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臨場感あふれる特別音源で楽しむ:ディズニー・オン・クラシック~まほうの夜の音楽会 2023

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2002年、日本で生まれて以来、たくさんのファンに親しまれてきたライブエンターテインメント『ディズニー・オン・クラシック』から、その魅力を気軽に家で楽しむことができる特別な音源が発表されています。本作に収録されているのは2023年ツアーの第2部『美女と野獣』から「朝の風景」「ひとりぼっちの晩餐会」「美女と野獣」など。このコンサートについて井筒節さんに解説いただきました。

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世界初・日本発のディズニー・コンサート・ツアーとして20年以上の時を超えて愛され続ける「ディズニー・オン・クラシック」から、アニメーション映画『美女と野獣』(1991)をフィーチャーした特別な音源が発表された。

本作は、2023年、「With you ~愛を奏でる」をテーマに、全国32都市51公演を行った「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会」の第2部をライブレコーディングしたもの。Apple Music ClassicalとApple Musicだけの限定配信で楽しむことができる。

ちなみに、第1部では、ディズニー創立100周年を記念して、ディズニー・カンパニーの歩みを、「ディズニー100:ディズニーが育んだ物語」と題し、音楽・語り・映像で紡いだ。

登場したのは歴史を彩ってきた19作品で、『蒸気船ウィリー』(1928)、『白雪姫』(1937)、『ファンタジア/2000』から、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003)、『トイ・ストーリー』(1995)、『スター・ウォーズ/新たなる希望』(1977)、『アベンジャーズ』(2012)まで、様々な作品をフィーチャーした特別メドレーが会場を沸かせた。中でも、世界初のカラーアニメーション映画“シリ―・シンフォニー”シリーズより『花と木』(1932)は、日本初演となった。

アニメーション映画『美女と野獣』は、『リトル・マーメイド』(1989)に続き、ハワード・アシュマンとアラン・メンケンを含む約600人のスタッフが3年半をかけて製作した映画史に残る名作。続く『アラジン』(1992)と併せて、「ディズニー・ルネサンス」と呼ばれる黄金時代を築いた本作は、様々な「初めて」を打ち立てた金字塔だ。まず、本作品は、アカデミー賞の作曲賞と歌曲賞を受賞した他、アニメーション作品として、アカデミー作品賞に史上初めてノミネートされるという歴史的偉業を成し遂げた。

更に、『美女と野獣』は、今や世界中で様々な大人気作品を上演するディズニー・シアトリカルによる初の演劇作品としてミュージカル化された点でも大きな転機を生んだ作品。1994年にアメリカ・ブロードウェイで開演して以来、日本でも翌1995年に劇団四季による初の東京・大阪同時ロングランが始まり、世界中でミュージカルの裾野や新しい楽しみ方を広げていった。その後、日本では9都市での上演を経て、現在は、新演出版が、舞浜アンフィシアターで上演されている。

そして、今回。ベルと野獣の間に芽生えた「真実の愛」を美しい映像と忘れえぬ音楽で描いたストーリーが、アメリカで活躍するヴォーカリストとフル・オーケストラによる贅沢な生演奏と共に始まる。マジカルなプロローグに誘われ、会場は一体となって物語の世界へ。

ベルが歌う「朝の風景」、ガストンとル・フウによる「強いぞ、ガストン」、ルミエールたちの「ひとりぼっちの晩餐会」、ポット夫人が届ける「美女と野獣」、村人たちの興奮が高まる「夜襲の歌」、そして、ラストを飾る「奇蹟の変身」まで、大きなホールの中、愛の物語を一人一人の心の中に壮大に映し出した。

本公演では、1991年の劇場公開時にはカットされた名曲「人間に戻りたい」も登場。この曲は、ミュージカル版で復活し、その後、映画でもスペシャル・リミテッド・エディションに加えられた「幻の名曲」(ミュージカル版で加わった楽曲には、「わが家」、「愛せぬならば」も。劇団四季ミュージカル『美女と野獣』で聴くことができる)。

加えて、実写映画で野獣の楽曲として新たに登場した「ひそかな夢」も組み込まれ、野獣の言葉にできぬ思いが感動的に歌い上げられた。更に、アンコールも収録されており、「ディズニー・オン・クラシック」でおなじみの『ピノキオ』(1940)より「星に願いを」の他、実写映画のエンドロールで再びセリーヌ・ディオンが歌った「時は永遠に」をキャスト達が歌い継ぐ感動のフィナーレも、存分に体感することができる。

指揮は、リチャード・カーシー。『オペラ座の怪人』で長年タクトを振り、米国ミルウォーキーのスカイライト・オペラ・シアターの芸術監督・主席指揮者を務めた他、ピアニスト、俳優、作詞家としても活躍中。

ヴォーカリストは、「ディズニー・オン・クラシック」4回目の出演となるジョディ・ブルースタイン、ミュージカル『美女と野獣』北米ツアーやディズニー・クルーズラインのミュージカルショー『美女と野獣』でポット夫人のパートを務めたジュリア・ホサック(本公演でも同パートで登場)、「ディズニー・オン・クラシック」2回目の出演となり、今回ベルのパートを担当したシェイレン・ハージャー、アメリカの地方劇場、国内ツアーの他、クルーズ船や映像作品でも活躍するソフィー・ゴーロン、ブロードウェイ・ミュージカル『回転木馬』、『巴里のアメリカ人』等に出演してきたコーリー・リングナー(ルミエール)、シカゴとニューヨークを拠点に役者・楽器奏者として二刀流の活躍をしながら、サーカスでは空中ブランコを乗りこなす多彩なデイヴィッド・コールー(ガストン)、様々なミュージカルに出演してきた他、ディズニー・クルーズライン「ディズニー・シーズ・アドベンチャー」ではヘラクレス役を演じたヒュー・エントレキン(野獣)、ミュージシャンとしてブロードウェイで活躍しながら、『ザ・ミュージック・マン』全米ツアー等にも出演してきたセス・エリセア(ル・フウ)が好演。演奏はTHE ORCHESTRA JAPAN。コンサート・マスターは、青木高志と真部裕。ナビゲーターは、ささきフランチェスコが務めた。

「時は永遠に」で歌われたように、人生には、幸せな瞬間ばかりでなく、暗い影の中にいるように感じる時もある。しかし、ベルや野獣が、自分より相手を思い、真実の愛を貫いたように、「本当に大切なもの」に心を寄せ、行動し続ければ、影さえも物語の素敵な一場面になりうることを、さわやかに思い出させてくれた。

Written by 井筒 節


 

リチャード・カーシー、オーケストラ・ジャパン、ディズニー・オン・クラシック・キャスツ
『ディズニー・オン・クラシック – まほうの夜の音楽会 2023(ライブ・セレクション)』

2024年7月24日配信
Apple Music



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