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ザ・バンドの名曲「The Weight」を起用したバドワイザーの第58回スーパーボウル新CMが公開
ザ・バンド(The Band)の名曲「The Weight」が、バドワイザーの第58回スーパーボウルの新CMに起用されている。
インストゥルメンタル・バージョンで始まり、その後、原曲へと展開するこのCMでは、バドワイザーのシンボルとして親しまれている馬たちが、雪のため停電になった田舎町のバーにビールを届けるという感動的なストーリーになっている。予告編は以下よりご覧いただける。
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「The Weight」はザ・バンドが1968年に発表したデビュー・アルバム『Music From Big Pink』に収録されている。サイケデリック全盛期にリリースされたは同アルバムは、LSDによる幻覚体験や気分を高揚させる長いインストゥルメンタル演奏に依存するようになっていた当時の音楽シーンに一石を投じた。
このグループの控えめな名前から(スリーブにはバンド名すら記載されていないが、それまで彼らが一緒にツアーをしていた著名アーティストのバックバンドを務めていたことから“ザ・バンド”という名前を選んだ)、ボブ・ディランが描いたフォーク・アートのジャケットに至るまで、このアルバムは当時の難解な音楽シーンから真に新しいものを生み出した。
1968年7月1日にリリースされた『Music From Big Pink』はそれ自体が神秘性を放っていた。オープニングの「Tears Of Rage」、エンディングの2曲「This Wheel’s On Fire」と「I Shall Be Released」というボブ・ディランの楽曲で始まり、締め括られるこのアルバムは、その前年に彼らがディランと共に“ビッグ・ピンク“と名付けられた彼等の家で録音された悪名高い『Basement Tapes』の曲がどのように聴こえるべきだったかを初めて示唆するものだった。
ツアー終了直後となる1966年7月29日、バイクの事故で負傷したボブ・ディランが療養中にザ・バンドとビッグ・ピンクで行った1967年のセッションはすでに伝説となっており、海賊盤が流出したおかげで多くのカヴァーが生まれたが、1975年にはボブ・ディラン&ザ・バンドの名義で公式リリースされている。
ドラマーのレヴォン・ヘルムがリード・ヴォーカルをとるエモーショナルな「The Weight」は、このアルバムの核となっている。フォーク・ロックの傑作揃いのザ・バンドのディスコグラフィーの中でも、この曲は紛れもなく彼らの代表曲であり、今なお大きな影響力を持つアメリカーナ全盛期の不朽の名曲である。
Written By Jason Draper
ザ・バンド『Music From Big Pink(50th Anniversary Edition)』
1968年7月1日発売
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