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クイーンの全英チャート初登場曲「Seven Seas Of Rhye / 輝ける7つの海」
1974年3月9日、クイーンはあることを初めて成し遂げた。それは今では彼らが54回もやっていることである。彼らはその日、シングル「Seven Seas Of Rhye(邦題:輝ける7つの海)」を45位と控えめの順位ではあるが、全英チャートに初登場させたのだ。それは延べ440週、つまり8年半もの間シングル・チャートに名を刻むことになる彼らの記念すべき初めての週だった。
同曲は彼らのブレイクのきっかけになっただけでなく、バンドの力強いロック・サウンドの典型としてもクイーン史上で重要な役割を果たしている。だがロジャー・テイラーは1975年のレコード・ミラー誌の取材で、この曲がこれほどの成功を収めるとは思っていなかったと話している。彼はチャート・インしなかったデビュー・シングル「Keep Yourself Alive(邦題:炎のロックン・ロール」の方が受けると考えていたのだ。
「誰の耳にもキャッチーな‘Killer Queen’を除いて、僕らのシングルが大衆受けすると思ったことはないよ。だから‘Seven Seas of Rhye’がヒットしたとき、驚いたんだ。アルバムのプロモーションとしか考えていないシングルだったからね。‘Keep Yourself Alive’がよほど大衆向けだと思っていた。でもきっと、何が売れるかわからないのは僕らにとっていいことなんだろう。シングル選びに縛られることがないからね」。
「Seven Seas of Rhye」がチャートに入ると、同作を収録した新作『Queen II』も相乗効果で順位を上げていった。同シングルは45位の初登場の後、30位、15位と浮上。一度はそこで失速するかと思われたものの、4月中旬には最高位10位を記録している。一方のアルバム『QueenII』は35位に初登場し、2週間後にはトップ10入りを果たし最高位は5位となった。クイーンはヒットを量産していく足がかりを着実に掴んでいた。
Written by Paul Sexton
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