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オーケストラ・コンサートの楽しみを伝え、愛され続ける「ディズニー・オン・クラシック」
数あるディズニーの名曲と、オーケストラ・コンサートの魅力を広く伝えて愛され続ける「ディズニー・オン・クラシック」。20年以上にわたって多くのファンを魅了してきたこのコンサートのライブアルバムが、Apple Music Classicalの配信でいつでも気軽に楽しめるようになりました。
この記事では20周年を迎えた記念すべき「ディズニー・オン・クラシック 〜まほうの夜の音楽会 2022」を振り返りながら、聴きどころなどを井筒節さんに解説いただきました。
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ディズニーの名曲を、オーケストラとヴォーカリストの生演奏で贈る「ディズニー・オン・クラシック ~まほうの夜の音楽会」は、2002年、世界初・日本発のディズニー・コンサート・ツアーとして生まれた。
東京、名古屋、大阪での3公演から始まったこのコンサートは、開催20周年を迎えた2022年には、37都市54公演が行われるほどに大きく成長。2002年から2018年まではブラッド・ケリー、2019年以降はリチャード・カーシーの指揮のもと、大編成オーケストラに、『リトル・マーメイド』(1989)のアリエル役オリジナル・ボイスキャストのジョディ・ベンソン(2002年公演)、『美女と野獣』(1991)でベル役を演じたペイジ・オハラ(2004年公演)をはじめとする数々のヴォーカリストを迎え、日本中にオーケストラ・コンサートを楽しむ文化を広めていった。
20年の間に開催した948公演を通して動員した観客数は、182万人。全国をめぐった総移動距離は約229,000kmで、地球約5周半分にもなるという。そんな「ディズニー・オン・クラシック」の世界は広がり、春の音楽祭、ジルベスター・コンサート、韓国・台湾・シンガポールでの公演、D23 Expo Japanでの特別公演、ディズニー・レジェンドのアラン・メンケン等を迎えたPremium Concert等も行われてきた。
「ディズニー・オン・クラシック」では、パンフレット、グッズ、ピンバッジ、カプセルトイなどと並んで、CDが発売されることも。中でも、ライブレコーディングアルバムは、オーケストラによる演奏を日常生活の中でも余すことなく楽しませてくれる人気アイテムだった。
今回、過去のライブ音源が、クラシックに特化した検索機能のもと、高音質なサウンドを楽しむことができるApple Music Classicalに登場したのに合わせて、記念すべき2022年公演について振り返ってみよう。
第1部
第1部は、東京ディズニーランド®で1995年から2001年まで実施された夜のパレード「ディズニー・ファンティリュージョン!」より“フェアリー・ガーデン”。20年前の第1回公演の幕開けを飾った曲だ。作曲は、「ワン・マンズ・ドリーム」等の名曲も手がけたブルース・ヒーリー。
続いて、会場では、20th セレブレーション・ルーレットとして、プロデューサーズ・チョイスとパーク・セレクションの2つのルーレットを実施。
前者では、『ティンカー・ベル』(2008)より「フライ・トゥ・ユア・ハート」、『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』(1998)より「愛の導き」、『ハイスクール・ミュージカル』(2006)より「みんなスター!」の3曲、後者では、東京ディズニーランド キャッスルプロジェクション「ワンス・アポン・ア・タイム」(エディット・バージョン)、東京ディズニーシー®「ファンタズミック!」より“イマジネーション”、東京ディズニーシー「レジェンド・オブ・ミシカ」より“レジェンド・オブ・ミシカ第6章 フィール・ザ・ラブ”、東京ディズニーシー「ミステリアス・マスカレード」(エディット・バージョン)の4曲が候補に。それぞれからルーレットで1曲が選ばれ、演奏された。
今回収録されたのは、ミシェル・トゥームス作詞・作曲、映画主題歌としてセレーナ・ゴメスが歌唱した『ティンカー・ベル』より「フライ・トゥ・ユア・ハート」と、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ(1985~)、『ロジャー・ラビット』(1988)、『リロ&スティッチ』(2002)、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)、『アベンジャーズ』(2012)でも知られるアラン・シルヴェストリによる東京ディズニーシー「レジェンド・オブ・ミシカ」より“レジェンド・オブ・ミシカ第6章 フィール・ザ・ラブ”。
次に、観客アンケートに基づく「ベスト・オブ・ファンリクエスト」として、アンケートで1位に選ばれた楽曲を3曲。
作品部門1位は、『リトル・マーメイド』より「パート・オブ・ユア・ワールド」。言わずと知れた、ハワード・アシュマン作詞、アラン・メンケン作曲の大人気曲。
パーク部門1位は、東京ディズニーシー「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」より“コンパス・オブ・ユア・ハート”。作曲は、同じくメンケン、作詞は、『塔の上のラプンツェル』(2010)やミュージカル『リトルマーメイド』(2008)のグレン・スレイター。
音楽部門1位は、実写版『アラジン』(2019)より「スピーチレス ~心の声」。こちらも作曲メンケン、作詞は『グレイテスト・ショーマン』(2017)のベンジ・パセクとジャスティン・ポール。
第1部最後を飾ったのは、シャーマン兄弟(ロバート・B・シャーマン、リチャード・M・シャーマン)による、『メリー・ポピンズ』(1964)の音楽。「イッツ・ア・スモールワールド」、『ジャングル・ブック』(1967)等、ウォルト・ディズニーのもと、数々の名作を生み出した伝説の兄弟による作品だ。
第2部
第2部、Aプログラムでは『塔の上のラプンツェル』、Bプログラムでは『ノートルダムの鐘』(1996)が映像と共に演奏された。
本ライブアルバムでは、Bプログラムの内容が収録されている。作曲はメンケン、作詞は、『ポカホンタス』、『魔法にかけられて』でもメンケンと組み、自らの作詞・作曲でミュージカル『ウィキッド』を生み出した奇才スティーヴン・シュワルツ。印象的なオープニングを飾る表題曲、カジモドのI wishソング「僕の願い」、エスメラルダが歌い上げる「ゴッド・ヘルプ」等、心に深く響く名曲のオンパレードだ。
指揮のリチャード・カーシーは、『オペラ座の怪人』で1500回以上タクトを振り、米国ミルウォーキーのスカイライト・オペラ・シアターで、長年、芸術監督・主席指揮者を務めた他、自らパフォーマーとしても活躍中。
ヴォーカリストは、ブロードウェイ『屋根の上のヴァイオリン弾き』に出演し、2011年と2017年公演のディズニー・オン・クラシックにも出演したアーロン・ヤング、2019年の公演で『アラジン』のジーニー役を担当したアルマンド・ロンコーニ、2018年公演に『ヘラクレス』のハデス役で出演したディロン・ヒープ、春の音楽祭2017の『ノートルダムの鐘』カジモド役を経て3度目の出演となるパトリック・ブレイディ、2016年公演で『アナと雪の女王』エルサ役を務めたトリシア・タンガイ、『オペラ座の怪人』クリスティーヌ役や『レ・ミゼラブル』コゼット役を演じてきたケイティ・トラビス、8歳でブロードウェイ・デビューし『レ・ミゼラブル』にて幼少期のコゼットやエポニーヌを演じたケイリー・ルビナッチオ、『ビューティフル』全米ツアーに出演したモネ・サーベル。
演奏は、THE ORCHESTRA JAPANとHeigh-ho Band。コンサート・マスターは、青木高志と真部裕。ナヴィゲーターは、ささきフランチェスコ。
記念すべき20周年の「ディズニー・オン・クラシック」のテーマは、「Infinite Love ~輝きの未来へ」。「ディズニー・オン・クラシック」日下部エグゼクティブ・プロデューサーは、パンフレットに、「大いなる愛。―純粋な愛が導く未来は、輝きに満ちていると信じて…」というメッセージを寄せた。
ディズニーのキャラクターたちが、音楽と共に愛を知り、困難を乗り越えてきたように、今の時代にこそ、「愛」を自分にも、他者にも注げるように、そして、そこから明るい未来が築けるように、「ディズニー・オン・クラシック」につまった思いと音楽の力を、再体験したい。
Written by 井筒節
『ディズニー・オン・クラシック -まほうの夜の音楽会2022 -ライブアルバム(『ノートルダムの鐘』エディション)』
2024年1月24日配信
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