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ザ・ビートルズ、アナログ盤ボックス『1964 U.S. Albums in Mono』発売。それぞれのバラ売りも

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世界的なビートルズ旋風の60周年を記念して、主に1964年にアメリカでリリースされたザ・ビートルズのアルバム群がモノ・ミックスの新たなアナログ盤として蘇る。7作品(8LP)すべてを収録したボックス・セットのほか、6作品は各アルバム単体でも発売される。発売日は2024年11月22日。予約はこちら

ボックス・セット『The Beatles : 1964 U.S. Albums in Mono』は、1964年1月から1965年3月までのあいだにアメリカでリリースされた7作のアルバムに焦点を当てたもの。それぞれのアナログは単体でも発売となり、オリジナル・モノ・マスターからカッティングした180グラム仕様となる。

これらの7作のアルバムは以下の通り。

① 『Meet the Beatles! /ミート・ザ・ビートルズ』
(キャピトル・レコード、1964年1月20日リリース、11週1位獲得)

② 『The Beatles’ Second Album / ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』
(キャピトル・レコード、1964年4月10日リリース、5週1位獲得)

③ 『A Hard Day’s Night / ハード・デイズ・ナイト(オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック)』
(ユナイテッド・アーティスツ、1964年6月26日リリース、14週1位獲得)

④ 『Something New / サムシング・ニュー』
(キャピトル・レコード、1964年7月20日リリース、9週2位獲得)

⑤ 『The Beatles’ Story / ザ・ビートルズ・ストーリー(ビートルズ物語)』(2LP)*ボックスのみに収録
(キャピトル・レコード、1964年11月23日リリース、最高位7位)

⑥ 『Beatles ’65 / ビートルズ ‘65』
(キャピトル・レコード、1964年12月15日リリース、9週1位獲得)

⑦ 『The Early Beatles / アーリー・ビートルズ』
(キャピトル・レコード、1965年3月22日リリース、最高位43位)

それそれオリジナルを忠実に再現したアートワークを使用。さらに、今回新たに付属する二つ折りのインサートには、米国のビートルズ研究家/作家のブルース・スパイザーによるエッセイが掲載される。また、ラッカー盤のカッティングは、ケヴィン・リーヴスがナッシュヴィルにあるイースト・アイリス・スタジオで新たに手がけられた。

また、日本唯一の公式オンラインストア THE BEATLES STORE JAPANでは、特典として、一部商品を対象とした、オリジナル配送箱での発送やTHE BEATLES STORE限定特典ロゴステッカーシートのプレゼントが決定。

さらに『Meet the Beatles!』のカラーLPがTHE BEATLES STORE JAPAN限定で発売され、『Meet the Beatles!』のアルバム・カバーをフィーチャーしたオフィシャルTシャツの販売も決定。Tシャツと『Meet the Beatles!』のセットを特別価格で購入できる商品もラインナップされている。予約はこちらから。

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The Beatles: 1964 U.S. Albums In Mono Vinyl Box Set

 

ザ・ビートルズ ファースト U.S.ヴィジット

1964年2月7日、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港には叫び声を上げる熱狂的なファンが多数詰め掛けた。この日はザ・ビートルズが初めてアメリカの地に降り立つ記念すべき日で、ファンたちはジョン、ポール、ジョージ、リンゴの姿を一目見るために集まったのだ。

また、その2日後の2月9日の晩、7,300万人のアメリカの視聴者や数百万人のカナダの視聴者はCBSにチャンネルを合わせ、ザ・ビートルズが”エド・サリヴァン・ショー”で米国のテレビに初出演するのを見届けた。そしてビートルズの面々が生放送で5曲を演奏したこの夜は、アメリカ文化の一つの分岐点となった。

The Beatles – I Want To Hold Your Hand – Performed Live On The Ed Sullivan Show 2/9/64

母国イギリスではすでに”ビートルマニア”の熱狂が最高潮に達していたが、その熱はアメリカにも波及しつつあった。その興奮が、この日をきっかけにアメリカをはじめとする世界各国で一気に爆発したのである。かくしてブリティッシュ・インヴェイジョンは始まったのだった。

 

アメリカでの最初のアルバム『Meet the Beatles!』

ビートルズの面々がこの歴史的な訪米を果たす少し前、米キャピトル・レコードは英EMIと契約を交わし、グループの楽曲のアメリカでの独占リリース権を獲得していた。そして長い歴史を持ち、すでに象徴的なレコード・レーベルとして知られていた同社は、1964年1月20日にすぐさま『Meet the Beatles!』をリリース。

全12曲のこのアルバムの収録曲の多くは、英国で発表された『With the Beatles』(1963年11月22日リリース)から取られていた。一方、グループの楽曲の独創性に焦点を当てたいと考えたキャピトルは、英国盤から5つのカヴァー曲を外し、代わりに3つのオリジナル曲(キャピトルからのビートルズの最初のシングルとなった「I Wanna Hold Your Hand / I Saw Her Standing There」の両面2曲と、英国での最新シングルのB面曲だった「This Boy」)を収録。

このアルバムは米国のチャートの首位に達し、11週に亘りその座に君臨し続けた。この作品を皮切りに、キャピトルがアメリカ市場向けに編集し、タイトルを付け、パッケージングしたビートルズのアルバムは、次々にヒットを記録していくのだった。4月の前半までに、『Meet the Beatles!』は360万枚以上の売上をマーク。シングルに関しては、4月4日にビートルズの作品がビルボード・ホット100のトップ5を独占するという、驚異的なチャート記録が生まれた。

 

2枚目『The Beatles’ Second Album』

そんな中でキャピトルは、4月10日に『The Beatles’ Second Album』を発売。全11曲のこの作品には、『Meet the Beatles!』から外された5つのカヴァー曲や、それ以前に米国でスワン・レコードやヴィージェイ・レコードからリリースされていた3つの楽曲、米国盤シングル「Can’t Buy Me Love」のB面に収録されていた「You Can’t Do That」、そして公開が近かった彼らの映画デビュー作『ア・ハ―ド・デイズ・ナイト(ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!)』に向けて行われたセッションで3月に制作された2つの新曲(「I Call Your Name」とリトル・リチャードのカヴァー「Long Tall Sally」)が収められた。

この『The Beatles’ Second Album』は発売されてすぐ、ビルボードのアルバム・チャートで『Meet the Beatles!』と入れ替わる形で1位になり、5週間に亘ってトップに立った。

 

3枚目『A Hard Days Night (Original Motion Picture Soundtrack)』

6月26日、ユナイテッド・アーティスツは『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』の米国でのサウンドトラック盤となる『A Hard Days Night (Original Motion Picture Soundtrack)』を急ぎリリース。映画自体は8月に全国公開される予定になっていた。このアルバムには軽快なタイトル・トラックのほか、「Can’t Buy Me Love」「And I Love Her」などを収録。ほかにもビートルズの5つのオリジナル曲と、ジョージ・マーティンがオーケストラ・アレンジを手がけたビートルズの楽曲のインストゥルメンタル・ヴァージョンが4つ収められていた。

同サントラ盤はビルボードのアルバム・チャートにて14週連続で1位を獲得。さらには計51週ものあいだチャートに留まり続けた。また、キャピトルは「A Hard Days Night 」をシングルとしてもリリース。こちらもビルボードのホット100チャートを制し、短期間で100万枚以上を売り上げた。

 

4枚目『Something New』

続いて7月20日、キャピトルは『Something New』を発表。こちらには映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』に使用された5曲と、「Things We Said Today」や「Any Time At All」を含むアメリカでの初収録曲6曲が収められた。この『Something New』は上述のサントラ盤を抜いての首位獲得こそならなかったが、ビルボードのアルバム・チャートで9週に亘り2位を記録した。

そののち8月に米国で公開された映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』は興行面で大ヒットとなっただけでなく、批評家からも高い評価を受けて米アカデミー賞でも2部門にノミネートされた。そして映画の公開から数日後にザ・ビートルズの面々は北米を再訪。8月19日から9月20日までの約1ヶ月間、アメリカとカナダで32公演を行う過密日程を駆け抜けた。

 

5枚目『The Beatles’ Story』

キャピトルが次にビートルズのアルバムをリリースしたのは11月23日のこと。その『The Beatles’ Story』のジャケットには、”2LPで描くビートルマニアの物語と音楽の伝記”と記されていた。同作は、メンバーたちのインタビューでの発言や、ビートルズの楽曲の断片、ホリーリッジ・ストリングスの演奏によるグループの楽曲のインストゥルメンタル・ヴァージョン、ジョン・バブコックらによるナレーションやビートルズの歴史に関する語りなど、雑多な音声素材を詰め込んだ魅力的な一作。見開きジャケットのLP2枚組という構成ではあったが、その再生時間はレコードの4面合計で約50分と比較的短かった。

 

6枚目『Beatles ’65』

そのあとキャピトルは1964年の締めくくりとして、先見の明が光る『Beatles ’65』をリリース。前作からほとんど期間を空けず12月15日に発売された同作のジャケットには”ジョン、ポール、ジョージ、リンゴによる素晴らしい新たなヒット曲が満載”と謳われていた。

このアルバムの収録曲のうち8曲は、イギリスで1位を記録した『Beatles for Sale』(12月4日リリース)から取られたもの。残る3曲は「I’ll Be Back」と英国での最新シングル(「I Feel Fine / She’s A Woman」)の両面で、いずれもアメリカでは初収録となる楽曲だった。ホリデー・シーズンに合わせて発売された『Beatles ’65』は最初の2週間だけで200万枚近くを売り上げ、9週に亘りビルボードのアルバム・チャートの1位に君臨。同チャートには合計で71週もランクインした。

1964年は”ポップ界のトップ”を目指していたビートルズの面々にとっても、米国での(そして世界中での)当たり年といえる一年だった。グループはこの年に17作のシングルを全米トップ40に送り込み、そのうち6作は1位に輝いた。アルバムについても6作が全米トップ10入りを果たし、うち4作でチャートの首位を獲得。その上、主演映画も大ヒットとなったのである。そうしてキャピトルは、新たな年を迎えるまでにビートルズのレコードを1,500万枚以上も売り上げていた。

 

7枚目『The Early Beatles』

1965年3月22日、キャピトルは『The Early Beatles』を発表。同作はアメリカでヴィージェイ・レコードからリリースされていた11のトラックから成るアルバムだった。その収録曲は、ヴィージェイが1963年2月に発売したシングル「Please Please Me / Ask Me Why」の2曲のほか、1964年1月に同社からリリースされたアルバム『Introducing… The Beatles』に収められていたもの。

なおヴィージェイは、1964年の前半に同アルバムの3つの収録曲(「Twist And Shout」「Do You Want To Know A Secret」「Love Me Do」)を米国でシングル・カットし、ヒットさせてもいた。それらの楽曲に対するキャピトルの米国での独占リリース権は、ヴィージェイとの合意によって1964年10月に発効。『The Early Beatles』は、それらの楽曲をキャピトルとして初めて扱った作品だったのである。

それから60年が経ったいまも、”ビートルマニア”の熱狂は薄らいでいない。新たな世代の人びとが彼らの音楽との嬉しい出会いを果たしてきたことや、ミュージシャン、映画監督、作家など様々な分野で活躍するファンがグループの音楽や文化への影響をそれぞれの独創的な方法で探求してきたことによって、ザ・ビートルズは消えることのない光を放ち続けてきたのである。

Written By uDiscover Team


ザ・ビートルズ『The Beatles: 1964 U.S. Albums in Mono
2024年11月22日発売
直輸入盤仕様/完全生産限定盤
8LPボックス / 限定カラーLP+Tシャツ / 単品 / カレンダー




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