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ビリー・プレストン「That’s The Way God Planned It」:クラプトン、ハリスン、キースらが集結
ビリー・プレストンがリードヴォーカルをとり、キース・リチャーズ、エリック・クラプトン、ジョージ・ハリスンとジンジャー・ベイカーがバックを務めるスーパーグループを想像してみてほしい。ただこれは想像ではなく、実は過去に実現されている。1969年7月2日に全英チャートでデビューを果たしたプレストンのゴスペル・ソウル・ヒットシングル「That’s The Way God Planned It」に彼らは参加しているのだ。
当時プレストンはサム・クック、リトル・リチャード、レイ・チャールズ等との共演で既にキーボードの名手として知られていた。しかし彼が一般的にその名を知らしめたのは、アップル・レコードから自身のソロ・デビューを果たす2ヶ月前にリリースされたザ・ビートルズの「Get Back」へのゲスト参加だった。
キャピトルとの契約から離れ、新人としてザ・ビートルズのレーベルに迎えられたこのテキサス出身のミュージシャンは、「That’s The Way God Planned It」及び同タイトルのアルバムのプロデューサーをジョージ・ハリスンが務めるという熱烈なサポートを受けたのであった。そして8月には、アメリカでのリリースに2週間先駆けてUKでリリースされた。
このシングルでは、キース・リチャーズがベース、ジンジャー・ベイカーがドラムとタンバリン、ジョージ・ハリスンがリード・ギターを務め、エリック・クラプトンがソロを弾き、それぞれの素晴らしいパフォーマンスが収められている。また、同じくアップルと契約したドリス・トロイが常連のマデリン・ベルと共にバッキング・ヴォーカルで参加している。
ビリー・プレストンとザ・ビートルズとの親交は深かった。彼がチャート・デビューを果たした際に受けたNMEのインタビューでは「1962年に、ハンブルグで初めて彼らと出会ったんだ。私はリトル・リチャードのバックを務めていたんだが、彼らは他に出ていた14組のバンドのひとつでしかなかった。彼らは私に「Taste Of Honey」と「Love Me Do」を演奏してくれたんだ。観ないとまずいと思ったグループは彼らだけだった」と語った。
「That’s The Way God Planned It」は初登場42位で全英チャートに入り、1969年8月には最高11位を記録した。さらにオランダとニュージーランドでもトップ20に入るヒットだったが、多くの有名グループ同様、アメリカでは最高で62位までしか到達しなかった。
Written By Paul Sexton