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【インタビュー】スチュワート・コープランドが語るパンクとポリス、スティングとの出会い

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スチュワート・コープランドは、バンドメイトのスティングとアンディ・サマーズと共にロック界における唯一無二のバンド、ポリスの重要なメンバーである。1977年のバンド結成以来、このイギリスのパワー・トリオは個々のミュージシャンとしての素晴らしい力量を発揮しつつ、パンク・スピリットを具現化してきた。昨年は、小さなクラブで演奏していた騒々しいバンドから80年代を代表するバンドのひとつへと成長を遂げた彼らのキャリアを網羅する6枚組LPのボックス・セット『Every Move You Make: The Studio Recordings』がリリースされた。スチュワート・コープランドがuDiscoverのインタビューに、スティングとの運命的な出会い、ポリスの急速な躍進、そして理想のポリスの楽曲について語ってくれた。

Stewart Copeland Reflects On The Police's Punk Beginnings

 

「当時のパンク・バンドの多くはライヴをやる方法さえ知らなかった」

スチュワート・コープランドは、イギリスにおけるパンク最盛期だった当時のシーンがもろ刃の剣だったことを裏付けるバンドに経験について語る。

「パンクは、音楽というものが必ずしも当時成功を収めていたELOやABBAといったサウンドである必要はないのだ、ということを人々に気付かせてくれたんだ」と彼は語りつつ、当時のポリスは、「バンドとして3、4年のキャリアを積んでいたために、自らで培った音楽的土壌を利用しているだけの偽パンク・バンドだと叩かれていた。当時のパンク・バンドの多くはライヴをやる方法さえ知らなかった」ことを付け加えた。

ポリスを特徴付けるひとつの要素として、スティングの持つジャズのバックグラウンドとアンディ・サマーズのサイケ、そしてスチュワート・コープランドのキャリア初期におけるプログレの経歴を活かして、全く異なる音楽を融合させ、彼ら独自のサウンドを創り上げたことがある。

 

「彼こそがロック・スターだ!」

スチュワート・コープランドが初めてスティングに出会ったのは、彼がカーヴド・エアというプログレ・バンドで演奏していた1976年のある夜のことだった。

「ロンドン北部のある町でライヴをやった日に、ラスト・イグジットっていうクールなジャズをやるバンドを見たんだ。彼らが演奏していたジャズそのものは特にすごいとは思わなかったんだけど、そのバンドのベーシストが素晴らしかったんだ。そのベーシストは歌うこともできたんだけど、何よりも天からの神々しい一筋の光が彼の表情を照らしているのがわかったんだ。その時、“彼こそがロック・スターだ”と思った。まさか今彼がこうして歌っているなんて当時は誰も考えてもみなかっただろう」。

 

「あの頃のスティングはゴリラのお面を被っていたよ」

スチュワート・コープランドは、バンドとして目覚ましい成功を収める以前に、彼がクラーク・ケント名義で初めてイギリスのTV番組“Top Of The Pops”に出演し、ヒット曲「Don’t Care」をパフォーマンスした時のことを語った。

当時ポリスは“とてもかっこ悪いバンド”だとメディアから酷評されていたために、スティングやアンディ・サマー、そしてツアー・マネージャーのキム・ターナー、カーヴド・エアのオリジナル・ドラマーだったフロリアン・ピルキントン・ミクサは仮面を被ってBBCに出演することになったのだという。

「あの時スティングはゴリラのお面を被っていて、キム・カーナーがギターで、僕がベースだった」と彼は当時を振り返る。

Don't Care – Klark Kent (TOTP) (RM)

 

その後、スチュワート・コープランドが“完璧なポリスの曲だ”と語る「Roxanne」「Every Breath You Take」「Message In A Bottle」などの大ヒットによって、彼らが仮面を被らなければならない期間は長くはなかった。

「これらの楽曲の中にはポリスの魅力が沢山詰まっているんだ。スティングが書いた猛烈なビートを放つアルペジオのギターをアンディ・サマーズが見事に弾きこなした。それからのレゲエっぽい 4つ打ちのビートも」

The Police – Message In A Bottle Video

 

「ポリスは有刺鉄線で出来たプラダのスーツみたいだ」

バンドが小規模なライヴハウスから卒業してスタジアムで演奏するようになると、メンバー同士の緊張関係は次第に高まり、レコーディングのプロセスが難しくなっていった。

「僕たちはお互いのことを心から愛しているし、尊敬もしているんだけど、それぞれが持ち寄ったものを上手く組み合わせるのが難しくなってきたことに気付いたんだ。それは不思議なダイコトミー(*三者選択)だった。一緒に創り上げる音楽のパワーはわかっていながらも、それを創り上げる過程で喧嘩してしまうんだ。全てが上手くいっていたあの頃に、僕たちが離別する芯の強さを持っていたのはとても幸運だったよ」

Written by Laura Stavropoulos


ポリスのドキュメンタリー
『ポリス・インサイド・アウト』

2019年5月31日発売
Blu-ray / DVD
日本語字幕付 / 英文ライナー翻訳付

スティング『My Songs』
2019年5月24日発売
通常CDとデジタルでの発売
試聴・購入まとめリンク



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