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エルトン・ジョン最新ベスト『Diamonds』から70~10年代までの10年ごとの代表曲を紹介
エルトン・ジョンの最後となるツアーの発表により、彼の不朽なレコーディングの功績が集められた現在のコンピレーション『Diamonds』はさらに研ぎ澄まされた歴史的な視点をもたらすことになった。
『Diamonds』は、彼の卓越したバック・カタログの決定的なレヴューであるだけでなく、エルトン・ジョンと作詞家バーニー・トーピンとの格別なソングライティング・パートナーシップの50周年を祝った作品でもある。半世紀にわたりこのペアは我々の人生の一部となるスコアを創ってきたが、今回は『Diamonds』を輝かせる画期的な楽曲にスポットライトを当て、エルトン・ジョンがチャートの常連となった50年において、10年ごとに1曲をご紹介しよう。
■70年代を代表する曲:「Your Song(邦題:僕の歌は君の歌)」(1970年)
まずは「Your Song」をあげなければ始まらない。初期の下積みを経て、批評家から多少の注意を引いていたものの商業的には成功しなかったが、1970年のこのバラードによってエルトン・ジョンとバーニー・トーピンは注目を浴びることとなった。バーニー・トーピンは、エルトン・ジョンの母親と義理の父親が住むミドルセックスのピナーのアパートで、今の時代でも古びないチャーミングでロマンティックで純粋な歌詞を書いた。
「リヴィングに持っていって、ピアノに座って一読したんだ」とエルトン・ジョンは振り返る。「美しい歌詞だったし、良すぎて台無しにしないようにしなければと思った。インスピレーションが凄く湧いて、いっきに曲書き上げてバーニーを呼んだんだよ。二人とも聴いた時に気がついていたと思う、これは成功に向かって進んでいる確信があった」。
その確信の通り「Your Song」は1971年2月に全英チャート7位を達成した。アメリカではその前年に「Border Song(邦題:人生の壁)」でチャート・デビューを果たし92位を記録していたが、「Your Song」でエルトン・ジョンのキャリアは開花し、最高8位を獲得した。1999年の「Written In The Stars」まで少なくとも1年に1度はトップ40入りを果たすようになるわけだが、これがまさに全米とエルトン・ジョンの愛の始まりだったのだ。
■80年代を代表する曲:「I’m Still Standing」(1983年)
70年代の猛烈なクリエティヴィティの結果、80年代が訪れる頃には、エルトン・ジョンはすでに21枚目のアルバムを制作しており、当時の自分の33歳という年齢も記念したアルバム『21 At 33』を1980年に発表した。80年代が始まると、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンはしばらく別々に活動していたが、それは決して仲違いしたわけではなかった。エルトン・ジョンは、今でも二人の間で争いが起きた事はないとしているが、ただ主に疲労と、マジックを求めて他の道を模索したいと思っていたと話している。
二人ともいつかまた一緒に楽曲の制作をすることは分かっており、そして新たに力を発揮してインパクトのある作品を発表したのが1983年のアルバム『Too Low For Zero』だった。11歳の頃にロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックの生徒同士だったクリス・トーマスをプロデューサーに迎えた初めての作品で、パワフルな復活を遂げたのだ。
アルバムには「Kiss The Bride」、「I Guess That’s Why They Call It The Blues(邦題:ブルースはお好き?)」、そしてここで挙げた「I’m Still Standing」が収録されている。バーニー・トーピンの巧みな歌詞がエルトン・ジョンの好戦的な楽曲に今まで以上にぴったりはまり、この曲はエルトン・ジョンのあらゆるライヴ・パフォーマンスにおいて、今でもハイライトのひとつである。
■90年代を代表する曲:「Don’t Let The Sun Go Down On Me(邦題:僕の瞳に小さな太陽)」(1991年)
エルトン・ジョンはチャート・デビューを果たしてから20年の時を経て、1990年についに母国でソロとして1位を獲得した。それは最初に80年代が終わる数週間前にアルバム『Sleeping With the Past』のシングルとしてリリースされた「Sacrifice」のリイシューで達成することになる。そして今回『Diamonds』の90年代からの選曲は1974年にすでに名曲だった楽曲の1991年のリメイクなのだ。
「Don’t Let The Sun Go Down On Me」のオリジナルは1974年に発売されたアルバム『Caribou』に収録されており、エルトン・ジョンのシングルの中で故郷よりもアメリカで良い成績を残した数々のシングルのひとつだ。バッキング・ヴォーカルはビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンとブルース・ジョンストンがつとめ、全米チャートでは2位を達成したが、イギリスでは16位の記録にとどまった。しかしそれから17年後、エルトン・ジョンの親友であるジョージ・マイケルをフィーチャーしたライヴ・ヴァージョンは瞬時にヒットとなり、1991年12月に全英チャートのトップを獲得した。
■00年代を代表する曲:「I Want Love」(2001年)
新しい世紀の訪れとともに、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンのソングライティングはさらに成長を遂げていた。2001年に発表された「I Want Love」はアルバム『Songs From The West Coast』に収録。このアルバムはパワフルなエルトン・ジョンのメロディと鋭く個人的なバーニー・トーピンの歌詞が結びついた作品だった。「他の人が自由を感じることでも、僕みたいな男は死んでいる」と歌った。曲はイギリスで9位、そして全米アダルト・コンテンポラリー・チャートではトップ10のヒットとなり、グラミー賞にもノミネートされた。
■10年代を代表する曲:「Looking Up」(2016年)
2010年代に入ってもエルトン・ジョンとバーニー・トーピンの多作なクリエイティヴィティは衰えることを知らなかった。2016年に亡くなってしまったエルトン・ジョンのヒーロー、レオン・ラッセルを迎えて制作した『The Union』を2010年に発売した後、エルトンとバーニーの二人は2013年発売の『The Diving Board』と2016年発売の『Wonderful Crazy Night』を制作し、イギリス、アメリカ、そしてその他の国でも再びアルバム・トップ10を達成した。
『Wonderful Crazy Night』から、そして『Diamonds』から、最後に「Looking Up」を取り上げた。エルトン・ジョンのやんちゃなピアノのモチーフがバーニーの明るい言葉に支えられている。エルトン・ジョンとバーニー・トーピンは同じ部屋で曲を書いたことはないかもしれないが、今までに50年分のダイヤを生み出している。
Written by Paul Sexton
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2017年11月10日発売
フィジカルは3形態で発売
・2枚組CD(国内盤のみSHM-CM)
・3枚組CDボックス・セット(輸入盤のみ、限定商品)
・2枚組見開きアナログ盤(輸入盤のみ)