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ダイアー・ストレイツのベスト盤『Money For Nothing』
アルバム『Brothers In Arms』の世界的な成功を受けて、世界中の人々が「ダイアー・ストレイツはさすがに休み欲しがっているだろう」と思っていたとすれば、1988年10月29日、その思い込みは大間違いだったということが判明する。ヴァーティゴから発表され、前作のスタジオ・アルバム『Brothers In Arms』のヒット曲から題されたベスト・アルバム『Money For Nothing』は全英チャート1位で発進した。
ブリティッシュ・ロックのヒーローが初めて出したベスト盤は5枚のスタジオ・アルバムに収録されている代表曲を収録し、さらに熱心なコレクターを満足させる貴重な楽曲も収録されている。「Sultans Of Swing(邦題:悲しきサルタン)」、「Tunnel Of Love」、「Romeo & Juliet」と「Private Investigations(邦題:哀しみのダイアリー)」などのヒット曲と、ライヴ・アルバム『Alchemy』に未収録だった「Portobello Belle」のライヴ音源、同レコードの「Telegraph Road」のリミックス、『Communiqué』に収録されている「Where Do You Think You’re Going(邦題:行かないで)」の異なるミックス、そしてエディットされた「Brothers In Arms」など数々の未発表の楽曲も含まれた。
ファンはこのベスト盤を絶賛し、ヨーロッパ中の様々なチャートでトップに輝き、ヨーロッパだけで600万枚以上ものセールスを記録した。『Money For Nothing』はアメリカでは62位にとどまったものの、それでも100万枚のセールスを記録した。
イギリスでは、このベスト盤は3週間1位を保持し、トップ10には13週、そしてチャートには47週連続で在位するという記録を残した。また、1990年代前半に再度断続的にチャート入りを果たし、4xプラチナを記録した。のちに1998年『Sultans of Swing』と2005年『Private Investigations』と再びベスト盤をリリースし、各々がさらにマルチ・プラチナを記録し、その事実は彼等がまだ健在だということを証明した。
Written by Paul Sexton
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