven (Live from Racket NYC)

 

10位「Wild Horses」with フローレンス・ウェルチ (ロンドン・スタジアム/2018年5月22日)

これは非常に高い評価を受けた2018年の母国凱旋ツアーの一幕で映像に残されたほか、『Honk』のデラックス・エディションにも収録された演奏だ。同公演でミック・ジャガーは、フローレンス・アンド・ザ・マシーンのシンガーとともに『Sticky Fingers』収録の名曲を歌い上げた。

The Rolling Stones – Wild Horses (Live At London Stadium / 22.5.18) ft. Florence Welch

 

9位「Little Red Rooster」with トム・ウェイツ (オラクル・アリーナ、オークランド/2013年5月5日)

1960年代後半から現在に至るまで、ストーンズはステージにゲストを迎え続けてきた。それはオープニング・アクトを務めたアーティストであることもあれば、一度きりの驚くようなコラボ相手であることもあったが、”リックス・ツアー”のこの一夜で彼らはトム・ウェイツと共演した。

トム・ウェイツはまるでハウリン・ウルフ本人が乗り移ったかのように、ブルースのスタンダード・ナンバー「Little Red Rooster」を特徴的な唸り声で歌い上げた。

なお、ストーンズの面々は1964年に同曲を英チャートのトップに送り込んでいる。

The Rolling Stones & Tom Waits – Little Red Rooster – Live in Oakland

 

8位「One Hit (To The Body)」with ジミー・ペイジ (『Dirty Work』収録/1986年)

そのウェイツが1986年のアルバム『Dirty Work』にバック・ヴォーカルで参加していることは忘れられがちだ。それは、同作からの2ndシングル「One Hit (To The Body)」でジミー・ペイジがソロを弾いているという事実もまた同じである。彼はスタジオに滞在した短い時間で、このソロをテープに吹き込んだのだという。

気ままな遊び心を大切にすれば素晴らしいことが起こる、とストーンズはこれまでに何度も証明しているが、この演奏もその一例である。

One Hit (To The Body) (Remastered)

 

7位「As Tears Go By」with テイラー・スウィフト(ユナイテッド・センター、シカゴ/2013年3月13日)

記憶に残るこのゲスト出演が実現したとき、テイラー・スウィフトは21世紀を代表するスターとしての地位を確かなものにしていた。だが、魅力溢れるライヴ映像からわかるように、現代のアイドルもストーンズを前にすると恐縮してしまうものなのだ。

テイラーは、ミックとキース・リチャーズ、そしてアンドリュー・ルーグ・オールダムの3人が1964年にマリアンヌ・フェイスフルへ贈った1曲をジャガー本人とともに歌い上げた。

The Rolling Stones & Taylor Swift – As Tears Go By – Live in Chicago

 

6位「Harlem Shuffle」with ボビー・ウォーマック (『Dirty Work』収録/1986年)

こちらも『Dirty Work』の収録曲で、ストーンズが長年の友人に恩返しをした1曲だ。ボビー・ウォーマックはいまから40年以上前に、彼らにとって初の全英ナンバー・ワン・シングルとなった「It’s All Over Now」を共作した張本人だったのである。

この「Harlem Shuffle」はボブ&アールのヒット曲を巧みにカヴァーしたものだが、ウォーマックはソウルフルな彼らしい歌声でそこに華を添えている。

Harlem Shuffle (Remastered 2009)

 

5位「Honky Tonk Women」with シェリル・クロウ (マディソン・スクエア・ガーデン、ニューヨーク/2003年1月)

117公演に及ぶ”リックス・ツアー”は、ストーンズの40周年を記念しての一大行事の一環として行われた。そのステージには観客を沸かせる豪華ゲストも出演したが、同ツアーの北米日程の多くで前座を務めていたシェリル・クロウもその一人だ。

彼女は「Honky Tonk Women」のエネルギッシュなライヴ・ヴァージョンで、ジャガーを完璧に引き立ててみせた。その音源は現在、複数フォーマットでリリースされたアルバム『Licked Live In NYC』で聴くことができる。

Honky Tonk Women (Live)

 

4位「Everybody Knows About My Good Thing」with エリック・クラプトン (『Blue & Lonesome』収録/2016年)

これも、偶然と気ままな遊び心によって実現した奇跡の名演である。マーク・ノップラーの所有するロンドン西部のブリティッシュ・グローヴ・スタジオでストーンズの面々が『Blue & Lonesome』を制作していた際、ちょうどスタジオの隣の部屋でアルバム『I Still Do』を録音していたのが、ほかならぬ彼らの旧友、エリック・クラプトンだったのだ。

結果としてクラプトンは、『Blue & Lonesome』の2曲にゲスト参加。この久々の再会はキース曰く「かつてのリッチモンドでの日々のようだった」という。

Everybody Knows About My Good Thing

 

3位「Everybody Needs Somebody To Love」with ソロモン・バーク (ウィルターン・シアター、ロサンゼルス/2002年11月4日)

ストーンズの面々はいつだって、自らに影響を与えたアーティストたちへ感謝を伝えることを忘れなかった。その影響源とはつまり、米国のブルース/ソウル界を切り拓いてきた先駆者たちである。というのも、ストーンズはそうしたミュージシャンたちの音楽を自分たちなりにアレンジし、米国をはじめとする世界各国へ発信して成功を手にしたのだ。

1965年作『The Rolling Stones No.2』のオープニング・ナンバーの共作者であるソロモン・バークもその一人で、このライヴでは御大自らが同曲でストーンズとの共演を果たしている。

The Rolling Stones & Solomon Burke – Everybody Needs Somebody (Live) – Official

 

2位「Gimme Shelter」with メリー・クレイトン (『Let It Bleed』収録/1969年)

数々のシンガーがゲストとしてザ・ローリング・ストーンズの楽曲を彩ってきたが、その中でも特に長く愛され続けている名演を残したのは、当時ほとんど無名だったアーティストである。そして、そのソウルフルな歌声はスーパースターとしての人気を得るに相応しいものだったが、残念ながら彼女はそうはならなかった。

『Let It Bleed』の収録曲である「Gimme Shelter」が時代を代表する重要曲となったのは、楽曲に緊張感をもたらしたメリー・クレイトンの見事な歌声のおかげなのである。

Gimme Shelter

 

1位「Hoochie Coochie Man」with マディ・ウォーターズ (チェッカーボード・ラウンジ、シカゴ/1981年11月22日)

ストーンズの面々は自らの影響源にオマージュを捧げることもあれば、原点にそのまま立ち返ることもある。ミック、キース、ロニー・ウッドの3人は、1981年にシカゴのクラブで生涯の思い出になる一夜を過ごした。その特別なステージで彼らが再会したのは、”ザ・ローリング・ストーンズ”という名前の由来となったシングルを1950年にチェス・レコードから発表した人物だったのである。

映像にも残された同ライヴで当のマディ・ウォーターズは、誇らしげな父親のような表情で椅子に座ったままパフォーマンスをしてみせた。

Muddy Waters & The Rolling Stones – Hoochie Coochie Man (Live At Checkerboard Lounge)

Written By Paul Sexton



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