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ライブアルバム配信開始:『ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの 2023』

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20年を超えてファンに親しまれている「ディズニー・オン・クラシック」は、ディズニーの名曲の数々をオーケストラの生演奏で届ける大人のための音楽会。そのライブアルバムがApple Music Classicalから配信され、より気軽に楽しめるようになりました。

今回は井筒節さんに、物語を紡ぐ映像と日本人ヴォーカリスト、オーケストラが共演する『ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの』から、2023年のライブの様子を振り返っていただきます。

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『ディズニー・オン・クラシック』は、ディズニー・アニメーションや映画、テーマパークの名曲を、フル編成のオーケストラとヴォーカリストの生演奏で楽しむことができる世界初・日本発の大人気ディズニー・コンサート・ツアー。2002年に生まれ、今年で22年目となる。中でも、『ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの』は、日本人ヴォーカリストによる、日本語歌唱が特色の2021年からスタートした新しいコンサート。子供から大人まで、慣れ親しんだ日本語吹替版やテーマパークの思い出と共に、「生」のディズニー・ソングを楽しめる。

この度、2023年5月から6月にかけて、全国16都市で18公演開催されたこのコンサートツアーから、6月24日に大阪フェスティバルホールでライブ収録された15曲が、Apple Music ClassicalとApple Musicにて限定配信された。ドルビーアトモスによる空間オーディオでは、コンサートホールさながらの体験もできる。

指揮は辻博之、演奏はTHE ORCHESTRA JAPAN。コンサート・マスターは、青木高志と真部裕。

ヴォーカリストは、「二期会」に所属し、クラシック歌曲を中心に活躍する実力派、重田栞(ソプラノ)、田谷野望(ソプラノ)、牧野元美(ソプラノ)、松原典子(ソプラノ)、鹿野浩史(テノール)、新堂由暁(テノール)、菅原洋平(バリトン)、後藤春馬(バスバリトン)の8人。プレゼンターは、ささきフランチェスコ。

オープニングは、ディズニー映画の冒頭を飾る「星に願いを」。コンサート会場は、オーケストラの豪華で立体的な音色に包まれながら、映画の世界に誘われるような素敵な幕開けに、期待と興奮でいっぱいに。

続いて、映画の背景音楽を約10分に凝縮したオーケストラ組曲が2曲。編曲を担当したのは、作品を生み出したウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオのクリエイターたち。日本初演である上、収録音源は本ライブアルバムでしか聴くことができない特別な作品だ。

1曲目は、アカデミー賞®️長編アニメーション賞に輝いた『ズートピア』 (2016)のオーケストラ組曲。作曲は、『Mr.インクレディブル』(2004)、『レミーのおいしいレストラン』(2007)、『インサイド・ヘッド』(2015)、『ドクター・ストレンジ』(2016)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)、『リメンバー・ミー』(2017)などで知られ、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)でアカデミー賞作曲賞を受賞したマイケル・ジアッキーノ。「違いを認め合うことで、人生は豊かになる」というメッセージが、特別映像と音楽で描かれる。

続いて、『ベイマックス』(2014)のオーケストラ組曲。本作も、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。作曲は、『くまのプーさん』(2011)、『シュガー・ラッシュ』(2012)、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)などを手掛けたヘンリー・ジャックマン。

サンフランシスコと東京を融合させた架空の都市サンフランソウキョウを舞台に、ヒロと心優しいロボット“ベイマックス”の絆を描いた作品。電子的な音とオーケストラの融合が近未来的なサウンドを生み出す。

続いて、『ベイマックス』日本版エンドソング「Story (English Version)」。作詞AI、作曲2SOUL。シンガーソングライターのAIが、2005年に日本語詞で発表し、大ヒットを記録した楽曲だが、映画では未発表の英語バージョンが採用された。温かいフル・オーケストラの演奏をバックに歌唱するのは牧野元美。

そして、森に生きる動物と人間との関わりを描いた、長編アニメーション第5作『バンビ』(1942)より、「メイン・タイトル(愛のうたごえ)」、「4月の雨」、「春のしらべ」、「ルッキング・フォー・ロマンス」、「山火事/再会/フィナーレ」。

森の王子バンビが、動物たちとの友情・恋・別れを通して成長していく物語を、貴重な1942年のオリジナル譜面で演奏。歌曲の作詞はラリー・モーレー、作曲はフランク・チャーチル。フランク・チャーチルは、『白雪姫』(1937)、『ダンボ』(1942)などを通して、ディズニー初期の音楽を構築したパイオニア。『ダンボ』では、アカデミー賞ミュージカル映画作曲賞を受賞した。

モノラル時代の作品をDolby Atmosで収録しているため、懐かしさと共に、二期会のヴォーカリストたちの響き合う美しいハーモニーをビビッドに体感できる。デュエット曲「ルッキング・フォー・ロマンス」を披露したのは新堂由暁と田谷野望。

お次は、『ファンタジア/2000』よりストラヴィンスキー作曲「火の鳥」(1919年版)。音楽と映像の融合を芸術の域まで高めた傑作。自然の驚異と命の力強さがダイナミックに描かれる。

<Bittersweet Selection 〜想い>では、切ない楽曲が3曲。1曲目は、『魔法にかけられて』(2007)より「そばにいて」。『ポカホンタス』(1994)や『ノートルダムの鐘』(1996)の名コンビ、作詞スティーヴン・シュワルツ、作曲アラン・メンケンによる名曲。映画ではジョン・マクラフリンが歌った曲を、鹿野浩史がまっすぐ歌い上げる。

2曲目は、『トイ・ストーリー2』(1999)から「ホエン・シー・ラヴド・ミー」。作詞・作曲は、『プリンセスと魔法のキス』(2009)も手掛けたランディ・ニューマン。ジェシーが、かつての持ち主エミリーを思い出しながら歌う。オリジナル歌唱はサラ・マクラクラン。本ライブでは、牧野元美によるパフォーマンスが観客を魅了した。

3曲目は、実写版『美女と野獣』(2017)より「ひそかな夢」。作詞ティム・ライス、作曲アラン・メンケン、日本語吹替版の歌唱は山崎育三郎。アニメーション映画版やミュージカル版にはなかった新曲を、菅原洋平が聴かせる。

そして、「ディズニー・オン・クラシック」のアンコール曲「星に願いを」。この曲は、『ピノキオ』(1940)のために、作詞ネッド・ワシントン、作曲リー・ハーラインが紡ぎあげた珠玉の名曲。アカデミー賞作曲賞や歌曲賞にも輝いた。かつてのようにヴォーカリストと会場の観客が一緒に歌えるようになったことに感慨を覚えた方も多かったはず。

ラストを飾るのは、「アニモンタージュ」。『アナと雪の女王』(2013)、『アントマン』(2015)を作曲したクリストフ・ベック作曲。2020年のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ創設日に発表され、同スタジオの作品が散りばめられたセレブレーション作品のための楽曲だ。

「ディズニー・オン・クラシック」では、様々な時代、ジャンル、媒体のディズニー・ミュージックを楽しむことができる。最新の大人気曲から、長い間愛され続けてきた楽曲、知る人ぞ知る隠れた名曲まで、その選曲の妙は、毎回のセットリストを楽しみに待つファンを年々増やしている。オーケストラとヴォーカリストが発する音楽を、美しい映像と共に、体で直に感じることで、忘れていた懐かしい思い出が蘇ってきたり、大切な人のことを温かく思い返したり、明日をがんばる勇気や希望、そして未来への夢が生まれたりする空間だ。

「生の体験」ができない時代を経て、再び感動を共有できる喜びを感じつつ、贅沢な時間を堪能しよう。

 

Written by 井筒節


『ディズニー・オン・クラシック -夢とまほうの贈りもの2023 (ライブ・セレクション)』
2024年4月24日配信
Apple Music



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