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ザ・フーの名作『四重人格』をもとにしたバレエ公演がUKで初上演決定
ピート・タウンゼント(Pete Townshend)が生んだザ・フー(The Who)による1973年の傑作アルバム『Quadrophenia(四重人格)』をもとにした新たなバレエ公演『Quadrophenia, A Mod Ballet』が世界初上演されることが発表となった。
アルバム『Quadrophenia』は、カルト的な人気を博した1979年の名作映画『さらば青春の光』(原題:Quadrophenia)のストーリーに影響を与えたことでも知られている。
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『Quadrophenia, A Mod Ballet』は、シアター・ロイヤル・プリマス 、エディンバラ・フェスティバル劇場、サウサンプトンのメイフラワー劇場を巡演した後、2024年6月24日から7月13日までロンドンのサドラーズウェルズ劇場で公式上演される。また、2025年にはサルフォードのザ・ローリーでも上演される予定だ。
レイチェル・フラーとマーティン・バチェラーがオーケストラ編曲を手掛け、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートで初披露された『Quadrophenia』のオーケストラ・ヴァージョンが、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団によって録音され、今回の新たな舞台の音楽として起用される。
関係者のコメント
ポール・ロバーツが振り付け、ロブ・アシュフォードが演出を手掛ける今回の舞台は、新たなオーディエンスにこの作品を紹介することになるだろう。制作関係者のコメントは以下の通り。
ピート・タウンゼント
『“Quadrophenia”は、私が単独で作曲とプロデュースを手がけた唯一のザ・フーのアルバムであり、1979年に公開された映画は、当時の最も優れた若手俳優たちのキャリアをスタートさせました。2016年、レイチェル・フラーはこのアルバムのオーケストラ・スコアを制作することに合意してくれました。ヴォーカルなしのこのヴァージョンのデモを初めて聴いたとき、私が最初に思ったのは、力強くリズミカルで感情的に引き込まれるバレエ作品になるだろうということでした。2023年にワークショップを行い、その思いが現実のものとなったとき、他のヴァージョンがそうであったように、またこの先何十年もの間、新たな観客の心に響き、喜びをもたらすものができたと確信しました。困難な時代の中で成長する若者たちというテーマは、現代においてもとても重要なのです。痛快で、優しく、詩的で壮大な作品になるでしょう」
デヴィッド・ジョセフ(ユニバーサル ミュージックUK 会長兼CEO)
「レイチェルとピートが、並外れた新しいアレンジを施した“Quadrophenia, A Mod Ballet”のアイデアを私のところに持ってきたとき、それはおそらく私が経験した中で最も簡単に“よしやろう”と言えた瞬間のひとつでした。アリスター(・スポルディング)やサドラーズウェルズのチームとは長い付き合いですので、次のステップは明白でした。彼らもすぐにその価値を理解してくれました。このプロジェクトにおける唯一の条件は、芸術的および創造的な卓越性でしたが、それぞれのパートナーはそれを十分に発揮してくれました。最後に、ポール・ロバーツに感謝します。彼の天才的な才能のおかげで、舞台全体が私たちの誇れるものになりました」
アリスター・スポルディング(サドラーズウェルズ劇場 芸術監督兼共同CEO)
「サドラーズウェルズにとって、このユニークな作品の共同制作者、リード・プロデューサーを務められるのは名誉なことです。“Quadrophenia”は、ダンスを通して語られるべき物語であり、この才能豊かなクリエイティブ・チームとなら、その可能性を最大限に引き出せることを確信しています。ピート・タウンゼントと彼のチーム、そして私たちの頻繁なコラボレーターであるユニバーサル・ミュージックUKと緊密に協力しながら、このザ・フーのディスコグラフィーの名作を、現代にとってパワフルで意義深い物語に仕上げるために各自が特別なスキルと知識を持ち寄ることできるのです」
Written By Tim Peacock
ザ・フー『Quadrophenia(四重人格)』
1973年10月26日
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