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ノラ・ジョーンズ『Not Too Late』で獲得した3度目の驚異的ヒット
ブルーノート・レーベル新世代のアーティストの中で最も大きな成功を収めた歌手ノラ・ジョーンズは2007年2月17日にハットトリックを決めた。2001年のデビュー・アルバム『Come Away With Me』は、全世界での売上総計2,600万枚という驚異的な大ヒット作になった。その3年後に出た『Feels Like Home』もまた、世界各国のチャートで1位を獲得。そしてサード・アルバムの『Not Too Late』でも、二度あることは三度あるということを証明してみせた。発売1週目にして、このアルバムは40万5,000枚を売り上げ1位を獲得している。
洗練された控えめなスタイルとアプローチであっても、評論家からの高い評価と商業的な成功の両方を獲得できる、とノラ・ジョーンズはそれを自身の作品で証明してきた。プロデューサーのリー・アレクサンダーと組んだ『Not Too Late』でもその点は変わらない。アンカット誌のCD評には以下のような一文がある。「この『Not Too Late』で特に驚かされるのは、ジョーンズとアレクサンダーの自信の大きさだ。楽曲もけだるい歌声も、聴き手の興味を惹き付けてやまないはず。そんな自負が感じられるのだ」。
しかも、彼女は、そうした成功をヒット・シングルなしに成し遂げている。シングルがヒットした国も確かにあるが、どの国もそうだったわけではないのだ。このアルバムから最初にシングル・カットされた「Thinking About You」は、ベルギー、イタリア、ポルトガル、スペインでトップ10に入った。またBillboard誌のジャズ・チャートでもトップ10ヒットを収めている。しかし全米シングルチャートでは最高82位にしか達していない。
それでもノラ・ジョーンズには大勢のファンがついていた。それゆえ、このアルバムはまたもや爆発的なヒット作になったのである。全米チャートをまたたく間に駆け上がり、R&B/ラップ・グループのプリティ・リッキーのアルバム『Late Night Special』から1位の座を奪取。そのあとはフォール・アウト・ボーイの『Infinity On High』と首位を奪い合い、計6週、1位を記録している。『Not Too Late』は15ヶ国以上のチャートで首位をマークし、アメリカの年間ベストセラー・アルバムのランキングでも10位に輝いている。
Written by Paul Sexton
- ノラ・ジョーンズ アーティスト・ページ
- 多くの人を魅了したノラ・ジョーンズのデビュー・アルバム
- 二作目のジンクスとは無縁だったノラ・ジョーンズ
- ノラ・ジョーンズがたどり着いた『Day Breaks』というジャズの原点
ノラ・ジョーンズ『Not Too Late』
ノラ・ジョーンズ『Begin Again』
2019年4月12日発売
CD / アナログ / iTunes