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ガンズ・アンド・ローゼズのメンバーによる『Appetite For Destruction』発売当時の楽曲解説

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Photo: Paul Natkin/WireImage

1987年7月21日に発売された『Appetite For Destruction』。この名盤のスーパー・デラックス・エディションとボックス・セット『Locked N ‘Loaded』は、ガンズ・アンド・ローゼズのデビュー・アルバムのリスナーに顔面殴打の衝撃を浴びせるリマスター盤というだけでなく、あの伝説的なレコードがどのように作られたのかをつぶさに知ることのできるアウトテイクがふんだんに収められたパッケージになっている。

デビュー・アルバムがリリースされた当時、彼らが語っていたこのアルバムについてのインタビューを掲載。

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「Welcome To The Jungle」

アクセル:オープニングは(ガンズ・アンド・ローゼズを)象徴するような曲がいいと思った。歌詞はシアトルで書いた。大都市なんだがL.A.とかと比べるとやはり小さな街なんだ。思っていたよりもずっと田舎っぽい。L.A.が自分にとってどんな場所なのかを書いている。もし誰かが何かを探しにこの街にやって来るとしたら、それが何であれ見つけられる場所だ。

イジー:ハリウッドの街のこと。そのままだよ。

スラッシュ:アクセルに作詞で手を貸してもらった曲。リフは俺がずっと温めていたもの。

アクセル:確か3テイクで完成したと思う。アルバム全体がそんな感じだった。だいたい2回か3回のテイクだね。自然体のサウンドがキープできるのはそのあたりまでだよ。それ以上テイクを重ねると、その曲本来の感覚が失われてしまう。

Guns N' Roses – Welcome To The Jungle

 

「It’s So Easy」

ダフ:ウェスト (・アーキーン) と俺が書いた曲。自分とあいつと、それとバンドの他のメンバー達が苦労していた頃の記録かな。カネはなかったけど、俺たちが当てにしていけるぐらいの取り巻きや女の子達はいたから…なんにしたって気楽なものだった。何もないからね、楽なんだ。

アクセル:低い声で歌ったのは、そのほうが曲の感じに合ったから。深い考えがあってのことじゃない。ただやってみたっていう感じ。もっとたくさんの曲でこんな風に歌えばいいのにと言われるけど、曲に合う歌い方っていうのがあって、他の曲とは違う歌い方をしたほうがいい曲だった。ハードでタイトでシンプルな、パンクな曲。イギリスに行った時、パンクが死んで10年経ったって言われて、俺はこう返した「それは変だな。アメリカじゃそんな話は聞かない」って。

Guns N' Roses – It's So Easy

 

「Nightrain」

スラッシュ:「Nightrain」は「… Jungle」はみたいな曲だ。このバンドが何なのかっていうことをよく表していると思う。この曲が最初にできたのは、確かみんなでレインボーにヒッチハイクで行って、トルバドールまで歩きながら「Nightrain」を大声で歌い始めたんだ。酔っ払ってたね。

ダフ:ガーデナー・ストリートのスタジオに住んでたんだ。そこに一部屋小さいのがあって。カネはなかったけど1ドルか2ドルどっかから引っぱり出して酒屋に行ってたよ。1ドルあれば思いっきり酔える”Nightrain”っていう銘柄のワインをその酒屋で売ってたんだな。5ドルあったら十分だった。そいつで俺たちはしのげたわけさ。

アクセル:歌詞について言えば、本気で夢中になっている時の姿勢を表している。「かもしれない」なんて感じじゃなく、ぶれない気持ちをね。

 

「Out Ta Get Me」

アクセル:歌詞に「始終トラブルに見舞われているけどなんとかやれている (I’ve always been in trouble but I’m still handling it)」っていうフレーズがある。さぁこれからっていう時に限って、誰かがカネ絡みの厄介事を仕掛けてきたり、何をしたわけでもないのに警察が家にやって来たりね。無理やり何かを強制される、でもどうにかしてそこから抜け出したいって。親とか教師とか教会の説教師とか、そういう類のやつらのこと。最後の部分はスラッシュと俺でジョークのつもりで入れた。なぜ俺たちはたまにケンカするのか、とか、なぜ酔っぱらいを見ると腹を立てる奴がいるのかとか、そういう話をしてたんだ。こっちが酔っ払うようなウィスキーを買ったのはそっちの方だろうにってさ。俺のことを不機嫌で鬱陶しいって言う連中がいるんだよ。

スラッシュ:他人にわかるように説明するのは難しいな。デビュー前の俺たちは最も反抗的なバンドの1つだったんだ。四六時中、どこにいても嫌われてた。今じゃ契約も交わしたし、俺たちがやることを気に入ってくれるのもいるから昔ほどじゃなくなった。でも始めの頃はあちこちからいろんな連中が難癖をつけにやって来た。ガンズ・アンド・ローゼズがどうだこうだ、そいつらをこっちに入れるな、これをやらせるな、あれをやらせるな、見張っておけ、もう次から次へとあれこれ言われていたっけね。

 

「Mr Brownstone」

アクセル:俺たちがファウンテンやラシエネガを出ていく時に最後に出ていったのが俺だったんだけど、イジーとスティーヴンの部屋がある隅に丸めた黄色い紙があったのに気がついたんだ。「Mr. Brownstone」の歌詞が書いてあった。それを読んで俺は「これはすごい」って思ったよ。2人が曲もあるぞって言ったんで、リハーサルをやろうっていうことになったんだ。

スラッシュ:多くの人がこの曲を誤解している、ドラッグのことだと思ってる。俺たちがいつもドラッグをやっているといっているんじゃなくて、他の連中のドラッグの習慣について言っているんだ。聞いてみて自分がしていることを少し考えてみる、そういうのにちょうどいい曲だ。自分自身を見つめてみるんだ。

イジー:百万人いれば百万通りの意味にとれる曲だね。例えばツェッペリンの歌を聞いて何を思う?俺だったら「Custard Pie」は何のことかとワイルドな想像を膨らませるね。

 

「Paradise City」

ダフ:引っ越しをして初めてL.A.に行った時に考えたコード進行で、まだ知っている人が誰もいなくて少し落ち込んだ気分だった。何かを求めて手を伸ばすみたいな、そんな気分だった。

スラッシュ:俺たちにとっての最高の曲はいつもコラボレーションから生まれた曲なんだ。バンド・メンバー全員で座ってそれぞれの意見を交換して、それをまとめて全員が楽しんでプレイできる曲にする。これが最良の方法だね。

アクセル:ヴァースの歌詞は主にジャングルにいる時のことで、コーラスは中西部やどこかに戻っている感じかな。小さかった頃に青い空を見上げて「わあ、なんだこれ!めちゃくちゃでかいな!」って言ってたのを思い出す。曲の一部にぐっと落ち着いた雰囲気になる箇所がある。そこに俺のヴォーカルの重ね録り(5トラック分)をしたら、アイルランドとかスコットランドの古い曲みたいな感じになった。変な話だけど、ヨーロッパで売れるなんて予感がしたよ。

Guns N' Roses – Paradise City (Official Music Video)

 

「My Michelle」

アクセル:ミシェルっていう女の子がいるんだけど、その子は俺たちバンドとすごく仲良くなってね。俺は一時期彼女とデートしていたこともある。歌詞は実話。スラッシュとバンドの他のメンバー達は、あんないい子のミシェルのことを書くなんてかわいそう、厳しすぎるだろって言っていたよ。あの子がどうにかなっちゃうぜと。俺は最初、彼女についての素敵でロマンチックな曲を書いた。でも後から改めて読み返してみたらリアリティーがどこからも感じられないと思ったので、正直なところを足した。彼女の人生が描かれている……だから3週間ぐらい悩んだけど結局俺は彼女に歌詞を見せたんだ。そうしたら、きれいごとばかりの内容じゃないところを喜んでくれた。彼女はこの曲を気に入っているよ。これは彼女にとっての本当の歌だからさ、ハッタリじゃなくてね。

 

「‘Think About You’」

イジー:ドラッグ、セックス、ハリウッド、そしてカネを歌ったクイックなラヴ・ソング。

 

「Sweet Child O’ Mine」

アクセル:この歌詞は書いている途中で煮詰まってしまって、しばらく放っておいたんだ。で、ある時スラッシュとイジーが一緒に曲を作っていた。そこに俺が入って、イジーがリズムを刻み出した。そうしたら突然この詩が頭に浮かんできた。自然と全部が一つになって形になったよ。多くのロック・バンドは腰抜けっていうか、連中は痛みを知らないからどの曲を聞いても何の感情も伝わってこない。この曲は俺が初めて書いたポジティブなラヴ・ソングだけど、ここまでポジティブに書いた奴はいなかったと思うね。

Guns N' Roses – Sweet Child O' Mine (Official Music Video)

 

「You’re Crazy」

スラッシュ:この曲を演っている時は自分が何を弾いているのかわからなくなる。自分にとって強烈に盛り上がる曲で、俺はそこらを走り出してしまう。普段は音楽に集中してできるだけ冷静を保つんだけど、この曲だけはダメだ。同じソロを毎晩弾くこともしないよ。自分の波長がいつも同じなわけじゃないからね。

 

「Anything Goes」

アクセル:最初はものすごく速いテンポでプレイしていた曲だね。その後、古いスタジオにいた頃に別ヴァージョンを作って、それはしばらくキープしておいたんだ。でもいざレコーディングするとなった時、俺たちはこの曲を録りたいと思ってなくて。ところがトム・ズタート (ゲフィン・レコードのA&Rマン) が絶対にレコーディングしたいと言い張っていたから「じゃあ作り直さないと」と考えた。プリ・プロダクションの時に前よりもずっといい感じなのが出てきたよ。でも歌詞は夜レコーディングをしている時まで仕上がってなかったね。

 

「Rocket Queen」

アクセル:“Rocket Queen”っていう名前のバンドを結成しようと考えている女の子のことを曲にしたんだ。彼女にはちょっと世話になったな。曲の最後の部分はその子への、もしくはいい思いになれる誰であれに向けての俺からのメッセージ。明るくなれるような、気の利いた挨拶みたいなものを曲の終わりに足したんだ。この曲のために色んな人と頑張ったなあ…セックスの最中を録音するっていう、さ。成り行きでそうなったっていう面もあり、あらかじめ考えにあったっていう面もありだけど、とにかく俺はアルバムに入れたかったんだ。


『Appetite For Destruction』

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