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海外リリース訳:ローリング・ストーンズ『GOATS HEAD SOUP / 山羊の頭のスープ』新装版

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Photo by Aubrey Powell

ザ・ローリング・ストーンズの比類なきカタログを飾る貴重な宝石が、再び栄光に浴する時が来た。2020年9月4日、1973年の名盤『GOATS HEAD SOUP / 山羊の頭のスープ』が、マルチ・フォーマットで再発売されることが決定した。アルバムは、未発表のスタジオやライヴ素材の宝の山を含む3CD+Blu-rayと4枚組LPのそれぞれのボックス・セット・エディションなど、複数の形態で発売。

ザ・ローリング・ストーンズは、最近8年ぶりの新曲となった「Living In A Ghost Town」を発売して大成功を収め、また、4月に行なわれたグローバル・シチズン主催の〈One World: Together At Home〉でもロックダウン状況下で「You Can’t Always Get What You Want / 無情の世界」のパフォーマンスを行ない、世界的な評価を高めた。今回のリイシューは、それらに続くものとなる。

『GOATS HEAD SOUP』のボックス・セットと2枚組デラックスCD、デラックスLP盤には、すべてオルタネイト・ヴァージョン、アウトテイク、最低3曲の未発表曲などを含むボーナス・トラックが付属する。未発表トラックで最初に解禁されるのは「Criss Cross」で、ストリーミングとダウンロード・サービスを含むアルバムの事前予約で即、聴くことができる。

The Rolling Stones – ⤫ CRISS CROSS (Official Video)

世界中のストーンズ信奉者たちは、未発表だったジミー・ペイジのギターをフィーチャーした「Scarlet」、そして3曲目の未発表曲として「All The Rage」が、ボックス・セットとデラックス・エディションに含まれることにゾクゾクするだろう。

「Scarlet」の層になった分厚いギターは、バンドがこの神聖な時代にレコーディングした他の曲と肩を並べるほどにみだらな雰囲気でキャッチーだ。この曲ではジミー・ペイジがゲストとしてミック&キースと演奏しているが、他にも元ブラインド・フェイスのリック・グレッチがベースで参加している。

「All The Rage」は、ワイルドで、「Brown Sugar」のような誇らしげな雰囲気が感じられる。そしてパーカッションが目立つ「Criss Cross」は、ストーンズのみが可能な形で堂々とロックしている。未リリースのヴァージョンが収録されているボーナス・ディスクには、ストーンズの身内であり、有名プロデューサーのグリン・ジョンズの手による未発表のミキシングも収録されており、「100 Years Ago」や「Hide Your Love」などの曲に、新たな光を投げかけている。

『GOATS HEAD SOUP』のボックス・セットには、アルバムが8月にリリースされたのちに行なわれた1973年秋のツアーからのベルギーでの思い出深いコンサートの15曲をライヴ・アルバムにした『Brussels Affair』も含まれる。このディスクは、ボブ・クリアマウンテンがミキシングを行なって、以前は2012年にローリング・ストーンズの“オフィシャル・ブートレグ”シリーズのみで発売され、大人気だったものだ。

ブリュッセルのコンサートでは、すでにスタンダード曲になっていた「Tumbling Dice」、「Midnight Rambler」、「Jumpin’ Jack Flash」や、他にも数多くの曲が演奏され、当時発売されたばかりのニュー・アルバムから「Star Star」、「Dancing With Mr D」、「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)」、そして「Angie」が立て続けに演奏されていた。

加えて、CDとLPのボックス・セットには、オリジナルの10曲を5.1サラウンド・サウンド、ドルビーアトモス、そしてハイレゾ・ミックスしたヴァージョンを収録。「Dancing With Mr D」、「Silver Train」そして「Angie」のビデオも共に収録されている。また、イアン・マッキャノン、ニック・ケント、ダリル・イースリーなどの作家によるエッセイや、大量の写真をフィーチャーした100頁の本、そして1973年のオリジナルを忠実に再現したツアー・ポスター4部も付属。

イアン・マッキャンは以下のように書いている。

「『GOATS HEAD SOUP』は、かなりの鳴り物入りでリリースされた。今、君たちが本などで読んでいる情報とは異なるかもしれないが、1973年当時の子供たちはまだグラム・ロックや、メタル、プログレやフィラデルフィア・ソウルなどに完全に取り込まれていたわけではなかった。そしてそのような彼らが何万枚とアルバムを購入して、このアルバムはアメリカとイギリスで1位になり、5週連続でイギリスのチャートのトップに輝いたアルバムとなったのだ」

彼らにとってイギリスでは11枚目のスタジオ・アルバムで、ジャマイカ、ロサンゼルス、ロンドンでレコーディングされ、プロデューサーのジミー・ミラーと最後に組んだアルバムとなった『GOATS HEAD SOUP』は、ストーンズのランドマークとなった1972年のアルバム『Exile on Main St / メイン・ストリートのならず者』に続いて発売された。アルバムの発売前にリリースされたシングル「Angie」は、ミック・ジャガーとキース・リチャーズが、スイスで行なわれた曲作り作業の最中に書いたもので、彼らのバラードの中でも最も優れたエレガントな曲として知られている。

ジャガーの切ない嘆きのリード・ヴォーカルとニッキー・ホプキンスの美しいピアノの旋律が印象的なこの永遠のラヴ・ソングは、アメリカで1位を獲得し、プラチナ・レコードに輝いた。この曲はヨーロッパや、オーストラリアなどでも1位を記録した。

「俺たちは、少し違うことをしようと決めて、それがうまくいったんだ」と、リチャーズは「Angie」についてローリング・ストーン誌にこう語った。「今までストーンズのLPなど買ったことのなかった多くの人たちも買ってくれたと思う」。面白いことに、ニューヨーク・タイムズ紙での最近のインタヴューで、自分が書きたかったローリング・ストーンズの曲を3曲上げてくれと言われて、ボブ・ディランは「Angie」をそのうちの1つとして選んでいた。

デヴィッド・ベイリーのジャケット写真で有名な『GOATS HEAD SOUP』は、ジャガー、リチャーズ、ミック・テイラー、ビル・ワイマン、チャーリー・ワッツと重要なコラボレーターたちをフィーチャーした1969年から1974年のストーンズのヴィンテージ・ラインナップによる作品だ。このアルバムでは、彼らのトレードマークでもあるロックしたサウンドに加えて、少し控えめな、内省的な曲も登場している。このアルバムだけで最低4人のピアニストが参加している。ニッキー・ホプキンス、ビリー・プレストン、イアン・“スチュ”・スチュワート、そしてジャガー自身である。

イギリスでこのアルバムからシングル・カットされたのは「Angie」1曲だった。この曲は9月に5位にランク・インしている。アメリカでは、やたらファンキーで、ホーン・セクションがにぎやかな「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)」もシングル・カットされた。ミック・テイラーのワウワウを効かせたリード・ギターが印象的なこの曲は、1974年2月にトップ20に入った。

The Rolling Stones – Angie – OFFICIAL PROMO (Version 1)

このアルバムの他のハイライト曲は、陰鬱な音で始まる「Dancing With Mr D」、しなやかで気取った感じの「100 Years Ago」と「Star Star」、そして優雅な「Winter」。リチャーズの悲しげなリード・ヴォーカルの「Coming Down Again」では、もう一人のストーンズの常連、サックスのボビー・キーズがフィーチャーされている。「Angie」のB面にもなった「Silver Train」は、2014年のストーンズの〈14 オン・ファイアー・ツアー〉における東京とブリスベンの公演でミック・テイラーが40年の時を経て、オリジナルのギター・パートを再現した。

このアルバムが最初に発売された当初、評論家たちはこぞって褒め称えた。「この音楽は、互いのことをよく知り尽くしている素晴らしいミュージシャンたちだからこそ作れるものだ」と、絶大な支持を集めていたライター&DJの故チャーリー・ジレットはレット・イット・ロック誌に書いた。

「ストーンズの成功は、彼らが、ロックンロール・ドラマを作るという自分たちの目的を忘れることなく突き進んでいるからだ」とバド・スコッパはローリング・ストーン誌でこう書いている。「今後も日を追うごとにこのアルバムへの理解は深まり、今年一番の音楽体験となることは確実だ」。

スティーヴン・デモレストはサーカス誌で、このアルバムは「パフォーマンスに関しては常に努力を怠らないことが特徴のバンドが、全力で突進して、探求して、手際よく料理した結果である」と書いている。そして40年後、『GOATS HEAD SOUP』の拡張盤リイシューは、この意見が今でも正しいどころか、それ以上の存在になったことを証明している。

The Rolling Stones | Goats Head Soup 2020 | Deluxe Unboxing Video

ザ・ローリング・ストーンズ『GOATS HEAD SOUP 2020』
2020年9月4日
3CD+Blu-ray:スーパー・デラックス・ボックス<輸入国内仕様/完全生産限定盤>
2CD:デラックス
1CD
4LP:スーパー・デラックス・ボックス<直輸入仕様/完全生産限定盤>
2LP:デラックス<UNIVERSAL MUSIC STORE限定/直輸入盤仕様>
2LP:デラックス<直輸入盤仕様>
1LP <直輸入仕様>

TRACK LIST
CD1 – 2020 Stereo Mix
1. Dancing With Mr D
2. 100 Years Ago
3. Coming Down Again
4. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
5. Angie
6. Silver Train
7. Hide Your Love
8. Winter
9. Can You Hear The Music
10. Star Star

CD2 – Rarities & Alternative Mixes
1. Scarlet
2. All The Rage
3. Criss Cross
4. 100 Years Ago (Piano Demo)
5. Dancing With Mr D (Instrumental)
6. Heartbreaker (Instrumental)
7. Hide Your Love (Alternative Mix)
8. Dancing With Mr D (Glyn Johns 1973 Mix)
9. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) – (Glyn Johns 1973 Mix)
10. Silver Train (Glyn Johns 1973 Mix)
11. 100 Years Ago (Glyn Johns 1973 Mix) *日本盤のみのボーナス・トラック
12. Hide Your Love (Glyn Johns 1973 Mix) *日本盤のみのボーナス・トラック

CD3 – ‘Brussels Affair – Live 1973’
1. Brown Sugar
2. Gimme Shelter
3. Happy
4. Tumbling Dice
5. Star Star
6. Dancing With Mr D
7. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
8. Angie
9. You Can’t Always Get What You Want
10. Midnight Rambler
11. Honky Tonk Women
12. All Down The Line
13. Rip This Joint
14. Jumpin’ Jack Flash
15. Street Fighting Man

Blu-Ray (Audio+Video)
Dolby Atmos, 96kHz/24 bit high resolution stereo, and 96 kHz/24 bit DTS-HD Master Audio 5.1
1. Dancing With Mr D
2. 100 Years Ago
3. Coming Down Again
4. Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)
5. Angie
6. Silver Train
7. Hide Your Love
8. Winter
9. Can You Hear The Music
10. Star Star
+ Original Videos: Dancing With Mr D, Silver Train & Angie



 

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