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クイーンの初来日、バンドと日本との現在まで続く絆の始まり：50周年記念で毎週公開中の動画第14話

Published on

6月 20, 2021

Photo: Terry O'Neill

バンドの結成50周年を記念して毎週1本ずつ全50本の動画が公開されているクイーンのビデオシリーズ「Queen The Greatest」の第14弾のエピソードが公開された。今回では、現在まで続くクイーンと日本との絆の始まりについてのストーリーが取り上げられている。

Queen in Japan: Part 1 – QueenMania (Episode 14)

初期のクイーンは、当然のことながら他のバンドと同じように母国イギリス、そして大西洋を越えたアメリカ市場での成功を収めるために努力していた。しかし、日本ではクイーンが来日する前に注目が集まり、それは今日まで続く深い絆の始まりとなった。

1974年の時点で、日本では音楽誌『ミュージック・ライフ』にバンドの写真やアルバムのレビューが掲載されていた。自分達の音楽性とステージ・ショーに日本のリスナーが魅了されていることを知ったクイーンは、1975年4月に8日間にわたる日本ツアーの実施を決定。日本での最初のコンサートは、世界的に有名な日本武道館であった。ロジャー・テイラーはこう語る。

「日本でクイーンの需要があることは聞いていたので、アメリカ・ツアーの最後に付け加えたんだ。ハワイで休暇を過ごした後に日本に行きました。空港に着いてみると、想像していたのとは違う規模で、何千人もの人々が私たちを歓迎してくれていた。普段は受けないような光景でしたね」

レコード会社のエクゼクティブであり、プロモーター、そしてクイーンの長年の友人でもある宇都宮カズは、今回の独占インタビューの中で、その特別な到着を次のように振り返っている。

「空港に3,000人もの人が集まってくるとは、誰も予想していなかったと思います。空港にいた人は、誰もが “これはビートルズの再来だ “と思ったでしょうね」

Queen – Japan 1975

そんな日本でのクイーン人気の始まりを、宇都宮カズはこう語る。

「当時、ロックグループのバンドは主に男性客に支持されていましたが、『ミュージック・ライフ』がクイーンの写真を載せたことで、女性ファンとの新しい世界が開け、日本では男性のファンも女性のファンもともに獲得できたんです」

この最初の出会いが、クイーンと日本の深い絆の始まりとなり、それぞれがお互いに良い印象を残すことになった。1976年に発売されたオリジナル・アルバム『A Day At The Races』に収録された「Teo Torriatte（手をとりあって）」は、サビが日本語で歌われた曲で、ブライアン・メイが日本のファンへの感謝として作曲したものだ。この日本のファンにとって特別な曲について宇都宮カズはこうコメントする。

「日本のファンは“Teo Torriatte”のような曲をクイーンが作るとは夢にも思っていませんでした。クイーンには世界各地に向けたいろいろな曲がありますが、“Teo Torriatte”の演奏は日本でしか聞くことはできないと思います」

Queen – Teo Torriatte (2005 Video)

クイーンは1985年まで定期的に日本公演を行っていたが、宇都宮カズの説明によると、バンドは常に独自のアプローチを行っていたという。

「初期の頃は日本全国の都市をまわっていて、北海道の札幌に行ったり、仙台にも行っていたりしました。そこまで日本全国をまわる海外のバンドは少なかったので、（日本のファンは）とても心を打たれました。日本には海外から多くバンドがやってきますが、東京と大阪にだけ行って、東京以外の都市の文化を見る機会はほとんどありません。しかしクイーンは初期の頃、それも初日から日本を知ろうとしたのです。東京や大阪以外の都市の人々も、海外のバンドを見る機会はほとんどありませんでしたが、クイーンは多くの都市を回ることで、日本での人気がさらに高まったのです」

Written By Tim Peacock