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キャピトル傘下に入ったタムラ・レコードがナッシュビルを拠点に再出発
伝説的なタムラ・レコード(Tamla Records) がキャピトル・ミュージック・グループ(Capitol Music Group)の傘下に入り、ナッシュビルを拠点に再出発した。
1959年に モータウン・レコードの象徴的存在 であるベリー・ゴーディにより設立された同レーベルは、今後“信仰に基づく音楽(フェイス・ミュージック)のあり方を再定義する”ことを目指していく。
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タムラ・レコードの新代表には、モータウン・ゴスペルおよびタムラのシニア・バイスプレジデントであるウォルター・トーマスが就任した。彼は次のように述べている。
「タムラ・レコードは革新性、品質、芸術性の象徴であり続けています。この度、キャピトル・クリスチャン・ミュージック・グループの傘下で、私たちはそのレガシーを引き継ぎながら、ポジティブな音楽の可能性を押し広げる機会を得ることができました。私たちの使命はシンプルです。人々の人生を変えるような、前向きで力強い音楽を届けるアーティストたちの声を高めていくことです」
また、グラミー賞受賞ソングライター/プロデューサーの ロドニー・“ダークチャイルド”・ジャーキンス は、自身のレーベル“EVOLVE Music Group”を通じて、タムラ・レコードと提携し、新人アーティストの発掘・育成を行うことを発表した。彼は声明でこう述べている。
「ベリー・ゴーディは、アーティスト育成、卓越性、人々の心を動かす音楽という理念のもと、タムラを設立しました。そのビジョンは現在も受け継がれており、新章をスタートさせるにあたり、それを継承していくことを誇りに思います」
タムラ・レコードの現在の所属アーティストには、Childlike CiCi、Jordan L’Oreal、Emmanuel Da Prophet、Dante Bowe、Lee Vasiら名を連ねている。また、同レーベルはAMGミュージック・グループ(アンダーソン・ミュージック・グループ)とパートナーシップも締結している。タムラの現レーベル・チームには、A&Rシニア・ディレクターのアレックス・ダラー、マーケティング・シニア・ディレクターのジャスティン・トムリンソン、A&Rディレクターのジャスティン・ピアソンらが参加している。
1959年、ベリー・ゴーディは家族から800ドルの融資を受けてタムラ・レコードを設立。その翌年、タムラはモータウンと合併しモータウン・レコード・コーポレーションとなり、音楽業界を永遠に変える道を歩み始めた。モータウン初のアルバムは1961年にリリースされたスモーキー・ロビンソン&ミラクルズの『Hi… We’re the Miracles』 で、本作に収録の「Shop Around」は、モータウン初のミリオンセラー・シングルとなった。
Written By Sam Armstrong
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