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初めてエルトン・ジョンが単独プロデュースしたアルバム『Peachtree Road』
エルトン・ジョンが彼の第二の故郷のひとつであるアトランタで部分的に制作し、街のストリート名にちなんで『Peachtree Road』とタイトルをつけた過小評価されがちなアルバムは2006年11月9日にリリースされた。彼が単独のプロデューサーとしてクレジットされた唯一のアルバムであったことから、彼の作品の中では特別な位置を占めるアルバムだ。
『Peachtree Road』は偉大なシンガー・ソングライターの大ヒット作品とはかけ離れたものだったが、いつものエルトン・ジョンのポップ・ロックを上手く調和させたスタイルと独特なアメリカン・サウスのテイストは、彼のファン層の中でも当然ながら熱烈な人気作で、35年以上のレコーディング・キャリアを持つ彼の28枚目のスタジオ・アルバムだった。
エルトン・ジョンとバーニー・トーピンによる多数の新曲を収録した『Peachtree Road』の注目すべき点のひとつに、個人的なあがないについて歌った曲の中で、バーニー・トーピンがエルトンの声をとらえている「Weight Of The World(邦題:世界の重み)」があげられる。他収録曲の「Porch Swing In Tupelo」からはサザン・テイストの音が、「They Call Her The Cat」からはアップ・ビートな音が伝わる一枚だ。
「Turn The Lights Out When You Leave(邦題:ターン・ザ・ライツ・アウト)」は、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンが常に愛してやまななかったカントリーとウェスタン様式特有のスタイルで、エルトン・ジョンはその年のカントリー・ミュージック・アワードでドリー・パートンとこの曲を演奏した。『Peachtree Road』はまた、ダークでムーディーで、雰囲気のあるバラード「My Exclusive Drug」や、イギリスで20位に登場したリード・シングル「All The I’m Allowed (I’m Thankful)(邦題:許されたものすべて)」なども収録。このアルバムはエルトン・ジョンの母国で最高21位まで上昇し、アメリカでは17位にまで上り詰めた。
『Peachtree Road』と同時期には、『Dream Ticket』とタイトルが付けられた4枚入りDVDボックスセットが発売。ここには3つのコンサート映像と40年にも及ぶエルトン・ジョンの輝かしいキャリアをとらえた新しいドキュメンタリー映像が収録されている。
Written by Paul Sexton
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2017年11月10日発売
フィジカルは3形態で発売
・2枚組CD(国内盤のみSHM-CM)
・3枚組CDボックス・セット(輸入盤のみ、限定商品)
・2枚組見開きアナログ盤(輸入盤のみ)