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ベスト・オブ・ディズニー・サウンドトラックTOP13:『白雪姫と七人の小人たち』から『リメンバー・ミー』まで
約80年前に、映画『白雪姫と七人の小人』の音楽のための世界初となる商業的なサウンドトラックがリリースされてからずっと、新作のディズニー映画を取り囲む期待は、見事なアニメーションと同じく音楽にも寄せられている。映画『ジャングル・ブック』の「The Bare Necessities」や『アラジン』の『A Whole New World』といった世界から敬愛されたヒット作品は世代を超えて愛されている。ここ何年も、ディズニーのサウンドトラックはエルトン・ジョンやフィル・コリンズといったアーティストたちを引き付けてきた。映画と音楽業界両方から正当な喝采を浴び、ディズニーは新作の映画ごとにグラミー賞、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞を獲得してきた。
ディズニーのヒット曲の長い歴史の中で、私たちの感情と耳をターゲットに完璧に調整された最新の曲は、彼らの最新映画『モアナと伝説の海』からの代表曲である「How Far I’ll Go(邦題: どこまでも)」だ。ではこれから、80年の歴史に刻まれたディズニーのベストな瞬間を振り返っていこう。
1. 「Un Poco Loco」(『リメンバー・ミー』、 2017年) ※日本公開は2018年3月16日
ディズニーの最新作『リメンバー・ミー』はメキシコの死者の日をベースに描かれた3Dアニメーションである。 そのプロットは、ミゲル・リヴェラという12歳の少年が、死者の国で自分自身を見つけ、彼のひいひいおじいちゃんである伝説のミュージシャンの助けを借りながら、元の世界へと帰る話だ。もちろん、ミゲルと彼の死者の先祖たちが多くのキャッチーなヒットを披露しなければ、ディズニー映画とはいえないだろう。実際に彼等が披露することで、我々はそれ以上の幸せを享受することになる。すべてのラテン系キャストが届けてくれた素晴らしいサウンドトラックは、マイケル・ジアッキーノによるスコアだ。また「Un Poco Loco」はジャーメイン・フランコとエイドリアン・モリーナが手がけている。
2.「Part Of Your World 」(『リトル・マーメイド』、1989年)
「Part Of Your World」は、人間の世界に入りたいというアリエルの欲望を歌ったバラード曲だったが、映画の中ではほぼ使われなかった。テスト上映中、この曲を流したシーンの間で観客席にいた幼児がぐずぐずし始め、騒ぎ立て始めたのだ。そこでかつてのディズニー最高経営責任者だったジェフリー・カッツェンバーグが、この曲を短縮するか、もしくはカットするように指示。しかしながら、この曲の作曲家だったアラン・メンケンと作詞家のハワード・アッシュマンは映画が最終的に完成されるまでこの件について抵抗した。2度目のテスト上映では、色付けされ、洗練された映画となり、新たな視聴者たちは曲を気に入り、「Part Of Your World」が引き続き使われたことを喜んだ。この曲のオリジナルバージョンはジョディ・ベンソンによって歌われ、初期の一般上映のとある回では拍手喝采を浴びた。
3.「Let It Go」(『アナと雪の女王』、2013年)
『アナと雪の女王』の「Let It Go」の現象を昔も、今も、そして多分これからも言い表わせる言葉は見つからない。曲のタイトルを見るとすぐに、大きな声で歌うコーラスが頭の中に聞こえてくるだろう。2人組の作詞作曲家、クリステン・アンダーソン・ロペスとロバート・ロペス夫婦によって書かれたこの曲は、映画の中でエルザ役を務めた、女優そして歌手のイディナ・メンゼルによって歌われた。映画のエンディング・ロール用に、よりポップなショート・ヴァージョンはデミ・ロヴァートによってレコーディングされている。
「Let It Go」は2014年のアカデミー賞で最優秀楽曲を受賞、2015年のグラミー賞では最優秀主題歌賞を受賞、そして全米シングル・チャートで5位に到達した。今ではYouTubeで9億を超える再生回数を誇るヒットとなり、世界は「Let It Go」の吹雪を止めることはできなかった。
4.「Can You Feel The Love Tonight(邦題: 愛を感じて)」(『ライオン・キング』、1994年)
映画『ライオン・キング』を象徴するバラードはエルトン・ジョン作曲、ティム・ライス作詞によるもの。この曲は映画の変更に対応するために15回も書き直されたと噂されている。最初はシンバとナラが出会う前に登場する予定だったが、ティモンとプンヴァの曲として一時は予定されていたシンバとナラの再会のシーンに起用された。
映画に使用されたこの曲の最終ヴァージョンはクリストル・エドワーズ、ジョセフ・ウィリアムズ、サリー・ドワースキー、ネイサン・レイン、アーニー・サベラによって歌われた。エルトン・ジョンが歌ったヴァージョンはエンド・ロールに登場、この曲で彼はグラミー賞の最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンスを受賞した。また「Can You Feel The Love Tonight」は、1994年のアカデミー賞とゴールデングローブ賞にて 最優秀楽曲賞を受賞した。
5.「How Far I’ll Go」(『モアナと伝説の海』、2016年)
『Moana』はディズニーの最新CGI (computer generated imagery) アニメーションを駆使した、仲間を救うために安全な島を離れる勇敢な少女についての映画。半神半人のマウイ(ドウェイン・ジョンソンが声優)が加わり、外海を横切るアクション満載のアドベンチャーの中でモアナはモンスターや絶望的な戦いに直面する。
「How Far I’ll Go」はモアナの曲で、ディズニーにアンセムとして期待通りの意欲を引き出し、気持ちを奮い立たせてくれる曲だ。トニー賞、そしてグラミー賞受賞のソングライター兼作曲家であるリン・マニュエル・ミランダが書いたこの曲は、冒険心を求めつつ、かつてのクラシックな90年代のディズニー・ソングのような感じに現代的な方式を取り入れている。アウリイ・クラヴァーリョはこのシングル曲の映画ヴァージョンを歌い、エンディング・ロールでは別のヴァージョンをカナダ出身のシンガー・ソングライター、アレッシア・カーラが歌っている。マルチ・プラチナとなったシングル曲「Here」や「Wild」で知られるアレッシア・カーラはジューノ賞で最優秀新人賞を受賞、また2016年度のアメリカン・ミュージックアワードでも年間最優秀アーティストにノミネートされた。
6.「A Whole New World」(『アラジン』、1992年)
主人公のアラジンとジャスミンの間で歌われるこの代表的なバラード曲、当初はブラッド・ケインとリア・サロンガによって歌われていた。この映画のサウンドトラックにより、作曲家のアラン・メンケンと作詞家のティム・ライスはアカデミー賞、ゴールデングローブ賞の最優秀楽曲など次々と賞を獲得、初めて、そして唯一、グラミー賞で最優秀楽曲を受賞したディズニー曲となった。
アラジンのキャラクターを担当したスーパーバイジング・アニメーター、グレン・キーンによると、ディズニーは主役の男性キャラクターを彼らお決まりのプリンスよりもさらに掘り下げて描きたかったそうだ。グレン・キーンには “白雪姫や眠り姫たちが、何故、あんな非現実的な男性像に恋に落ちるのか一生理解できない” そうだ。「A Whole New World」では、いつもの白馬の王子様(この場合は、魔法のじゅうたん)ではなく、アラジンが大胆、勇敢で、愛すべき人物であることを表している。
7.「Beauty And The Beast」(『美女と野獣』、1991年)
アラン・メンケンによる作曲、ハワード・アッシュマンによる作詞によって書かれた「Beauty And The Beast」は当初、映画の中でポット夫人の声を担当したアンジェラ・ランズベリーによってレコーディングされた。しかしながら、自分の声がこの曲を歌うほどもはや強くないことを心配したアンジェラ・ランズベリーは曲をレコーディングすることを躊躇した。ソングライターに他の誰かを見つけるよう勧めたアンジェラ・ランズベリーの提案にもかかわらず、アラン・メンケンとハワード・アッシュマンは “彼女が心に思い描いた通りに” 歌って欲しいとランズベリーを励ました。この曲はのちに、セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンによるポップ・デュエットとしてレコーディングされ、この映画のサウンドトラックから唯一のシングルとしてリリースされた。
8.「I’ll Make A Man Out Of You(邦題: 闘志を燃やせ!)」(『ムーラン』、1998年)
マシュー・ワイルダーによる作曲、作詞家のデイビッド・ジッペルによる歌詞の「I’ll Make A Man Out Of You」は、軍事訓練のモンタージュの間にキャラクター、シャン隊長によって歌われる一曲である。シャン隊長の声を担当していたB・D・ウォンと似た声であることから、シャン隊長のキャラクターとして歌い手にはダニー・オズモンドが選ばれた。オズモンドはかつてディズニーの1997年の映画『ヘラクレス』 のタイトルでもあるヒーローを演じるオーディションを受けている。
9.「You’ll Be In My Heart」(『ターザン』、1998年)
1998年の映画『ターザン』のためにフィル・コリンズが作詞作曲、そして歌った「You’ll Be In My Heart」は映画のタイトルでもあるヒーローの冒険の伴奏として、激しいジャングル・ビートの曲をというディズニーからのリクエストに応じた曲であり、この映画のためにフィル・コリンズが書いた5曲のオリジナルソングのうちの1曲だった。曲の大部分はクリスマス・パーティーにて書かれたと言われており、友人宅でピアノを弾きながら、フィル・コリンズがコードとメロディを包装紙の裏に書き留めた。
10.「Colors Of The Wind」(『 ポカホンタス』、1995年)
最初はポカホンタスの声を担当していた女優のジュディー・クーンによってレコーディングされた「Colors Of The Wind」は、のちにヴァネッサ・ウィリアムスによって再レコーディングされ、シングルとしてリリースされた。作詞家のステファン・シュワルツと作曲家のアラン・メンケンによって書かれたこの曲は、ポカホンタスがキャプテン・ジョン・スミスにアメリカ先住民のアニミズムについて説明し、自然というものは買収されたり、占領されるものではなく、尊重され、保存されるものなのだと彼を説得しようと試みる歌である。「Colors Of The Wind」は、グラミー賞で最優秀楽曲賞映画のみならず、アカデミー賞、そしてゴールデングローブ賞で最優秀楽曲賞賞も受賞した。
11.「Heigh-Ho」(『白雪姫と七人の小人たち』 、1937年)
1938年1月にリリースされ、映画が公開されてから数週間後、『Songs From Walt Disney’s Snow White And The Seven Dwarfs (With The Same Characters And Sound Effects As In The Film Of That Title)』は商業的に初めて発売された映画のサウンドトラックとなった。譜面はポール・J・スミスとリー・ハーラインによって書かれたもので、アルバムに収録された曲はラリー・モリー、フランク・チャーチル、リー・ハーラインらによって書かれたものだった。「Heigh-Ho」は映画の中で最も認識されている曲と言っても過言ではなく、炭鉱の仕事に向かう小人たちが歌う曲である。
12.「The Bare Necessities」(『ジャングル・ブック』、1967年)
テリー・ギルキソンが作曲し、バルー役のフィル・ハリスとモーグリ役のブルース・ライザーマンが歌った「The Bare Necessities」は人生においてもっと単純なことに感謝することについて歌った曲。ウォルト・ディズニーが亡くなる前に彼自身が手がけた最後のアニメーション映画となったディズニーの1967年作品『ジャングル・ブック』からの一曲である。
映画の製作者は当初、映画の中で登場する4匹のコンドルの声をザ・ビートルズに頼みたがっていたが、スケジュールが噛み合わなかったのか、もしくは(もし噂が本当ならば) ジョン・レノンが参加を拒んだかの理由で実現することはなかった。
13.「You Got A Friend In Me(邦題: 君はともだち)」(『トイ・ストーリー』、1996年)
もともとはトイ・ストーリー1のテーマ曲用だった「You Got A Friend In Me」は、全シリーズのテーマソングとなった。ランディ・ニューマンによって書かれ、歌われたこの曲はアカデミー賞、そしてゴールデングローブ賞で 最優秀楽曲賞にノミネートされたものの、もう一つのディズニー代表作『ポカホンタス』の「Colors Of The Wind」に敗れ、賞を2つとも逃した。
Written By Molly Andruskevicius
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