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カート・コバーンとニルヴァーナ永遠の名曲「Smells Like Teen Spirit」
カート・コバーン(Kurt Cobain)は、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、レッド・ツェッペリンと同様に、音楽を永遠に変えた数多くのレジェンド・アーティストの一人だ。ニルヴァーナのセカンド・アルバム『Nevermind』はポピュラー音楽史における画期的な作品であり、「Smells Like Teen Spirit」はそこから突如として現れた。
晩年、カート・コバーンはヘロイン中毒、双極性障害などの慢性的な健康問題と闘っていた。また、自身の名声とパブリック・イメージ、そして妻でミュージシャンのコートニー・ラブを取り巻く仕事上および生涯にわたる個人的なプレッシャーに対処することにも苦しんでいた。
1994年4月8日、カートはシアトルの自宅で遺体で発見され、公式にはショットガンによる頭部自傷による自殺として報告されたが、27歳という若さでこの世を去ったカート・コバーンの死の真相は、世間の関心と議論の的となった。バンドのデビュー以来、カート・コバーン率いるニルヴァーナは、全米で2,500万枚以上、全世界で5,000万枚以上のアルバム・セールスを記録している。
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「Smells Like Teen Spirit」が出来るまで
1991年、アメリカで発売されたニルヴァーナの『Nevermind』は、同年後半にシングル「Smells Like Teen Spirit」が予想外の成功を収めたことから、1992年初頭に全米チャート1位を獲得し、オルタナティヴ・ロックがメインストリームに躍り出た歴史的瞬間となった。
カート・コバーンが「Smells Like Teen Spirit」を書き始めたのは、1991年に『Nevermind』のレコーディングが始まる数週間前のことだった。彼が最初にこの曲のメインのリフとサビのヴォーカル・メロディをバンドメイトに披露した時、ベーシストのクリス・ノヴォセリックは「ばかげてるな」と一蹴。しかしカートはバンドにリフを何度も何度も演奏させ、バンドメンバーが揃ってリフを速くしたり遅くしたりすることで、演奏にメリハリが生まれるようにした。その結果、この曲は『Nevermind』の中で唯一、3人のバンド・メンバー全員が共同作曲者としてクレジットされた曲となっている。
カート・コバーンがこの曲のタイトルを思いついたのは、当時“ライオット・ガール”ムーブメントの先駆者でフェミニストによるパンク・ロック・バンド、ビキニ・キルのリード・ヴォーカル、そしてカートの友人でもあったキャスリーン・ハンナが彼の部屋の壁にスプレーで“Kurt Smells Like Teen Spirit”と描いたことがきっかけだった。
彼らはよくアナキズム、パンクロック、それに関連する話題について議論していたこともあってか、カートはこのフレーズに革命的な意味を見出した。しかし、ハンナが実際に言いたかったのは、カートは当時ガールフレンドだったトビ・ベールがつけていたデオドラント剤「ティーン・スピリット」のような匂いがするということだった。
カートは後に、このシングルがリリースされた数ヵ月後まで、それがデオドラントのブランドだとは知らなかったと主張している(デオドラントの売り上げは急上昇し、グランジ・ファンはもはや臭くなかったと言われている)。
驚異的なヒット
1991年後半「Smells Like Teen Spirit」が予想外のヒットを記録し、1992年初頭、『Nevermind』は全米チャートのトップに躍り出た。「Smells Like Teen Spirit」はニルヴァーナの最初にして最大のヒット曲であり、全米シングル・チャート(Billboard Hot 100)で6位を記録し、1991年から1992年にかけて世界各国のチャートを席巻した。
さらに、混乱と暴動で終わるスクール・コンサートをコンセプトにした同曲のビデオは、MTVビデオ・ミュージック・アワードで2部門を受賞し、音楽番組でヘビーローテーションされ、2000年には“MTVヨーロッパで最もプレイされたビデオ”としてギネス認定された。
1991年、ニルヴァーナがBBCの人気番組“トップ・オブ・ザ・ポップス”で行った「Smells Like Teen Spirit」のTVパフォーマンスはとりわけ世間の注目を集めた。バンドは事前に録音されたバックトラックに合わせてパフォーマンスをすることを拒否し、カート・コバーンはわざと低い声で歌って笑いを誘った。
さらにカートはテレビでの演奏中に曲中の歌詞も変えていた。例えば、「銃をかき集めて友だちを連れて来い/Load up on guns, bring your friends」は「ドラッグをかき集めて友だちを殺せ/Load up on drugs, kill your friends」に。後にカートはこのパフォーマンスを振り返り、自らのヒーローの一人である元ザ・スミスのフロントマン、モリッシーのような声を出そうとしていたと語っていた。
残り続けるレガシー
ニルヴァーナは、「Smells Like Teen Spirit」で得たあまりにも大きな成功と注目に対して不快感を募らせるようになったが、カート・コバーンの死後、リスナーや批評家たちは「Smells Like Teen Spirit」を史上最高のロック・ソングとして賞賛し続けている。
2005年、ワシントン州アバディーンに、カート・コバーンへのオマージュとして、セカンド・シングル「Come As You Are」にちなんで「Welcome to Aberdeen: Come As You Are」と記された標識が立てられた。この標識は、2004年5月にカート・コバーンを追悼するために設立された非営利団体“カート・コバーン・メモリアル委員会”が費用を負担し、作成したものだ。同委員会は、アバディーンにカート・コバーン記念公園と青少年センターを作ることを計画していた。
カートは火葬され、彼の遺骨はワシントンのウィシュカ川に散骨されたため、現在でも多くのニルヴァーナ・ファンが、ワシントン湖畔のカートのかつての自宅近くにあるヴィレッタ・パークを訪れ、追悼を捧げている。また、彼の命日にはファンが同公園に集まり、彼の人生と思い出を祝う集会が行われている。
ニルヴァーナ『Never Mind』
1991年9月24日
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