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ビーチ・ボーイズの初であり”ほぼ唯一”の全米アルバム1位はライブ盤『Beach Boys Concert』
1964年が終わるまでに、アメリカのトップグループの一つとして世間に認められたビーチ・ボーイズ。3年足らずで、全米シングルチャートに17曲以上がランクインし、そして1964年に初めて「I Get Around」で全米1位に輝いた。
今や国際的魅力を持ったバンドの彼らは、1964年の初めに彼らの初となる海外ツアーを実施。オーストラリア・ツアーを行ったあと、初のアメリカツアーを遂行。そして11月には初のプロモーションツアーとしてイギリスを回った。その時のバンドで唯一手にしていないものは全米アルバムチャートの1位だったが、同じ年の12月5日に、彼らの初ライブ・アルバムがチャート1位を獲得することになった。
そのアルバム『Beach Boys Concert』は主に、彼らの地元であるカリフォルニア州サクラメントのシビック・オーディトリウムで8月1日に開催された際に録音されたものだった。グループはその時までにすでにチャート入りしたアルバムが6枚あり、そのうちの4枚はゴールド、そして中でも1963年後半にリリースされた『Little Deuce Coupe』はプラチナ・アルバムとなっていた。
このライブ盤は、終わろうとしていたあの時代のかけがえのない貴重な記録である。なぜなら、ブライン・ウィルソンはスタジオ活動に専念するためにビーチ・ボーイズのツアーからリタイヤしようとしていたからだ。アルバムには、サクラメントはもちろん、1963年の年末に行ったライブからも幾つかの音源を収録し、若さ溢れるグループの活動がとらえている。
「Fun, Fun, Fun」や「Little Deuce Coupe」、「I Get Around」など彼ら自身のヒット曲から、ディオンのヒット曲「The Wanderer」やチャック・ベリーの「Johnny B. Goode」、さらにはボビー・ボリス・ピケット & ザ・クリプト・キッカーズの1962年のヒット曲「Monster Mash 」など、面白いロックンロールのカバー曲たちがアルバムには収録されている。
1964年12月、彼らのアルバムはバーバラ・ストライサンドの『People』から首位の座を奪い、その後、新年に突入するお祝いムードの間中、アメリカで1位の座を4週間も守り続けた。しかし彼らはスタジオ・アルバムでビルボード・チャートのトップを獲得することは一度もなく、このライブ・アルバム以外では1974年にリリースしたベスト・アルバム『Endless Summer』のみが全米1位を獲得しているアルバムとなる。
Written By Paul Sexton