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欧州ツアーの延期を発表したパール・ジャムがファンとのQ&Aセッションに参加

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4月 13, 2020

新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受けて、パール・ジャム（Pearl Jam）が彼らの最新作『Gigaton』を携えた“Gigaton tour”の北米ツアーに続いて、全14公演をスケジュールしていたヨーロッパ・ツアーも延期することを発表した。2020年6月23日にドイツのフランクフルトから開幕予定だった同ツアーは、2021年の6月と7月へ延期されることになった。一方で、バンドはファンとの交流をはかっており、ギタリストのマイク・マクレディとストーン・ゴッサードは4月11日に行われたバンド初となるRedditでの「Ask Me Anything（AMA）/ 何でもきいてね」セッションに参加し、ベストセラーを記録している彼らの最新アルバム他、ファンからの様々な質問に答えていた。

ヨーロッパ・ツアーの延期が発表されたのはこのAMAセッション後のことだったが、マイク・マクレディとストーン・ゴッサードは、早々に延期を決定していた3月下旬から敢行予定だった北米ツアーについて言及している。パール・ジャムは、地元シアトルにも大きな被害を及ぼしている新型コロナウイルスの影響を考慮して、ツアーの延期を最も早期に発表していたミュージシャンの1組だった。

また2人は、最新作『Gigaton』の制作プロセスについても語った。マイク・マクレディは、「長いプロセスでした。ツアーやクリス（コーネル）の死など、その間多くの出来事がありました。それでも、“とにかく思いついたことは何でもやろう”というマインドで自由にレコーディングに臨んでました」と明かしている。

さらに彼は、アルバム収録曲「Dance Of The Clairvoyants」について「パール・ジャムの曲がどうあるべきかという先入観をもたずに完成させたこれ以上ないお手本と」と語り、「Retrograde」については、「アンビエントな感じがすごく好きなので、曲の最後をぶっ飛んだ雰囲気にしてみました。ヘッドフォンで聴くことを想定してみたんです」と解説している。

ファンからの「アルバム“Gigaton”は2部作の前編になるという噂は本当なのですか？」という質問に対しては、「“Gigaton”はこれで完結。もっと多くの楽曲をレコーディングしたいけど、このパンデミックの中では、僕たち全員が身を守る対策をすることが重要です」と答えている。

また2人は、彼らの長年の友人であり、テンプル・オブ・ザ・ドッグでのバンドメイトでもあったクリス・コーネルとのエピソードも披露した。ストーン・ゴッサードは、2017年に自ら命を絶ったクリス・コーネルとの一番好きな思い出の一つとして、サウンドガーデンが1996年にリリースしたアルバム『Down On The Upside』を、彼が所有するスタジオ“Litho”でレコーディングしていた当時のことをこう振り返っている。

「その1ヶ月前、僕らがそこでアルバム“No Code”のレコーディングをしていた時に、マイクが“セーフティ・マン”っていうダミー人形を置きっぱなしにしていて、そのセーフティ・マンはサウンドガーデンのレコーディング中もずっとソファに座っていたんです。ある日“Down On The Upside”のプロデューサーだったマット・ベイルズがセッションのためにスタジオに到着した時、セーフティ・マンが突然立ち上がって、マットが死ぬほどビビっていた。実はこっそり先にスタジオ入りしていたクリスが、セーフティ・マンの服を全部着て、20分ほど座って待っていたらしい。あれは本当に面白かったです」

またファンから“人生を変えたレコード”についても質問されたマイク・マクレディは、ザ・ローリング・ストーンズのファンであることを明かし、「“Sticky Fingers”と“Exile on Main Street”は僕の命を救ってくれた作品と言っても過言ではありません。この2作は今でも僕にとってとても美しいアルバムです」と語った。さらに彼は、お気に入りの作品として、クイーンの『News Of The World』、レッド・ツェッペリンの『Led Zeppelin II』、そしてセックス・ピストルズの『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols』を挙げつつ、最後に「それからKISSの“Alive!”は僕がギターを始めたきっかけです」と付け加えた。

パール・ジャムは約5年振りのニュー・アルバム『Gigaton』で、グランジ・アイコンとして見事な復活を遂げた。11作目のスタジオ・アルバムとなる今作は、全米ロックアルバム・チャートで1位に初登場し、全米アルバム・チャートでもTOP5入りを果たしている他、ローリング・ストーン誌、AP通信、そして今作を「90年代後半以降の彼らの最高傑作」と評価するスピン誌など、各方面の批評家からも広く称賛されている。

Written By Sophie Smith