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‟クイーンの独立記念日”、マネージャーのジム・ビーチが語るバンドとの初対面
バンドの結成50周年を記念して毎週1本ずつ全50本の動画がYouTubeで公開されているクイーンのビデオシリーズ「Queen The Greatest」の第17弾のエピソードが公開された。
今回のビデオでは、クイーンは結成7年目にして、経済的な面と創造的な面とで独立を果たすという彼らの夢が実現した“クイーンの独立記念日”の舞台裏がとりあげられている。フレディ・マーキュリー、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラーのアーカイブ映像や、バンドの長年支えるマネージャー、ジム・ビーチの貴重なインタビューが紹介されている(動画はYouTubeの字幕機能にて字幕付きで公開)。
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このエピソード内では、ジョン・ディーコンが当時のバンドは3枚のアルバム・ヒットを出した後も経済的には悲惨な状況に置かれていたこと、そしてこの後、クイーンが経済的、創造的な独立を目標にしていたことを語っている。
「最初の3枚のアルバムの印税は1円ももらえませんでした。(当時のマネージャーの)ジョン・リードとは3年間契約をしてて、来年9月頃に終了する。僕らが考えているのは、自分たちのことは自分たちでやっていくということです」
ロジャー・テイラーは、こう付け加える。
「芸術や経済的自由を得るのは長い道のりなんだ。どんなに成功していても見つけるのが難しい。悪いヤツらは沢山いるからね」
1978年初頭、アルバム『Jazz』のレコーディングに着手する直前に、クイーンはついに自分たちのビジネスを完全にコントロールできるようになり、クリエイティブな活動を運営・管理するためにQueen Productions Limited、Queen Music Limited、そしてQueen Films Limitedという3つの会社を設立した。これは、当時のバンドとしては異例のことであり、彼らが自身の音楽の旅を前進させるという信念を持っていたことの証でもある。
その少し前となる1975年、クイーンが経済的自立を目指していた頃に初めて会ったジム・ビーチに日々のビジネス運営を依頼することにした。この出会いは、ジムにとっても非常に印象深いものだったようで、彼はその最初の出会いをこう振り返る。
「クイーンに初めて会ったのは、私がロンドンのハーボットル&ルイス法律事務所で弁護士をしていたときでした。私はパートナー弁護士(*法律事務所の共同経営者)として、当時はできたばかりの音楽部門を運営していました。しかし、クイーンが到着したとき、受付係が私に電話をかけてきて、“ビーチさん、クイーンが来ました” と言ったのを覚えています。私がわかったよと応えると彼女は電話口で小声になって “彼らを見たことがありますか?” って聞いてきました」
「私は “あるよ” と答えましたが、彼女は“一人がマニキュアを塗っています” と言うんです。私が “そうなの?”と聞くと “そうなんです。それも黒なんです” って。私は “バカなことを言ってないで、さあ、彼らを通して” と伝えました。フレディが最初に入ってきたのを覚えています。彼らは座ると、フレディはこう話し始めたんです。“僕たちは3枚のアルバムを録音して、マネージャーは2台目のロールスロイスを買ったばかりで、僕たちは週に60ポンドしかもらっていない、何かが間違っている” ってね」
クイーンは自分たちだけでやっていきたいと考えていたのは、ビジネス面だけではなかった。アルバム『News of The World』は、スタジオでも彼らが完全にコントロールできることを証明している作品だ。ジョン・ディーコンがこう語る。
「本当に必要なのは(プロデューサーではなく)エンジニアという段階にきたんです。望むバランスや音のアイデア、つまりアーティストやミュージシャンは自分が望むものをよく知っている。そして、それを実現するために必要な唯一の人物はエンジニアです。ミックスをしているとき、テープからトラックをミックスダウンしているとき、つまり準備して一緒に座り調整も一緒にする人物ですね」
この時、長年クイーンのエンジニアとして活躍してきたマイク・ストーンは、バンドがスタジオで求める創造的な自由を実現するための貴重なアシスタントとなっていた。
クイーンの独立は7年間の活動を経てようやく手に入れたものであり、同じ頃にデビューした多くのバンドがその活動を終えようとしているときに、クイーンは、自分達の力で強く前進することができる位置に自分たちを導くことに成功したのである。
Written By Tim Peacock
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