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29才10か月でのデビュー曲が大ヒット:チャック・ベリーの「Maybellene」

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チャック・ベリーはレコーディング・アーティストとしては遅咲きだったかもしれないが、その遅れた時間を十分に取り戻したという一言では片付けられないほど、ロックン・ロールに影響を与えた人物だ。30歳になる2か月前の1955年8月20日、チェス・レコードから初のシングル「Maybellene」が全米チャートへのデビューを果たすと同時に、いろいろな意味でひとつの時代を築いたと言える。

セント・ルイス出身で、グラミーの殿堂入りも、ロックン・ロールの殿堂入りも果たしているこの素晴らしいシンガーでありライター、そしてギタリストが作った曲は、長い間ロックン・ロールの歴史の定番になった。2004年にローリング・ストーン誌が172人の音楽業界のプロへのアンケートを行った結果、今までで一番好きな曲の問いに対して、「Maybellene」はトップ20入りの16位を記録している。

Maybellene label

「Maybellene」が発売された1955年は、まだチャック・ベリーが音楽キャリアでの成功を求めて活動してから数年しか経っていない頃で、その後の自身のサウンドのキーとなるピアニスト、ジョニー・ジョンソンのバンドで下積み生活をしていた。チャック・ベリーがマディ・ウォーターズに会ってチェス・レコードの門を叩いてからたった数日で、チャック・ベリー・&ヒズ・コンボとクレジットされることになる2人は「Maybellene」のレコーディングを開始した。

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7月にリリースされ、時間を無駄にすることなく、8月6日にはR&Bチャート入りを果たした。この楽曲がポップフィールドでも当たる可能性もすぐに見出され、ジム・ロウ、ジョニー・ロング・オーケストラ、そしてラルフ・マーテリー・オーケストラにすぐにカヴァーされた。ジム・ロウのヴァージョンは1週間ポップ・チャート入りしたが、チャック・ベリーがその栄光の全てをかっさらうほど、チャック自身のヴァージョンが売れに売れた。「Maybellene」は全ての人々を魅了したのだ。

Billboard誌のBest Sellers In Stores(小売店におけるベストセラー)で同シングルが13位に達した頃、チャック・ベリーはアメリカ・ツアー中で、アトランタ、クリーヴランド、そしてブルックリン・パラマウントでのライヴを行った。その後「Maybellene」はポップ・チャート5位を記録し、最初にそのチャートに現れてから、R&Bチャートでは11週トップを飾った。あまりに魅力的だったこのレコードは、1曲のみならず、2曲のアンサー曲を生んだ。ジョン・グリアとジャンプ・ブルーズのピアニスト、マーシー・ディーがともに「Come Back Maybellene」と題してリリースした。

Written by Paul Sexton



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