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ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの新たなドキュメンタリー映画製作決定
『エデンより彼方に』、『キャロル』そしてグラム・ロックを描いた『ベルベット・ゴールドマイン』など名高い映画を制作した監督トッド・ヘインズが、キラー・フィルムズのクリスティーン・ヴァションとデヴィッド・ブラックマン、ユニバーサル・ミュージック・グループと組み、オルタナティヴ・ロック史上最も影響力のあったバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを描いたドキュメンタリーの制作を発表した。トッド・ヘインズがドキュメンタリーを制作するのは今回が初となる。
オレゴン出身の監督、脚本家、そしてプロデューサーであるトッド・ヘインズは、現在開催中のロカルノ国際映画祭(8月2日から8月12日まで開催)でこのヴェルヴェット・アンダーグラウンドのドキュメンタリーに取り組むことを認めた。トッド・ヘインズは同映画祭にて功労賞に当たる名誉金豹賞を受賞する予定だ。トッド・ヘインズの長編デビュー作『ポイズン』がスイスのこの映画祭のコンペティションで選ばれ、北米で最も名誉あるインディのフィルムメーカーのキャリアを立ち上げるきっかけとなってから26年経っての受賞となる。
この新しいドキュメンタリー制作が発表されたのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビュー・アルバム『The Velvet Underground & Nico』の50周年記念の直後であった。
現在まだタイトルがついていないこの作品についてはトッド・ヘインズは「もちろんアンディ・ウォーホルの映像にも頼るが、今では失われてしまい、どんどん遠ざかってしまっている実験映画の豊かなカルチャーに力を借りるよ」とヴァラエティ誌に話している。
また、バンド自体に関する文献も少ないことからこれは「チャレンジ」になるとトッド・ヘインズは語る。そして「リサーチやヴィジュアルを合わせることへの期待感に溢れているし、資料や素材、アーカイヴの映像、映画そのものと実験的な作業に没頭することを非常に楽しみにしている」とも語った。
トッド・ヘインズは、現存するバンド・メンバーや1960年代のアーティスティック・ムーヴメントの生き残りの人々へのインタビューも含める意向だ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは「映画、現代アート、そして非常に豊かだった1960年代のニューヨークにおけるメインストリームの消費者文化への拒絶という真に実験的な断面から生まれた」とロカルノ国際映画祭で話した。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドはまた‘パラドクシカル(逆説的)’でもあると言う。「最も影響力のあるバンドだった。ブライアン・イーノが言ったようにアルバム『The Velvet Underground & Nico』を買った人はみんな自分でバンドを始めたよ」とトッド・ヘインズは話した。
Written By Tim Peacock