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ロジャー・テイラー、クイーンのデビュー・アルバムのドラム・サウンドの裏側について語る
クイーン(Queen)の1973年のデビュー・アルバム『Queen』改め『Queen I』の最新リミックス&リマスター盤の発売を記念して、新たに公開された最終第6話『“QUEEN I”でドラムサウンドがどう変わったのか』では、バンドのデビュー・アルバムにおける独特のドラム・サウンドを深く掘り下げている。
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テイラーのドラム・サウンドは、スタジオであれライヴであれ、クイーンのパフォーマンスに欠かせないものであり、彼のプレイはオーディエンスを熱狂の渦に巻き込んだ。しかし、この新たなエピソードでも語られているように、テイラーはバンドのデビュー・アルバムのドラム・サウンドの最終的な仕上がりに満足していなかったという。
トライデント・スタジオでの挑戦
クイーンはディ・レーン・リー・スタジオで一連のデモを録音した後、トライデント・スタジオで正式な録音を行った。しかし、トライデントの録音方式に不満を抱いていたというテイラーは次のように語っている。
「トライデントでは“よしやってやるぞ”という感じだったけど、どうしてもうまくいかなかった。彼らはドラム用のブースを持っていて、それで有名なサウンドが録れたんだ。とても乾いた、死んだような音だった。それは私が求めていたものではなく、私はドラムの響きが聴きたかった」
さらにテイラーは、トライデント・スタジオではハイマン製のアクリル・ドラム・キットを使用せざるを得ず、自分の好むセットアップで演奏することができなかったことを明かしている。
「あのキットで演奏するのは本当に嫌だった。ディ・レーン・リー・スタジオで安価なドラム・キットを使って録音したデモを聴いてもらえれば、その方がレベルの高い演奏になっていることがわかると思うよ。忙しい感じではあるけれども、全体的にしっくりくるし、単純に聴き心地が良いんだ」
新しいリマスター版へのアプローチ
この第6話『“QUEEN I”でドラムサウンドがどう変わったのか』は、視聴者自身にディ・レーン・リー・スタジオとトライデント・スタジオでのオリジナル・ヴァージョンと、新たなボックス・セットのリマスター版を聴き比べ、どちらが良いのかを判断する機会を提供する。テイラーはリマスター版のサウンドについて次のように説明している。
「今回の“Queen I”では、実際の録音をすべて使用しつつ、当時の私たちが求めていたサウンドに近づけたんだ。より生々しく、ドラムが活き活きとしていて、よりアンビエントな響きがある。私にとっては大きな進化で、ブライアンも同じように思っているよ」
Written By Sam Armstrong
クイーン『Queen I』
2024年10月25日発売
Box Set / 2CD
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