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エイミー・ワインハウス『Back To Black』:イギリスからアメリカにも広まった名作アルバム
2007年初頭、エイミー・ワインハウスは既にイギリスで大変な興奮を巻き起こしていた。その圧倒的な人気は、アメリカのレコード業界も見過ごせないものになっていた。
このセンセーショナルなイギリス人歌手のデビュー・アルバム『Frank』(2003年発表)は全米チャートに入らずじまいだった。一方、当時の全英チャートでは最高13位を記録。母国イギリスでも、このデビュー作は大ヒット作というよりもむしろ評論家のお気に入りどまりだった。しかしセカンド・アルバム『Back To Black』の発表で状況は一変。それから数年に渡って、どちらのアルバムも全英チャートに居座ることになる。
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マーク・ロンソンがプロデュースした『Back To Black』は、コンテンポラリー・ソウル・ミュージックの傑作としてイギリスで広く絶賛された。全英チャートでは2006年11月に初登場3位を記録するも、その4週間後にはトップ40圏外に去っている。しかし「Rehab」が初のヒット・シングルとなり、年明けにも「You Know I’m No Good」が続いてヒットすると、その影響はアルバム・チャートにも及び始めた。
2007年1月後半に『Back To Black』は全英チャートの首位に初めて到達。それからの48週間は、ほぼトップ10に留まっていた(2週間のみトップ10圏外)。こうなるとアメリカもエイミー・ワインハウスを見過せなくなり、このアルバムは3月31日の全米チャートに姿を見せた。
ユニバーサル・リパブリックからアメリカ盤『Back To Black』が発売される直前、同レーベル上級副社長キム・ガーナーはBillboard誌の記事中でこう語っている。
「全体的に、反応は驚きの一言です。エイミーはニューヨークで2度ライヴをやり、どちらも大成功でした。ライヴ評では絶賛の嵐です」
その1月中旬に行われたジョーズ・パブでのライヴは、エイミー・ワインハウスにとってアメリカでの初のライヴとなった。
『Back To Black』は全米チャートでは最高2位を記録。2007年5月にはゴールド・ディスク、7月にはプラチナ・ディスク、翌年の3月にはダブル・プラチナ・ディスクに認定された。しかし発売当時、エイミー・ワインハウスは彼女らしい愉快な口調で、このアルバムには売れ線狙いの面などないと述べていた。
前述のBillboard誌の記事には、エイミー・ワインハウスのこんなコメントが載っている。
「音楽をやったりライヴをやったりするのは大好き。そういうことをやるチャンスをもらえたのは本当にありがたいことだけど、正直言って、私は統計分析とかやるタイプの人間じゃない。私はただの“芸人”だから」
Written by Paul Sexton
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