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クイーン+アダム・ランバートが2014年のサマソニで披露した「I Was Born To Love You」
50年に及ぶクイーン(Queen)のキャリアから、貴重な蔵出しライヴ映像や、最新パフォーマンス、舞台裏を明かすインタビュー等を50週にわたって紹介していくバンドの最新ウェビソード・シリーズ『Queen the Greatest Live』。
過去10年間、クイーン+アダム・ランバートのツアーでは、70年代や80年代のセットリストでは取り上げられることのなかったレアな名曲のパフォーマンスをファンに披露してきた。新たに公開された第47話『日本で披露した「I Was Born To Love You」』では、クイーン+アダム・ランバートが2014年に日本のサマーソニックで「I Was Born To Love You」のエネルギッシュなパフォーマンスを披露し、この曲がとりわけ高い人気を誇る日本のファンから熱烈な歓迎を受けている様子がご覧いただける。
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“ヒット曲が多すぎる”というのは、ほとんどのバンドが羨むような問題だ。一方で、70年代と80年代のクイーンのセットリストは、言わば自動的に形成されていた。ラストを飾るアンセムは必須であり、ファンのお気に入り曲が演奏されなければ、暴動さえ起こりうるほどだった。しかし、2000年以降のクイーン+アダム・ランバートは、クイーンのカタログから、ファンにあまり馴染みのない曲も掘り下げてきた。
欧米のファンにとって、「I Was Born To Love You」は、フレディ・マーキュリーの1985年のソロ・アルバム『Mr.Bad Guy』で初めてリリースされ、その後、1995年、フレディの遺作にして実質的にクイーンの最後のスタジオ・アルバム『Made In Heaven』のために再編集されたカルト的な名曲だ。
クイーン+アダム・ランバートの“Rhapsody”ツアー日本公演が2024年2月に開催されることもあり、今回公開された<サマーソニック2014>でのパフォーマンス映像は、日本のファンに「I Was Born To Love You」がクイーンの他の大ヒット曲に匹敵するほど高い人気を誇ることを思い出させるタイムリーなものとなっている。
日本のクイーン愛のルーツは、1975年4月の初来日に遡るが、1996年に「I Was Born To Love You」が日本のキリンビールのTVCMに起用されたことで、フレディが作詞作曲したこのパワー・バラードは、1977年以来、約20年ぶりに日本のヒット・チャートにランクインしたクイーン楽曲となり、日本国民を魅了。さらに同曲は、2004年のアイスホッケーをテーマにした木村拓哉主演のテレビドラマ『プライド』のオープニング曲にも起用され、日本で最も人気のあるクイーン楽曲のひとつとしての地位を確固たるものにした。
そうした背景から、2014年のサマーソニックでクイーン+アダム・ランバートが再来日した際には、ブライアンの指弾きのギター・ソロの最中にアダムが観客の間を駆け抜けていく「I Was Born To Love You」の圧巻のパフォーマンスにかつてないほどの熱狂が巻き起こった。
プロモーターでミュージック・エグゼクティブのカズ宇都宮氏はこの日のクイーンのステージを振り返りこう語っている。
「サマーソニックはグラストンベリーのようなものです。多くのフェスティバルを見てきましたが、ファンやレコード会社の関係者を含め、誰に聞いても、サマーソニックのエンディング・アクトではあれ(クイーンのステージ)が最大の盛り上がりだったと言います」
ブライアン・メイは「I Was Born To Love You」のレコーディングを次のように振り返っている。
「あの曲にはこだわりがあったので、もしフレディと一緒にライヴで演奏することができたとしたらどんなサウンドになっていただろうかということをシュミレーションしながら新しいヴァージョンを作ることを考えていたんだ。だから、クイーンのヴァージョンは、フレディの壮大なヴォーカルを中心にした、“バーチャル”なライヴ・トラックとして制作された。ロジャーとジョンと私は、私が用意した再構築されたテンプレートに沿ってそれぞれのパートをライヴで演奏した。それにいくつかのアレンジを追加し、ヴォーカルに自由を取り入れ、さらには選りすぐりのフレディのアドリブを借りて、ライヴ録音のように完成させたんだ。それから何年も後にアダムと一緒にこのアレンジを本物のステージで披露する機会を得ることになるなんて思ってもみなかったよ」
Written by uDiscover Team
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