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ザ・ジャムのドラマー、リック・バックラーが69歳で死去
ザ・ジャム(The Jam)のドラマーとして知られるリック・バックラー(Rick Buckler)が69歳で逝去した。元バンドメンバーで、シンガー兼ギタリストのポール・ウェラーはこの訃報を受け、自身のXで次のように述べている。
「リックの訃報に大きなショックを受け、深い悲しみに包まれています。ウォキングのスタンリー・ロードにあった私の部屋で、一緒にリハーサルしていた日々が思い出されます。若き日にパブやクラブで演奏し、ついにはレコードを作るまでに至ったことも。なんて素晴らしい時間だったのでしょう。私たちは自分たちの夢を遥かに超える場所へとたどり着き、そして今もなお、私たちの音楽は多くの人々に聴かれ続けています。ご家族やご友人の皆さんに心からお悔やみを申し上げます」
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ベースのブルース・フォクストンはこう追悼を捧げている。
「今日、この悲しいニュースを聞いて、ショックを受け、打ちのめされています。リックは素晴らしい人物であり、優れたドラマーでした。彼の革新的なドラムパターンが私たちの楽曲を形作ってくれました。彼と一緒に活動できたことをとても嬉しく思っています。この困難な時期に、レスリーとご家族に思いを寄せています」
家族の声明には、「愛する夫、父、祖父であり、多くの人にとってかけがえのない存在だった彼の死は、深く惜しまれるでしょう。彼は短い闘病の末、月曜の夜に家族に見守られながらウォキングで安らかに息を引き取りました」と記されている。
イングランド・サリー州のウォキングで生まれ育ったリック・バックラーは、2015年にMOJO誌のクリス・キャッチポールのインタビューに応じ、1972年から1982年にかけて活動し、1970年代後半のパンクとニューウェーブ時代にモッズ・ファッションと音楽のリバイバルを牽引したバンドとして人気を博したザ・ジャムの結成についてこう振り返っていた。
「私とポールは学校でなんとなくお互いのことを知っていた。あの頃、音楽に興味のある奴らはみんな音楽室に集まって、アルバムを交換したりしていたんだ。ある日、ポールとスティーヴ(オリジナル・ギタリストのスティーヴ・ブルックス)がライヴをすることになり、ドラマーが必要になった。そこでポールは私にチャック・ベリーっぽい作風のアルバムの山ほどを持ってきて、“これを聴いて覚えてこい”と言ったんだ。バンドは常に進化を続けていた。振り返ってみると、そのことがよくわかるよ。私たちは常に、スリーピース・バンドでできることの限界に挑戦していた。だからこそ、アルバムごとに独自の個性が生まれていった。“Ghosts”、“Absolute Beginners”、“Funeral Pyre”、“Start!”を聴き比べてみれば分かると思うけど、それぞれアプローチも録音方法も全く違うんだ。初期の頃は、レコード会社に認められるため、そして自分たちのファンベースを築くために努力し続けなければならないと感じていた。その姿勢は、ずっと貫いてきたものだと思う」
Written By Sam Armstrong
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