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ジャスティン・ビーバーのベストソング20:チャートを席巻する素晴らしいポップ・シングル
これは10年前には誰も予想していなかったことだろう。独特の歌声と10代のアイドルのようなルックスを持つ初々しいカナダの若者、つまりジャスティン・ビーバーが世界のポップ・シーンを席巻したのだから。
ビーバーの新曲発表は、毎回お決まりの展開をたどるように思われる。タブロイド紙のヒステリーは ―― ありがたいことに ―― 少し鎮まったかもしれないが、ファンはみな新曲が出るのを今か今かと首を長くして待っている。そしていざ新曲がリリースされると、それは期待を裏切らない出来になっているし、それがまたファンの数を増やすことになるのだ。
元アイドルというと“リスペクト”を受ける存在になるのに苦労するものだが、ビーバーの場合、“リスペクト”されるのはもう当然になりつつある。それはキャリアの長さだけから来るものではない。2009年の「One Time」以来、彼は素晴らしいポップ・シングルを連発してチャートを席巻してきた。それゆえの“リスペクト”なのである。今回は、その中からuDiscoverが選んだトップ20をお届けしよう。
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20位:「Company」
4枚目のスタジオ・アルバム『Purpose』から生まれた第4弾シングル、そしてこのアルバム最後のシングル「Company」は、聴く者を誘惑するような挑発的な曲。2016年春にリリースされたこのシングルはファンの胸をドキドキさせ、ダンスフロアの人波をうねらせた。
プロモビデオは2本作られ、そのうち2本目はワールド・ツアーや写真撮影セッションといったビーバーの仕事ぶりを記録したビデオ・ダイアリーになっていた。チャートでの成績はそれまでにリリースしたシングルほどではなかったが、アルバム『Purpose』のハイライトのひとつであることは間違いない。
19位:「Mistletoe」
偉大なアーティストはみなクリスマス・ソングを録音する必要がある。ビーバーの場合、早くも2011年のクリスマス・シーズンにアルバム『Under The Mistletoe』をリリースしている。「Mistletoe」はビーバー、ナスリ・アトウェ、アダム・メッシンジャーが共作した曲で、当然のごとくビルボード誌のクリスマスのチャートで首位に到達。2011年のクリスマス・レコードの中で最も売れたシングルとなった。これは、『Under The Mistletoe』からシングルとして発売された唯一の曲でもある。(ただしマライア・キャリーとのデュエット「All I Want For Christmas Is You (SuperFestive!)」は、一部のマーケットで大きく売り出されることになった。)
18位:「One Time」
アッシャーはビーバーの活動初期に師匠のような役割を果たしていた。「One Time」のビデオにも特別出演して顔を見せている。このミッドテンポのシャッフルの曲は、デビューEP『My World』から選ばれたビーバーの初シングルだった。この曲は徐々に人気が高まり、アメリカでまずまずのヒットとなった。当時ソーシャル・メディアは比較的新しいメディアだったが、そこでの支持が広がったことからビーバーはスーパースターの座へとのし上がっていった。
17位:「Never Say Never feat. Jaden Smith」
80年代の文化が再びブームとなる中、映画『ベスト・キッド』も21世紀にリメイクされることになった。この映画のプロデューサーが、世界一の人気者に挿入歌を依頼するのは当然の流れだった。この映画の主演俳優ジェイデン・スミスをフィーチャーした「Never Say Never」は、2010年にビルボード誌のチャートでトップ10入りを果たした。
16位:「All That Matters」
2013年はビーバー・ファンにとって良い年となった。セカンド・コンピレーション『Journals』の宣伝キャンペーンの一環として、ビーバーは10週間連続で毎週月曜日に新曲をシングルとして発表した。このペースにはラジオもストリーミング・サービスもなかなか追いつけなかったが、この官能的なR&Bバラードは英米両方でチャートのトップ30に入っている。
15位: DJキャレド「No Brainer feat. Justin Bieber, Chance the Rapper, Quavo」
「I’m The One」がヒットしたあと、ビーバーは再びDJキャレドとコラボ・シングルを録音した。この曲は、キャレドがメキシコで過ごした休暇がヒントになってできたと言われている。プロモ・ビデオはロサンゼルスで撮影された。撮影地はビーチからかなり遠い場所だったかもしれないが、それでもこのビデオを見るとかなり楽しげな撮影だったように感じられる。この曲はR&Bチャートの首位に立ち、他のチャートでもトップ10入りを果たした。
14位:「Heartbreaker」
「Heartbreaker」は、『Journals』の10週連続シングル発売企画の第1弾となった。プロモ・ビデオではビーバーのロマンティックな魅力が前面に打ち出されていたが、曲の内容はかなりセクシーな度合いを深めていた。このR&Bバラードは、デトロイトのラッパー、ブランドン・グリーン(AKAメイジャー)との共作曲になっている。
13位: デヴィッド・ゲッタ「2U feat. Justin Bieber」
デヴィッド・ゲッタは、エイコン、リアーナ、シーアといったコラボレーターにシャープなサウンドを提供することでキャリアを築いてきた。そして2017年、ジャスティン・ビーバーにその順番が巡ってきた。このコラボレーションは、ゲッタの7枚目のスタジオ・アルバムの第1弾シングルとして選ばれた。プロモ・ビデオはさまざまなモデルが口パクで曲を歌うという趣向になっており、ビーバーの従来のファン層以外にも曲の人気を広げることになった。
12位:「Friends with BloodPop」
マイケル・タッカー(akaブラッドポップ)は、ビーバーとさほど年齢が変わらない超一流プロデューサー。この2017年のコラボ作で、彼自身もアーティストとして名を挙げることになった。ブラッドポップは当時既に華々しいキャリアを築いており、マドンナやレディ・ガガにも曲を提供していた。このダンス・トラックはヨーロッパで大ヒットとなった(特にイギリスでは最高2位を記録している)。
11位:「Boyfriend」
3枚目のスタジオ・アルバム『Believe』で、ビーバーは自分がドラマティックな新しいアプローチを採用できることを証明する必要に駆られていた。そうしてリリースされた「Boyfriend」は、彼が音楽的な成熟を遂げていたことを示していた。甘いポップな魅力は以前と変わっていない。しかしこの曲はより気迫のこもったR&Bグルーヴが土台となっていた。またシンガー・ソングライターのマイク・ポズナーの貢献もはっきりと感じられる。「Boyfriend」は2012年に大ヒットとなり、カナダのチャートで首位を獲得。ビーバーが故国で首位を獲得するのはこれが初めてだった。
10位:「Baby feat. Ludacris」
多くの人にとって、ジャスティン・ビーバーの快進撃が始まったのはこの曲からだった。俳優/ラッパーのリュダクリスをフィーチャーした「Baby」のプロモ・ビデオは、2010年に最も試聴回数が多いビデオのひとつとなり、全世界で大ヒットを飛ばしている。このシングルは、メディアへの露出やチャートでのヒットという点で、ビーバーの最初の大きなステップアップとなった。
9位:DJキャレド「I’m The One feat. Justin Bieber, Quavo, Chance the Rapper & Lil Wayne」
DJキャレドのアルバム『Grateful』からシングル・カットされた「I’m The One」は、キャレドにとって最初の全米チャート首位獲得曲となった。ただし当時のビーバーは『Purpose』から生まれたシングルが続々とヒットを記録していたので、チャートの首位はもうお馴染みの場所になっていた。
8位: DJスネイク「Let Me Love You feat. Justin Bieber」
フランスのDJスネイクは2016年にこの曲をビーバーと共作。その結果はまたもや大ヒットとなった。ここまでヒットを連発すると、それがお決まりのルーティーンに陥る危険もあったはずだ。しかしこの曲はファンから熱烈に迎えられ、ビデオのストリーミング再生は果てしなく続いた(ビーバー本人はそのビデオに出演すらしていないにもかかわらず)。EDMのプロデューサー、アリ・タンポジはこの「Let Me Love You」のミックスで大きな力を発揮している。
7位:メジャー・レイザー「Cold Water feat. Justin Bieber, MØ」
デンマークの歌手MOやEDMの巨人メジャー・レイザーと組んだこの2016年の「Cold Water」で、ビーバーはダンス・ミュージックへの傾倒を強めた。「Cold Water」が発売される時期 ―― あるいは発売されるのかどうか ―― についてはさまざまな憶測が流れたが、ビーバーはこれが大ヒットになると感じていた。本人の予測通り、これは2016年にクラブ・チャートで首位に達したほか、ありとあらゆる場所で大ヒットを飛ばした。この曲にはエド・シーランもソングライターで関わっている。シーランとビーバーのコラボレーションは、これで終わりではなかった。
6位:「As Long As You Love Me feat. Big Sean」
2012年の『Believe』からリリースされた第2弾シングル「As Long As You Love Me」は、『America’s Got Talent』などさまざまなテレビ出演で宣伝された。米ビルボード誌のチャートではトップ10入り。しかし全英チャートではトップ20寸前で勢いが止まってしまった。とはいえ、ファンのお気に入り曲であることは間違いない。
5位: Skrillex and Diplo「Where Are Ü Now? with Justin Bieber」
EDMの大物ディプロとスクリレックスが手がけたこの傑作は、ビーバーが吹き込んだピアノ中心のデモをもとに作られた。ディプロとスクリレックスがスタジオで過激なアレンジを加えたこの「Where Are Ü Now?」は、ビーバーを評論家からも絶賛される大人気アーティストへと変貌させた。この曲はさまざまな年間ベスト・ランキングにも選出されている。また、この曲が収められたアルバム『Purpose』はビーバーの代表作となった。
4位:「Love Yourself」
このエド・シーランが作ったバラードは、派手な音作りのポップ・ダンス・ナンバーとは打って変わって、音数の少ないシンプルな仕上がり。メロディアスなリフとゴージャスではかなげなヴォーカルが印象的だ。この曲の共作者のベニー・ブランコは、プロデュースも担当している。「Love Yourself」は全英チャートで「Sorry」に代わって首位に立った。ひとりのアーティストが全英チャートの首位から自分の曲を自分の別の曲で蹴落とすというのは、エルヴィス・プレスリー以来のことだった。
3位:「What Do You Mean?」
「What Do You Mean?」はポップなハウス・ミュージックの名作。これは2015年秋に発売されたアルバム『Purpose』の第1弾シングルで、このシングルのヒットにより『Purpose』は最高のスタートを飾ることになった。プロモ・ビデオは大胆でエロティックな内容。また曲そのものも、確かなダンス・グルーヴと一度聴いたら忘れられないメロディでできている。チャートの首位を獲得し、評論家からも絶賛されたこのシングルは、成功作のお手本のような作品だ。
2位:Ed Sheeran & Justin Bieber「I Don’t Care」
ビーバーとシーランは世界的な二大ポップ・スターであり、その付き合いは長く続いている。このデュエットは、シーランの4枚目のアルバム『No.6 Collaborations Project』の冒頭1曲目に選ばれた。2019年5月に発表されたこの曲は、世界各国のチャートで首位に到達。ふたりはこのあともきっとコラボレーションを繰り広げていくことだろう。
1位:「Sorry」
初めて聴いた瞬間から名曲だとわかる曲がある。この「Sorry」もそのひとつ。これはアルバム『Purpose』の第2弾シングルとなり、ストリーミングの再生数は今も増え続けている。やがては歴史に残る大ヒット・シングルとなるはずだ。2016年のブリット・アワードでのステージは、ビーバーの歴史に残る名演となっている。信じられないことに、彼のデビューからはまだ10年ほどしか経っていない。ビーバーは、次の10年間にさらに大きな成功を手にすることができるだろうか? 私たちは、その答えが「イエス」であるような気がしている……。
Written By Mark Elliott
ジャスティン・ビーバー『Justice』
2021年3月19日
Apple Music / Spotify
(国内盤CDなど詳細は後日発表)
ジャスティン・ビーバー『Changes』
2020年2月14日発売
CD / LP / iTunes / Apple Music
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