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“デューク・エリントンの最も素晴らしい作品のひとつ”『Duke Ellington Meets Coleman Hawkins』

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マリリン・モンローが亡くなった2週間後。そして反人種差別主義のデモ行進に参加し捕まったマーティン・ルーサー・キングが釈放された1週間後。コールマン・ホーキンスを含むデューク・エリントン・オクテットは1962年8月18日にニューヨークのレコーディング・スタジオにてインパルス!レコードから発売されるアルバム制作に取り掛かった。当時のインパルス!レコードはまだ新しいレーベルで、1961年前半に4枚のアルバムだけをリリースしていた。

デューク・エリントンとコールマン・ホーキンスに協力したのはレイ・ナンス(コルネット、バイオリン)、ローレンス・ブラウン(トロンボーン)、ジョニー・ホッジス(アルトサックス)、ハリー・カーニー(バリトン・サックス、ベース・クラリネット)、アーロン・ベル(ベース)、サム・ウッドヤード(ドラム)。素晴らしいメンバーの集まりで、ニューヨーク・タイムズ紙は、“デューク・エリントンの最も素晴らしい作品のひとつ、コールマン・ホーキンスの最も素晴らしい作品のひとつ、そして1960年代の最も素晴らしい作品のひとつ”と評している。

30年以上デューク・エリントンのファンであったコールマン・ホーキンスだったが、最初のそして唯一、一緒にレコーディングした作品となった。デューク・エリントンが作った曲もある、古い曲と新しい曲の両方が収録されたアルバムには 、バンド・リーダーで長い付き合いのあるサクソフォン奏者ジョニー・ホッジスが作成した曲が2曲収録されている。

エリントン/ホッジス共作の「Wanderlust」はアルバムのハイライトの1つであり、本領を発揮したそのブルース調のジャズでは、アルバム全体でもそうであるようにレイ・ナンスが特に輝いている。そうは言っても情熱に溢れた「The Jeep is Jumpin’」も同様に素晴らしく 、気持ちよく発展していく優雅さはこの曲を卓越したトラックに仕上げている。

コールマン・ホーキンスのニックネームのひとつでもある“Bean”がタイトルにつけられた「Self Portrait (of the Bean)」は崇高で、美しくはっきりとした落ち着いたジャズ・トラックである。アルバムは豪華なスタンダード「Solitude」で締めくくられ、ナンスの心地よいバイオリンで始まる曲は5分51秒のところでジャズの純粋な美しさを披露している 。

更にこの作品にはデューク・エリントン自身の才能が輝いている。彼はジャズ界の博識家と呼ばれており、このアルバムでは作曲者とバンド・リーダーとしての才能が発揮されており、決して見過ごすことはできない作品だ。ニューヨーク・タイムズ紙は正しかった。

Billboard誌は1963年1月にリリースされた『Duke Ellington Meets Coleman Hawkins』にスペシャル・メリットのステータスを与え、“これはコレクターのための作品。デューク・エリントンの新作ではビッグな楽団員が揺るぎない存在のコールマン・ホーキンスと演奏している”と称賛。それは真実であると同時に、作品はそれ以上の存在でもある 。


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