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極上のオープニング曲、カウント・ベイシーの『April In Paris』
リリースからすぐに傑作だと称賛された理由は、アルバム・タイトル・トラックの最初の何小節かを聴けばすぐに納得できるだろう。カウント・ベイシーの『April In Paris』のタイトル・トラックはオープニング・トラックでもあり、そのビッグ・バンドが届ける極上の曲はどのアルバムのオープニング・トラックよりも最高のものとなっている。
このアルバムのレコーディングは、最初は1955年の7月、それから1956年の1月4日と5日という3日間をかけて行われた。この作品は、ノーマン・グランツが1955年クリスマスに設立した新レーベル、ヴァーヴ・レコードから発売された初期のアルバムの1枚だった。
スウィングが溢れ出るアルバムは、ジャズ愛好者とスウィング時代を代表する最高のバンドのひとつを再び繋ぐ手助けをした。そしてこのアルバムには過去に頼る部分が何もなかった。活気、優雅さ、洗練、そしてモダンという要素で生き生きとしていたのだ。
カウント・ベイシーはオルガンとピアノを弾き、リズム・セクションのエディ・ジョーンズのベースと、ソニー・ペイン(ドラムス)の演奏が控え目な激しさでアルバム全体を推し進めるする。ジャズ、そして多くのジャンルでリズム・ギターの大切さを確立したフレディ・グリーンを称えたくなる。彼は滅多にソロ演奏はしなかったが、カウント・ベイシーのバンド・メンバーとして活躍した50年間に数多くのレコーディングで数多くの演奏を注ぎ込んできた。ハーモニーのセンスの良さとドラマーと響き合う才能はユニークで特別なものである。
4人のトランペット、3人のトロンボーン、そして2人のアルト、2人のテノール、1人のバリトン・サックスを含むブラスはどの曲でも素晴らしく、この作品を歴史上最も素晴らしいビッグ・バンドのアルバムの1枚に仕上げている。アルバム・タイトル・トラック「April In Paris」はクレフ・レコードから1956年にシングルとして発売され、ダウン・ビート誌はレヴューでこう書いている。「ワイルド・ビル・デイヴィスがアレンジを手掛けた‘April In Paris’はカウントの作品の中では最も人気の高い曲である…バンドのライヴ演奏を毎晩聴きたいと思う人にはこれはうってつけのものだ」。
アトランティック・マンスリー誌のフランシス・ドレイクによると、「リハーサルではいつもベイシーが楽譜の中から余分なものを全部鉛筆で消していた。ジャズ・ファンがほとんどベイシーの特許品と言ってもいいスウィングと呼ぶ言いようのない興奮を得るためには不必要なものだったのだ」。
Written By Richard Havers