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ソウルフルになったエルヴィス・コステロの4作目『Get Happy』
『Get Happy!!』はエルヴィス・コステロがソウルになったアルバムだ。オールドスクールで由緒あるリズム&ブルースの一種であるソウル・ミュージックは、このニュー・ウェイヴのシンガー・ソングライターの音楽教育において重要な要素であり、それは4枚目のアルバムであり、アトラクションズとの3枚目となる本作でこれまでになく現れていた。
エルヴィス・コステロがすでに2年間はチャートで強い存在感を放っていた中、このアルバムは1980年2月にイギリスでチャート・デビューを果たした。アメリカでのトップ10入りは、1979年の『Armed Forces』で初めて達成。そして3月22日に『Get Happy!!』が全米アルバム・チャートにデビューし、すぐに11位まで上った。
それまでの全てのエルヴィス・コステロのアルバム同様に、この作品もニック・ロウがプロデュースし、アメリカでは再びコロンビアからリリースされたものの、故郷ではF-Beatからデビューを飾った。それは、1979年にエルヴィス・コステロのマネジャーであるジェイク・リヴィエラが設立したレーベルだ。
アルバムからのメイン・シングルは「I Can’t Stand Up For Falling Down」であり、多くのエルヴィス・コステロ・ファンは彼自身が書き下ろした曲だと思っている。しかし、これは1960年代のソウル・アーティスト、ホーマー・バンクスがプロデューサーとアーティスト・マネジャーのアレン・ジョーンズとともに書いた曲であり、1967年にサム&デイヴがレコーディングした楽曲の素晴らしいカヴァーだった。
このカヴァー曲はイギリスで4位とヒットし、それは「Oliver’s Army」が2位を達成した1年後のことであり、エルヴィス・コステロにとってシングル・アーティストとして最も熱い時期だった。その次に続いたのはエルヴィス・コステロのオリジナル曲で、1960年代のR&B独特のスタイルで書かれた「High Fidelity」だ。いろいろな意味で駆け足で上昇していたアルバムの中で、これらの楽曲はその存在を確かなものとしていた。アルバムは全体が47分間、そこに20曲は詰め込められていた。
ポール・ランバリのニュー・ミュージカル・エクスプレスでのレヴューは好意的だった。「予期していたアルバムとは違うものだ」と書いた。「楽しそうに見えて、本当に楽しい。一時的なものかもしれないが、エルヴィスはトレッドミルから降りて、ハッピーになっている。買うべきだ」。
Written by Paul Sexton