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ビリー・ホリデイの知られざる人生を描いた伝記映画『The United States Vs. Billie Holiday』が製作中
伝記映画『The United States Vs. Billie Holiday』は、史上最も偉大なジャズ・シンガーの1人であるビリー・ホリデイ(Billie Holiday)の人生における、ある知られざる一幕を描いた作品だ。
まだ公開日は決定していないが、今作には歌手のアンドラ・デイ(Andra Day)がビリー・ホリデイ役で、ナターシャ・リオン(Natasha Lyonne)がタルラー・バンクヘッド役で、トレヴァンテ・ローズ(Trevante Rhodes)が潜入捜査官のジミー・フレッチャー役で出演する他、データバンクimdb.comに登録されている情報によると、他にもギャレット・ヘドランド(Garrett Hedlund)、ロブ・モーガン(Rob Morgan)、ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(Da’Vine Joy Randolph)らがキャストに名を連ねている。
“知られざる公民権運動の戦士”
今作の監督で、過去に『プレシャス』『ペーパーボーイ 真夏の引力』『大統領の執事の涙』などの作品を手掛け、TVシリーズ『Empire 成功の代償』で製作総指揮を務めたリー・ダニエルズ(Lee Daniels)は、この映画が扱う主題の重大さについて、Varietyにこう語っている。
「今世の中が、何世紀にもわたって続いてきた黒人抑圧という問題に目を向けざるを得ない中、体制的な人種差別と社会的不正に光を当てた“The United States Vs. Billie Holiday”が、この重要な話題に加われることを願っています。また、この重大な裁きの時代において、知られざる公民権運動の戦士だったビリー・ホリデイの人生と芸術性を祝うことが必要不可欠だと感じています」
同映画は、イギリス人作家兼ジャーナリスト、ヨハン・ハリ(Johann Hari)の2015年の著書で、“薬物戦争”として知られる薬物犯罪の歴史と影響を調査した『Chasing the Scream: The First and Last Days of the War on Drugs』を原作に、ピューリッツァー賞受賞歴を誇るアメリカ人劇作家で、脚本家、ミュージシャン、小説家としても知られるスーザン=ロリ・パークス(Suzan-Lori Parks)が脚本を手掛け、ハリー・アンスリンジャー(Harry Anslinger)率いる連邦麻薬取締局の潜入捜査官に何年も狙われていた時期のビリー・ホリデイを描いている。
ヨハン・ハリは、ビリー・ホリデイの知られざる一面を追いかけようという自身の欲求は、彼女の人種的不公平に対する率直な姿勢に駆り立てられたと記している。ビリー・ホリデイが、最初に潜入捜査の標的になったのは、ソングライター兼詩人のエイベル・ミーアポルが白人集団からリンチされ木に吊るされた黒人男性の写真から衝撃を受けて書いた曲で、黒人の人種差別を告発するプロテスト・ソングとして知られる「Strange Fruit(邦題:奇妙な果実)」を歌った後だった。
Written By Paul Sexton