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ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーが思いがけずカントリーミュージックアワード受賞
ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーが、リル・ナズ・Xとビリー・レイ・サイラスの記録的大ヒット曲「Old Town Road」の中でサンプリングされている「34 Ghosts IV」のプロダクションで、思いがけずカントリーミュージック協会賞(以下CMAアワード)を初受賞した。
今年前半に各チャートを席巻したヴァイラル・ヒット「Old Town Road」は、11月13日テレビでの生放送前に行われたCMAアワードの授賞式にて、“ミュージカル・イベント・オブ・ザ・イヤー”を受賞した。
トレント・レズナーと彼のお馴染みの共作者であるアッティカス・ロスにとって初受賞となった今回のCMAアワードは、同じくリル・ナズ・Xにとっても初の受賞で、大ヒット曲「Achy Breaky Heart」で知られるビリー・レイ・サイラスにとっては27年ぶりの快挙となった。
カントリーとヒップホップを融合させた「Old Town Road」は、ビルボードのカントリー・チャートへのエントリーを拒否されたことで物議を醸し、その後カントリー界に顔が利くビリー・レイ・サイラスが参加したリミックスを発表したことで一気にブレイクを果たした。
「Old Town Road」は、バンジョーの演奏で始まるその短いイントロの中で、ナイン・インチ・ネイルズの2008年のアルバム『Ghosts I–IV』に収録されている「34 Ghosts IV」をサンプリングしている。プロデューサーのYoungKioは、そこにトラップ・ビートを加え、この歴史的なヒット曲を完成させた。トレント・レズナーがこのサンプリングについて知った時、自身の曲が遂げた変貌に驚いたという。
「まったく違う何かになってしまった自分の曲を聴くのは、いつも戸惑います。自分のうちなるものから生まれた作品ですから」とトレント・レズナーは今年10月に行われたローリング・ストーン誌のインタビューの中で語っていた。
一方で、トレント・レズナーとCMAアワードの関わりはこれが初めてではなく、カントリー・アイコン、ジョニー・キャッシュがリック・ルービンをプロデューサーに迎えた2003年のアルバム『American IV: The Man Comes Around』の中で、彼の楽曲「Hurt」をカヴァーし、その年の“アルバム・オブ・ザ・イヤー”を受賞していたが、惜しくも楽曲自体は“ソング・オブ・ジ・イヤー”の受賞を逃していた。
この日のCMAアワード授賞式で、リル・ナズ・Xとビリー・レイ・サイラスによるパフォーマンスは披露されなかったが、彼らの楽曲は、なにをもってカントリー・ソングとするか、という論説そのものを変えたことは確かである。
今年のCMAアワードは、共同ホストを務めるキャリー・アンダーウッド、ドリー・パートン、そしてリーバ・マッキンタイアに加え、シェリル・クロウ、ミランダ・ランバート、マレン・モリス、ピンク、そしてレディ・アンテベラムやホールジーによるパフォーマンスなど、女性アーティストたちの活躍が目立つイベントとなった。
第53回CMTアワード授賞式は、東部時間11月13日午後8時からABCで生放送された。
Written By Laura Stavropoulos
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