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ロジャー・テイラー、ライヴ・アルバム発売。ソロ曲やクイーン、そしてロックの名曲を披露
ロジャー・テイラー(Roger Taylor)が、2021年10月に大成功を収めた英国ツアーを収録したライヴ・アルバム『The Outsider Tour Live』を9月30日にリリースすることを発表した。20年以上ぶりにクイーン以外でのライヴ・アルバムを発表するテイラーはこう語っている。
「自分の控えめなツアーは、とにかく楽しくて、音楽的にとても良いものにしたいんだ」
アナログ盤や2枚組CD(クイーン海外公式サイトで発売)、そしてデジタルにてリリースとなる『The Outsider Tour Live』は、14日間にわたるソールドアウトした公演から22曲を収録。そしてこのアルバムから、「Surrender」が9月8日に先行配信された。
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2021年10月に発売されたロジャーのソロ・アルバム『Outsider』は、新型コロナウイルスが感染拡大した閉鎖的な環境下で作曲、レコーディングされた結果、ロジャー自身「少しノスタルジックで切ない」作品になったと認めている。このアルバムを引っさげての英国ツアーは、新作ソロ・アルバムを強調することに重点を置きながら、彼が強調したかったのは純粋な逃避的喜びだった。彼はこう語っている。
「みんなに楽しんでもらいたいし、(コロナで)今までの鬱屈した時間から解放されたいんだ」
彼の新曲が示唆するように、しばらくの間、私たちは皆、ただ「生き延びようとしている」だけだったが、そんな中で行われたロジャー・テイラーのライヴは、解放の轟音と幸福な高揚感の爆風をもたらした。
新曲とクイーンの名曲を巧みにブレンドしたセット・リスト、そして今まで発売してきた6枚の強力なソロ・アルバムの楽曲の輝かしい再演。ロジャー・テイラーのライヴは、新曲の衝撃とロックの歴史を融合するスイートスポットを見つけることによって、いかに観客を興奮させるかというマスタークラスのようなものであった。
クイーンのメンバーとして、また、バンドを超えた活動でも高い評価を得ているテイラーは、50年にわたり音楽のジャンルを吹き飛ばし、記録を塗り替え、高い人気を博してきた。そんな彼のライヴでの演奏は新鮮で、注意深く、意欲的でもある。
HIVの陽性診断の恐怖を歌った「Say It’s Not True」(ネルソン・マンデラ46664エイズ・アクション・キャンペーンのために録音)や、家庭内虐待をテーマにし、1998年に発売された4枚目のソロ・アルバム『Electric Fire』の収録曲「Surrender」では、彼の喉には本物の魂があることを証明している。そして「Foreign Sand」は、シンプルなアコースティックギター伴奏バージョンとなっている。
キーボード奏者のスパイク・エドニー、ドラマーのタイラー・ウォーレン、マルチ・インストゥルメンタリストのティナ・キーズ、ベースのニール・フェアクロー、ギターのクリスチャン・メンドーサという素晴らしいバンドに加え、ロンドンではグランドフィナーレにブライアン・メイがゲスト参加し、「他の母から生まれた私の兄!」とステージでロジャー・テイラーが大声で紹介した。
「Up」の宝石のようなソロ作品に飛び込もうと、「I’m In Love With My Car」のような堂々とした演奏を再訪しようと、あるいは痛烈な真実を描いた「Gangsters Are Running The World」で世界の情勢を伝えようと、このセット・リストは、音楽界の最も著名なドラマーとしての彼の功績と同じく作曲能力の高さを思い出させるものであった。
ロジャー・テイラーの歌声はエモーショナルで、タイラー・ウォーレンとのデュエットでドラムキットの後ろに回ると、あらゆる種類のマジックを披露してくれた。彼はこう語る。
「できるうちは絶対にやり続けたいね。まだまだ叩けるけど、最近はもっと繊細に叩くことができていると思いたいね!」
またバンドメンバーのティナ・キーズはこう語る。
「ロジャーの美しい声は、年を重ねるごとに良くなっているようです。彼は素晴らしいフロントマンでもあります。ステージ上でさえも、私は驚いてしまうんです。私たちは皆、一緒に演奏することをとても楽しんでいたし、観客にもそれが伝わったと思います」
ロジャーは『Outsider』の収録曲については「クイーンのような音も、クイーンらしくない音も出そうとはしないよ。ただ自分でありたいからね」と語る。しかし、このツアーのアンコールでは、旧友でコラボレーターでもあるデヴィッド・ボウイの名曲「Heroes」やレッド・ツェッペリンの「Rock and Roll」の生命力を感じさせるカバーバージョンで会場は盛り上がり、ロジャーの好みを見抜くことができる。
また、「Tenement Funster」は彼の若き時代を思い出させ、同じくテイラーによるクイーンの「These Are The Days Of Our Lives」は、過剰な感情抜きでソウルを醸し出している。さらに、ゴージャスな「Under Pressure」は、ビルを焼き尽くし、我々の脳みそを床下に蹴り飛ばすような最高の出来だ。
ロンドン公演では、リトル・リチャードの「Tutti Frutti」の1節でブライアン・メイがギターで登場し、ロジャー作曲の「A Kind Of Magic」に入ると、会場は騒然となった。ロジャーによる「Radio Gaga」でも観客はまだ興奮冷めやらぬまま、会場全員でハンドクラップが行われ、この日の演奏は幕を閉じた。その瞬間、誰もが“インサイダー”となり、人生とは、ただ生きていくこと以上のものであることを実感したのだった。エネルギッシュでありながら、雄弁でもあるこのライヴ・アルバム『The Outsider Tour Live』は、何でも可能なんだということを感じさせてくれる作品だ。
このライヴ・アルバムはファースト・シングルとして、ロジャーが家庭内暴力の問題にスポットを当てた痛々しいほど正直な曲「Surrender」のライヴ・バージョンが収録されている。この曲は1999年に発表され、家庭内暴力の問題を広く知らしめるきっかけとなり、討論の場で最前線に立ち、デヴォン&コーンウォール州議会がゼロ・トレランスの文化を推進するために採用したほどである。このライヴ・バージョンでは、テイラーはツアー・バンドのメンバーであるシンガー/マルチ・インストゥルメンタリストのティナ・キーズと一緒にボーカルとして参加している。
Written By Tim Peacock
ロジャー・テイラー『The Outsider Tour Live』
2022年9月30日発売
iTunes Store / Apple Music / Amazon Music
CD1:
1. Strange Frontier – Live from London ,2021
2. Tenement Funster – Live from London, 2021 **
3. We’re All Just Trying To Get By – Live from Plymouth, 2021
4. A Nation Of Haircuts – Live from Guilford, 2021
5. These Are The Days Of Our Lives – Live from Norwich, 2021 **
6. Up – Live from Bournemouth, 2021
7. Gangsters Are Running This World – Live from Plymouth, 202
8. Absolutely Anything – Live from Norwich, 2021
9. Surrender – Live from Bournemouth, 2021
10. Man On Fire – Live from London, 2021 **
11. Rock It (Prime Jive) – Live from London, 2021 **
12. Under Pressure – Live from London, 2021 **
13. Say It’s Not True – Live from Bexhill, 2021
CD 2:
1. I’m In Love With My Car – Live from Guilford, 2021 **
2. Outsider – Live from Plymouth, 2021
3. More Kicks – Live from Guilford, 2021
4. Foreign Sand – Live from Plymouth, 2021
5. Tutti Frutti – Live from London, 2021 (リトル・リチャード)
6. A Kind Of Magic – Live from London, 2021 **
7. Rock ‘n’ Roll – Live from Newcastle, 2021(レッド・ツェッペリン)
8. Heroes – Live from Coventry, 2021(デヴィッド・ボウイ)
9. Radio Ga Ga – Live from Guilford, 2021 **
**クイーンの曲
ロジャー・テイラー『Outsider』
2021年10月1日発売
日本盤CD / 輸入盤CD&LP / iTunes Store
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