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戦時中黒人のみで編成された航空部隊をインスパイアしたナット・キング・コールのヒット曲

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ナット・キング・コールがアメリカ、そして世界中のソロ・ヴォーカリストとして第一人者に成る前、ナット・キング・コール・トリオを代表する楽曲があった。それは、タスキーギ・エアメン(黒人のみで編成された航空部隊)として知られるようになった第2次世界大戦で闘ったアフリカ系アメリカ人軍のパイロットをもインスパイアし、のちにグラミーの殿堂に認定された。毎年2月の黒人歴史月間として、「Straighten Up And Fly Right」を振り返ってみよう。

ナット・キング・コールは1939年、20代前半の時に、ギタリストのオスカー・ムーアとベースのウェスリー・プリンス(のちにジョニー・ミラーに代わる)と共にキング・コール・トリオを結成し、すぐにその評判は舞い上がった。キャピトル・レコードと契約し、1942年11月に「That Ain’t Right」で全米チャート・デビューし、Billboard誌のハーレム・ヒット・パレードに入り、1週間トップを記録した。

 

そのシングルはポップ・チャートへクロスオーヴァーすることはなかったが、キング・コール・トリオは1943年後半に「All For You」でわずかながらポップ・チャートに初めて登場した。それは、リズム&ブルースでもトップを達成した。しかし、次のリリース「Straighten Up And Fly Right」が他のどの作品の記録をも上回る結果を達成した。

「Straighten Up And Fly Right」はナット・キング・コールと作詞家、出版者、プロモーターであるアーヴィング・ミルズが共作し、1943年後半に公開されたアル・ピアース主演のコメディー・ミュージカル映画『Here Comes Elmer』のサウンドトラックに収録されたことで、良い出だしとなった。この楽曲は、1944年4月にR&Bチャートとポップ・チャート共にランクインし、ハーレム・ヒット・パレードで3作連続の1位を達成し、ポップ9位と成功を遂げた。

楽曲の印象深いタイトルを、Billboard誌は「最も新しいハーレムのキャッチ・フレーズで大ヒット」や「すぐに広まるライヴ楽曲」と称賛。歌われる歌詞は「お腹を空かせたハゲタカと猿が “豪華な食事”になること以外のことを考えている空想の物語」に基づいている。

2か月以内にアンドリューズ・シスターズのデッカのヴァージョンもベストセラーとなり、その後1961年のロイド・プライス、マーヴィン・ゲイ(1965年)、リンダ・ロンシュタッド(1986年)、1991年のナット・キング・コールの娘のナタリー・コール、そして1993年にダイアナ・クラールと、数々のアーティストがその後にカヴァーを発表した。ロビー・ウィリアムスも2001年のマルチ・プラチナ・アルバム『Swing When You’re Winning』に収録し、ジョージ・ベンソンは2013年のリリース『Inspiration – A Tribute To Nat ‘King’ Cole』に収録した。

「Straighten Up And Fly Right」の評判は瞬時に、そして広く行き渡り、アメリカ空軍の第332戦闘部隊と477爆撃部隊の隊員、通称タスキーギ・エアメンの軍隊召集のシンボルとなった。戦へ出向く中、一人の隊員が「Straighten up…」と始めると、もう1人が「…and fly right」と続けるのだ。このナット・キング・コールの予想外の戦争への尽力は、1995年のローレンス・フィッシュバーン主演のHBO映画『The Tuskegee Airmen』の中でも再現されている。

Written by Paul Sexton


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