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ジャム&ルイスのベスト・ソングス:R&B界を代表する名曲20選
活況を呈していたミネアポリスのファンク/R&Bシーンで身を立てたジミー・ジャム(Jimmy Jam)とテリー・ルイス(Terry Lewis)は、想像を超える充実したキャリアを送ってきた。二人は間違いなく、ポピュラー音楽界を代表するソングライター/プロデューサー・チームである。
彼らはチェンジやS.O.S.バンドといったR&Bグループと手を組んでキャリアを軌道に乗せ、ジャネット・ジャクソンとのコラボレーションでは10年以上に亘って音楽シーンを牽引した。そうしてジャム&ルイスの二人は、ほかに類を見ないほど多くのヒット曲を生み出してきたのである。ここでは、その中でも燦然と輝く20の名曲を順不同で紹介しよう。
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1. チェンジ「You Are My Melody」
電子音を駆使した軽快なリズムや、洗練されたコードの音色、キャッチーなメロディーなどが特徴的なこの曲は、80年代前半にリリースされたコンテンポラリーR&B/ブギー調の楽曲の中で指折りの完成度を誇る。爽やかで、ソウルフルで、ファンキーな「You Are My Melody」は、愛と音楽をテーマにした美しい1曲だ。
2. アレクサンダー・オニール「Fake」
ジャム&ルイスが作曲とプロデュースを担ったアレクサンダー・オニールの「Fake」は、不誠実な恋人に見切りをつける辛辣な内容の楽曲だ。耳に残るシンセ・サウンドとアップテンポなビートが魅力の同曲は、現在でもさまざまなシチュエーションのパーティーで定番曲として愛されている。
3. S.O.S.バンド「Just Be Good To Me」
壮大で、未来的で、ソウルフル。それが80年代のR&Bサウンドの特徴だった。そして、ジャム&ルイスはどのソングライター/プロデューサー・チームよりも、そのサウンドの確立に大きく貢献した。S.O.S.バンドの「Just Be Good To Me」は、そんな二人の最高傑作の一つだ。
4. ヒューマン・リーグ「Human」
1986年、ジャム&ルイスの二人はシンセ・ポップの代表格であるヒューマン・リーグの5thアルバム『Crash』への楽曲提供を依頼された。そのうちの1曲である「Human」は、崩壊へと向かう男女関係を描いた美しくも繊細なナンバー。ジャム&ルイス作品の幅広さや彼らの引き出しの多さを再認識させられる楽曲である。
5. シェレール feat. アレクサンダー・オニール「Saturday Love」
「Saturday Love」は幻想的なキーボードの音色や、シェレールとオニールによる情熱的な歌唱が印象的な1曲。若者たちの恋心が見事に表現された名曲である。
6. フォースM.D.’S「Tender Love」
ジャム&ルイスが作曲/プロデュースした「Tender Love」は80年代に、ティーンエイジャーの恋愛やハイスクールのダンス・イベントを数多く彩った1曲だ。ジャム&ルイスはロマンティックなバラードを得意としていたが、二人が飛ぶ鳥を落とす勢いだったころにリリースされた同曲はその中でも屈指の完成度を誇っている。
7. シェリル・リン「Encore」
長年に亘ってアンセムとして親しまれるシェリル・リンの「Encore」は、ジャム&ルイスの初期の代表曲だ。はつらつとした電子ドラムや、シンセサイザー、重厚なベースから成るトラックに乗せて、リンは新たな恋人ができた喜びを歌い上げている。
8. ニュー・エディション「Can You Stand The Rain」
80年代最高のバラードといえるニュー・エディションの「Can You Stand The Rain」は、美しく柔らかなサウンドが特徴の繊細な1曲。哀愁を帯びたトラックに乗せて歌われる同曲では、グループの素晴らしい歌唱力が存分に発揮されている。いまなお愛されるヒット曲であり、時代を象徴するジャム&ルイスの代表曲だ。
9. ジョニー・ギル「Rub You The Right Way」
ニュー・エディションのヴォーカル・パフォーマンスを牽引したジョニー・ギルがソロで発表した「Rub You The Right Way」。同曲がリリースされたころ、ジャム&ルイスはこの上なくダンサブルでポップな独自のソウル・サウンドを確立していた。キャッチーなメロディーと、ダンスフロア向きのパワフルなビートを特徴とするこの曲は、ジャム&ルイスの代表曲の数々にも引けを取らない秀作である。
10. ラルフ・トレスヴァント「Sensitivity」
こちらもニュー・エディションのメンバーがソロで放った大ヒット曲の一つ。ラルフ・トレスヴァントはこの曲で、ソロ・シンガーとしても輝かしい名声を手にした。トレスヴァントは耳に残る同曲のメロディーを、抑制の効いた吐息交じりの声で歌い上げた。結果として素晴らしいR&Bナンバーに仕上がった「Sensitivity」は、いまでも高い人気を誇っている。
11. サウンズ・オブ・ブラックネス「Optimistic」
サウンズ・オブ・ブラックネスが1991年に大ヒットさせた「Optimistic」は、ソウルの要素を取り入れたアンセム調のゴスペル・ナンバー。唯一無二の大傑作といえる1曲である。そんな同曲では、ゲイリー・ハインズの弾く上品なピアノのコードと、高揚感溢れる合唱が楽曲全体を支える。アップテンポなこの名曲を聴けば、気分が高まること間違いなしだ。
12. ロバート・パーマー「I Didn’t Mean To Turn You On」
ロバート・パーマーの「I Didn’t Mean To Turn You On」は、ミニマルなファンク・サウンドと微かな官能性が魅力の1曲で、パーマーにとっての代表曲の一つでもある。前年にはシェレールも同曲を歌っているが、それに比べるとこちらのヴァージョンは些かダークで抑制の効いた仕上がり。ジャム&ルイスが80年代に放った名曲群の中でも特別な輝きを放つ逸品だ。
13. パティ・ラベル「The Right Kinda Lover」
パワフルな歌声と器用さでは他の追随を許さない、”フィラデルフィア・ソウルの女王”ことパティ・ラベル。彼女は長年に亘って、絶え間ない音楽シーンの変化を切り抜けてきた。実際、1994年にシングル「The Right Kinda Lover」をリリースしたとき、パティはすでに30年近くのキャリアを重ね、ベテランの域に達していた。90年代らしいパワフルなビートが印象的な同曲は、そんな彼女が当時のリスナーから再注目を浴びるのにうってつけの鮮烈な1曲だった。
14. ボーイズIIメン「On Bended Knee」
ボーイズIIメンの「On Bended Knee」は結婚式の定番ナンバーであり、ラジオでも根強い人気を誇った1曲。この曲を紹介するのに、”愛され続けるヒット曲”という表現だけでは不十分だろう。ジャム&ルイスの二人は、人の心を惹きつける繊細さに満ちた柔らかな曲調を得意としていた。ドラマティックなピアノと、優美で厚みのあるヴォーカル・ハーモニーが心に響く同曲には、そんな彼らの手腕が如実に表れている。
15. シャバ・ランクス feat. ジョニー・ギル「Slow & Sexy」
ジミー・ジャムとテリー・ルイスほど器用で腕のある二人なら、ジャンルの枠に囚われない楽曲を作ったとしても不思議ではない。この曲で二人は、ジャマイカが生んだレゲエ界のスターであるシャバ・ランクスと手を組んだ。ランクスは二人によるゆったりとしたグルーヴに乗せて、ゲストのジョニー・ギルとともに自身の持ち味を存分に発揮している。
16. クライマックス「Wild Girls」
1982年に発表された「Wild Girls」はジャム&ルイスの初期の作品にして、魅惑的で楽しげなサウンドの1曲だ。ファンキーなリズムと多幸感溢れるハーモニーが武器の同曲には、その後の二人のサウンドの進化を予感させるヒントがたくさん詰まっている。
17. マイケル・ジャクソン&ジャネット・ジャクソン「Scream」
時代を象徴する二人のポップ・スターが手を組んだ「Scream」は、それまで兄妹のどちらも歌ったことのない曲調の1曲だった。同曲ではドラム中心のミニマルなグルーヴに乗せて、マイケルとジャネットが ―― メディアから警察組織の腐敗まで ―― あらゆるものへの怒りをぶつける。革新的で未来的なビデオも制作されたことで、同曲は現在でも強烈なインパクトを残す名曲であり続けている。
18. ジャネット・ジャクソン 「Control」
長年に亘り、ジャム&ルイスはさまざまなアーティストたちと仕事を共にしてきた。その中でもジャネット・ジャクソンは、彼らにとってのインスピレーションの源泉だった。彼女とのコラボレーションを通して、彼らはもっとも大きな成功を手にしてきたのである。1986年に発表した「Control」で三人は従来的なポップ・サウンドから脱却し、ジャネットはポピュラー音楽界の頂点に立った。攻撃的で激しい作風の同曲は、世界を手中に収めるに相応しい”大人のジャネットの姿”を見せつけた名曲である。
19. ジャネット・ジャクソン 「Rhythm Nation」
三人はそれから3年後に「Rhythm Nation」で再びコラボレーションを果たした。同曲は、サウンド面でもコンセプト面でもジャネットにとって大きな挑戦となった力作。社会環境の改善や人種間の団結を歌った歌詞や、素晴らしいミュージック・ビデオも強い印象を残す。そんな「Rhythm Nation」は、ジャネットが野心的なビジョンと並外れた集中力をもつポップ・スターであることを世界に示す1曲となった。
20. ジャネット・ジャクソン「That’s The Way Love Goes (それが愛というものだから)」
そして1993年にジャネットは、4年近い空白期間を経て「That’s The Way Love Goes」を発表。爽やかで品のあるこの曲は、見事なカムバック作として高い評価を得た。同曲における洗練されたグルーヴや軽快なドラムは、ハニー・ドリッパーズの「Impeach The President」をサンプリングしたもの。その助けもあって、「That’s The Way Love Goes」はそのころ発展途上にあったヒップホップ・ソウルのサウンドをジャネットらしくアレンジした1曲となった。白昼夢のように艶めかしく官能的なこの曲は、多数のヒット曲を生んだ彼らのコラボレーションの中でも屈指の完成度を誇っている。
リストから漏れていると思うジャム&ルイスの名曲があれば、コメント欄を通じ、知らせて欲しい。
Written By John Morrison
最新ベスト・アルバム
ジャネット・ジャクソン『JANET JACKSON Japanese Singles Collection』
2022年8月24日発売
CD購入
2SHM-CD+1DVD(CD全38曲/DVD全44曲収録)
- ジャネット・ジャクソン アーティストページ
- ジャネール・モネイによるジャネット“ロックの殿堂入り”祝福スピーチ
- 【前半レビュー】ドキュメンタリー『ジャネット・ジャクソン 私の全て』
- ジャネットの日本盤シングルとMVを収録したベスト盤、8月に発売決定
- 『Rhythm Nation 1814』:制作中に90年代の‘国歌’になるかもと言った傑作
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